手紙のレビュー・感想・評価
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やっぱり光ってる沢尻エリカ
20才の沢尻エリカが綺麗。 今は福山雅治夫人の吹石一恵も美しい。 風間杜夫、吹越満のベテランの演技が、 この映画に厚みを持たせたと思う。 直木賞候補にもなった原作の力も大きいと思う。
動画配信で映画「手紙 (東野圭吾)」を見た。
2006年製作/121分/日本
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
劇場公開日:2006年11月3日
山田孝之23才
玉山鉄二26才
沢尻エリカ20才
吹石一恵24才
田中要次
石井苗子
松澤一之
鷲尾真知子
山田スミ子
風間杜夫
吹越満
東野圭吾が大阪市生野区出身だとは知らなかった。
予備知識なしで見はじめる。
直貴(山田孝之)は人目を避けて暮らしている。
理由がある。
兄(玉山鉄二)が直貴の学費欲しさに空き巣に入り、
家人が帰宅して居直り強盗になってしまった。
はずみで家人は死亡。
兄は強盗殺人犯となった。
千葉刑務所に収監。
囚人の兄がいることが身バレするたびに、
数度にわたり引越しと転職を繰り返す。
好きな女性(吹石一恵)との結婚も破談になる。
勤務した電機店でも兄の存在が知られることになる。
また配置転換。
兄貴がいる限り、俺の人生はハズレ。そういうこと。
自暴自棄になる直貴を、絶望の底から救ったのは由美子(沢尻エリカ)だった。
20才の沢尻エリカが綺麗。
今は福山雅治夫人の吹石一恵も美しい。
風間杜夫、吹越満のベテランの演技が、
この映画に厚みを持たせたと思う。
直木賞候補にもなった原作の力も大きいと思う。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
犯罪者の身内は犯罪者なのか。 偽善が蔓延る現代に「差別は当然」と言...
良いところもあれば悪いところもある
玉山鉄二の印象を一生変えてしまった作品
人の命を奪う事の代償の大きさ…
「長かったな…お互い…」
受刑者やその家族をとりまく人間関係
<映画のことば>
君はもう始めているじゃないか。
少なくとも、この手紙の主とは心が繋がっている。
あとは、その糸を2本、3本と増やしていけばいい。
警察官の捜査に基づく検察官の訴追を受けて、裁判官は刑を言い渡し、懲役に処された被告人は、その時点で身柄を司法から行政に引き渡され、刑務官の監視の下で受刑者として服役する―。法律上の手続はそれでお終いですが、受刑者やその家族をとりまく人間関係は、それで完結するわけでは、けっしてありません。
本作は、受刑者の家族の視座から物語を紡ぎます。
出所者が水産加工場へ再就職することが多いためか、評論子が鑑賞当時に住んでいた街では、民間ボランティア(更生保護女性会)の活動も活発でした。受刑者本人の更生だけでなく、その家族の生活再建にも、人と人との繋がりが欠かせないことを、本作は鮮やかに映し出します。
お正月に観るにふさわしい、心温まる一本でもあると思います。評論子は。
加害者家族
【”馬鹿な兄貴ですから、けれど血が繋がっていますから・・。”重犯罪者を兄に持った男の哀しみと再生して行く姿を描いた作品。山田孝之の抑制した演技と沢尻エリカの一途な想いを持った女性の姿が素晴しき作品。】
■未鑑賞の方は、内容に触れていますので鑑賞後に読んで頂ければ幸甚です。
ー 恥ずかしながら、今作品の存在すら知らなかった。(原作を読んでいた事も関係しているかもしれない。)
が、観賞すると、山田孝之(直貴)の自身のせいではないのに、職を追われる哀しみ姿を抑制した演技で魅せる姿と、彼を長い間支えている沢尻エリカさん(由美子)の善性溢れる姿に涙が溢れた。
そして、自身を貧しい中、大学に通わせようと衝動的に殺人を犯してしまった兄(玉山鉄二)との手紙での交流が始まる・・。-
■勝手な意見であるが、今作が2022年度に公開されたとしたら、私は文句なく”5”を付け、多分劇場で流す涙は、客電が上がってから涙を拭いて、”俺、泣いてなんかいないよーん”というツマラナイ世間体を気にした態度を取っていたと思った作品である。
◆感想<というか、沁みたシーン、満載である。>
・これは、他作品でもテーマにされているが、重犯罪(今作の場合、無期懲役。理由はあるにしろ、赦されざる犯罪である。兄は終身刑。)者の家族への差別である。
今作は、この重いテーマをキチンと正面から描いている。
ー 真面目に働いていても、身内に重犯罪者がいると、分かった時点で職を追われる、もしくは理由なき左遷をされる。
ケーズデンキの会長(杉浦直樹)が、左遷を言い渡された直貴に、(由美子からの手紙を受け取っている・・。)会いに来て言葉を掛けるシーンが印象的であり、その言葉が素晴らしい。ー
