思わず泣けてくるのがおじいさんのエピソード。すごいと思ったのが平井堅のカバーをチャ・テヒョンが歌っていたことだった。
原付バイクが自転車、写真館が葬儀社、ウォークマンがポケベル、オーストラリアが二人の行った島、ジュリエットが“貧血姫”。これくらいの変更点は許容範囲だったかもしれないけど、妹と柔道部の先輩がカップルになるとか、映画版『世界の中心で、愛をさけぶ』での柴咲コウの重要なサプライズが無かったことだとか、好きな映画を挙げる台詞が無かったことなど、オリジナル映画の良い点を削ぎ落としてベタな部分だけで勝負するのはいかがなものでしょうか。
高校生にも見えてしまうテヒョン君のキャスティングは男友達には好かれるタイプであったり、恋に鈍感だけど笑わせるのが得意であったり、嘘がすぐバレるといった性格を考えるととてもよかった。しかし、オーストラリア行きが無かったというだけで低予算の映画だとわかるのですが、それをチャ・テヒョンのコミカルな演技とソン・ヘギョの美しさだけではカバーしきれないくらいの力量不足の脚本でした。最も残念だったのは長澤まさみのように頭を刈らなかったことかもしれませんが・・・
それでもいいところはあったのです。「人間の心は100年経っても本質的には変わらないものだ」などといった伏線や、おじいさんのエピソードや男の友情みたいなところ。でも、あのテヒョン君の調子だと、ホントにそのうち忘れてしまいそうな気もするし・・・花の種の効果があと何年続くか心配です。