「優しさは強さでもあり脆さでもある」手紙 撃たれる前に撃てさんの映画レビュー(感想・評価)
優しさは強さでもあり脆さでもある
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兄の剛志はあまりに不器用で脆い。剛志が犯した犯罪は凶悪ながらも不器用な脆さ、しかし弟への限りない優しさから。
主人公の直貴は一見強いが、彼の『日常』を支える環境はあまりにも脆い。それを痛感するからこその相方祐輔への優しさ。
兄は過去の行いに苦しんでいるが、弟は未来に希望が持てず苦しんでいる。ただ直貴の優しさはキチンと伝わっているがそれを自覚できる程、環境と人には恵まれなかった。
掴みかけた幸せも負の連鎖は続く。傍観者である自分は直貴には同情してしまうが、しかし実際なら自分が祐輔や由美子のように振舞えるかどうかも分からないし、朝美さんのお父さんのようになってしまわないとも限らない。
電気屋さんの会長が初めて彼にキチンと向き合ってくれた大人だったんじゃないかな。私も素敵な大人になりたいと強く思った。
あと、由美子は最高の女性だ。男はやはり女性に救われるし、強くもなれる。
直貴から剛志への最後の手紙は強さでもあり優しさでもあった。
吹越満さん演じる遺族の最後の言葉、祐輔との最後の漫才、初めて自分から掴みに行った希望ではなかったか。そして自分の強さを自覚できたのではなかったか。
余談だが、沢尻エリカさんはこんなに素敵な女性を演じられるのに実際はあんなに怖いところがあるのがビックリした。女優さんって凄いな。
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