・自身が受刑者であった男(田中要次)が、直貴に来た手紙の住所を見て、酔っていたからか言ってしまった事。だが、その後、自身の部屋に直貴を呼んで、キチンと謝罪し、自らの且つての家族写真を見せるシーン。
・漫才コンビとして世に出た直貴が、ネットに流れた自身の兄の行為を見て、相方を想ってコンビを解散するシーン。
ー 私が大嫌いなのは、SNS社会で、自身の名を挙げずに人の不幸を嗤っている輩である。会社でもそういう輩はいるが、”他人の不幸は蜜”と考える奴は下劣極まりなく、私が気付いた場合には激烈な怒りを”敢えて皆の前で”本人に言い渡す。相手が私より年上であろうとも・・。-
・直貴が恋人(吹石一恵)に兄の事が言えなくて、怪我をさせてしまい破局してしまうシーン。
ー 哀しき場面である。だが、裕福な恋人の父親(風間杜夫)の対応も、仕方ないよな・・。-
■だが、山田孝之演じる直貴を、陰ながら支えていた沢尻エリカさん演じる由美子が行っていた事。
それは、終身刑を言い渡された刑務所で過ごす兄に、彼に代わって手紙を出し続けていた事である。
由美子は、それくらい直貴の事が好きであったのだし、直貴の兄の事も気にかけていた事が分かるのである。ナカナカ出来る事ではないよ。
今作では、由美子という関西弁を話す女性の自身の生い立ちがきっかけで行った崇高な行為の理由がキチンと描かれているのである。
・そして、直貴は由美子の行為を一度は激高するも、容認し、所帯を持ち、娘を持つ。
ー ここでも、直貴の兄の存在の噂が周囲に流れて行くが、由美子の言い放った言葉が素晴しい。
”逃げへん。全体に逃げへん!”・・もうね、涙が溢れます・・。-
<そして、直貴は且つてのコンビと千葉の刑務所に慰問コンサートに訪れ、多くの受刑囚の前で、持ちネタを披露する。
多くの受刑者が大笑いする中、カメラはある男に最後にショットを当てる。その男は、周囲が大笑いする中、一人手を合わせながら、大粒の涙を流している・・。
今作は、”重加害者の家族は一生、その傷を抱えながら生きなければならないのか・・”という普遍の重いテーマを根底に置きつつ、人間の善性と再生する姿を描いた素晴らしき作品である。>
パソコン買いに行くからね。と選んだパソコンのOSがXPだったらTV版「タイヨウのうた」のパロディになりかねない。
冒頭の強盗殺人シーンで早くも涙腺決壊状態となりましたが、過失致死で無期懲役にされてしまうほど日本の裁判は歪んでしまっているのだろうかと憤りをも感じました。貧しさ故の犯行、天津甘栗の供述などがあっても情状酌量にも持ち込めない弁護士。「ひとごろし」の身内であるという理由で陰湿なイジメに遭う現状。被害者家族の苦しみだけがクローズアップされる世論の中にあって、加害者家族の苦悩を取り上げたテーマは素晴らしいことだと思いました。
お笑い芸人を目指すという主人公の心。映画でも上手く伝えてありませんでしたけど、周囲の人たちに迷惑をかけてしまったという贖罪や、笑いのない生活から人を笑わせることによって抜け出し、一縷の希望を見出そうともがき苦しんでいる心情があったのだと勝手に解釈しました。しかし現実は甘くない。近しい人たちは彼の心を理解してくれるだろうけど、有名になってしまえばスキャンダルとして芸能界から締め出しを食らってしまう。まだ若かったために本名を隠すとか、芸能プロダクションの政治力を借りるとかいう小賢しい手段も思いつかなかったのでしょう。親友で相方の尾上寛之だってそこまで対策を考えていなかったようなので、コンビ解消も承諾するしかありませんでした。
お嬢様である吹石一恵を好きになってしまったのは不幸なことですけど、彼女の家に招待された直後くらいに山田孝之がもっと悩むという描写が欲しいところでした。そして手切れ金を受け取るかどうか逡巡するシーンにおいて、直結はしないものの「受け取ること」イコール「お笑い芸人を辞めること」くらいの重大な転機でもあるので、描写の工夫が欲しかったです。
テーマとなる手紙・・・吹越満も美味しいところを持っていきましたが、やはり沢尻エリカが良かった。可愛いというだけで評価されない、生きていくたくましさをも感じさせる演技力を発揮しました。ただ、関西弁を使うという設定の必要性の乏しさ。標準語を使わないことによって、逃げること、そこで生きていくこと、人と繋がりを持つことといったことを考えると、結局は関西から関東という「差別のない国」に逃げてきたことにはならないんだろうかと疑問に感じてしまいます。
前半の要所をしめる田中要次はいいアクセントとなっていましたが、資格を取るために大検を受けてもしょうがない。誰か「大検よりも他の資格を」と教えてあげなくてはいけないと思いつつも、人知れず勉強しているのでどうしようもありません・・・誰か教えてあげてください!
【2006年11月映画館にて】
永久保存版🙆♂️
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