「時代と境遇を考えれば仕方ないのだろうがあまり共感できない」若者のすべて Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
時代と境遇を考えれば仕方ないのだろうがあまり共感できない
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総合:60点
ストーリー: 55
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 60
音楽: 65
田舎の貧乏で無教養な家族が都会を夢見て出てきて、現実に直面する話。ビスコンティの残した傑作ということらしいが、正直私はそれほどはまれませんでした。
自分の家族のことしか目に入らなくて、いきなり長男の婚約祝いすら平気でぶち壊すような視界の狭い母親。ちょっとした才能はあっても誘惑に簡単に負ける、ずるくて弱くて精神的に幼い破滅型の次男。ボクサーとして最も才能に恵まれたうえに善良だけど、しっかりした決断や判断が出来ないがゆえに結局さらに事態を悪くする三男。そんな家族に巻き込まれて犠牲になった若い女。彼らの境遇や時代を考えれば仕方ないんだろうけど、あまり共感できる登場人物が出てこない。
そんな彼らの物語も同様。どうにもうまくいかない都会の生活を嘆き田舎暮らしを懐かしんでも、結局自動車会社で働く四男のように真面目にやらなければどこに住もうと結果は似たり寄ったりだろう。自業自得とはいえ悪循環で事態は悪化するだけで空しさばかり残る後味の悪い話でした。 でもその意味ではビスコンティらしい物語ともいえるのかもしれない。
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