よみがえるブルース

解説・あらすじ

 ジャズ・バンドでピアニストを務めているジョンは女性シンガーのジェスと愛し合う仲に。しかしそれがきっかけでエージェントのベニーと口論になってしまう。やがてバンド仲間とも喧嘩し、ジェスとも別れることに。その後、ジョンはジェスと再会を果たすが……。ミュージシャンの成功と挫折を描くドラマ。

1961年製作/103分/アメリカ
原題または英題:Too Late Blues

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0 男のプライド、女の愛

2025年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1961年。ジョン・カサヴェテス監督。売れないジャズバンドを率いる男は、自身の音楽に自信とプライドをもち、妥協せずに音楽活動を続けている。マネージャーともけんか腰に交渉しているが、ある日、マネージャーが連れていたシンガーの卵の女性に惚れてしまい、、、という話。
たしかに、現代的な価値基準で見ると、冒頭から男(たち)は音楽にも人間関係にも自信満々で、女は音楽にも人間関係にもおどおどしている、という前提の描き方には問題がある。男がプライドを守るために次々に犠牲者(主に女)をつくっていったり、女が守ってくれる男を求めて身体を提供したり結婚を求めたり、という展開も大いに議論になるだろう。しかし、音楽業界や人間関係に(つまり社会に)理想を求めてもがく(そして失敗する)男の姿は素直に胸を打つし、男にすがるしかない社会で感情を失ってしまう女の(無)表情も胸を打つ。映画は価値感で判断するものではなく、胸を打つその強度で判断するものだとすれば、とてもすばらしい映画だといえる。胸を打つその強度が悲しみ(ブルース)であるとすればなおさら。

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3.5 "名もなきブルース"

2023年9月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

ジャズ・ピアニストであるゴーストとバンドメンバーたちが養護施設から昼間の公園などで演奏するドサ回りの日々、メンバー同士が和気藹々と野球をする場面など楽しそうに過ごす中で爽やかな印象が、渋い不良の雰囲気を醸し出す黒人のジャズメンたちを想像すると拍子抜けしてしまう、カサヴェテスの常連俳優でもあるシーモア・カッセルはウッドベースを片手に様になってはいるが、主演のゴーストはカントリー歌手みたいな顔立ちで煮え切らない行動から最後まで腑に落ちない、何をしたいのか理解に困る!?

本作に於いてのファム・ファタール的存在に至らないような女性としての弱さが全開のジェスは惨めにも男たちからぞんざいに扱われてしまう、ラストは意味深でバッドエンドにもハッピーエンドではないにしろ??

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万年 東一

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