劇場公開日 2020年9月11日

レベッカ(1940)のレビュー・感想・評価

全30件中、1~20件目を表示

4.5ヒッチコックのアメリカ時代がここから始動

2020年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ヒッチコック監督のフィルモグラフィーの中で、本作ほど重要なターニングポイントとなった作品はない。というのも、これは彼がアメリカからの招聘を受けて初めて撮った記念すべき「アメリカ映画」だから。

序盤はコミカルなロマンス物を予感させ、身分の違う二人が惹かれあって開始30分で「結婚しよう!」と劇的展開を見せるさまに驚かされる。さらにそこから「ダウントン・アビー」ばりのお屋敷生活の中で用意周到に展開していくミステリーとサスペンスは、安心して身を委ねていられるほど重厚で高品質。なるほど、特定の人物に対し募っていく疑心暗鬼や(疑惑の影)、あるいは死んだ者の影響が身辺にずっとはびこってヒロインを得体の知れない運命へと導いていく(めまい)あたり、のちのヒッチコックの傑作に通じるエッセンスもひしひしと感じられる。ちなみに本作はこの年の作品賞オスカーを受賞。こうして彼のアメリカ時代は華々しく始まったのだ。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
牛津厚信

4.0非常によく練られた、心理ミステリーの一級品だ。

2024年10月8日
PCから投稿

主人公の「わたし」は、ヨットの事故で先妻レベッカを亡くしたマキシム・ド・ウィンターと結婚する。屋敷の家政婦ダンヴァース夫人は、レベッカへの忠誠心から、「わたし」を病的なまでに、精神的に追い詰める。

レベッカの遺体発見後の展開も秀逸で、レベッカの従兄弟と名乗る男の関わりや、驚くべき真相が判明した後の、救いようの無い結末まで、全く目が離せない。

ヒッチコックの他の作品に比べると、派手さに欠けてるとは思う。しかし、これは、静かに、かつ、激しい心の動揺をもたらす、心理ミステリーの一級品だ。

ホラーや怪奇映画、ゴシック作品が持つ、不穏でおどろおどろしい雰囲気が全編に渡っているが、そうした作品とは全く別物だ。ミステリアスな魅力とスリルに満ちていて、観る者の感情を揺さぶる、極めてドラマティックな傑作サスペンスだ。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
瀬戸口仁

4.5「見えない存在に怯える」その演出力は素晴らしい。

2024年4月2日
PCから投稿

大好きな監督のアメリカ第1作目

監督得意の怖がらせは最高潮には達していないが
手をつくし主演女優や観客の心理を揺さぶる。
当時のスタッフは、まだ彼の演出は理解不能で
撮影の方法について行けないスタッフも居たはず。

「恐怖とは何か、考えてごらん」
「隣に座る人が犯罪者だったら…」
「突然罪をなすりつけられたら…」

そこから始まる”怖がらせの流儀”
ラブロマンスものに慣れた製作陣には難しい。

前妻の名前の刺繍に恐怖を覚えさせるにはー
美しいはずのランプの光も恐怖に変わるー
声のトーンもまた恐ろしい世界へ誘うこともある。

恋愛…、新婚…、お金持ち…、幸せ…のはずが、
小さな疑惑、大きな疑惑、実態のない闇が襲う。
ところどころアメリカ的だけど
それでも「ヒッチコックの映画」
と、言い切りたい。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
星組

4.0佳作ですがヒッチらしさは希薄

2024年2月17日
PCから投稿

脚本、ストーリー優先です。換言すれば他の監督が撮ってもそれなりに面白く仕上がります。格調は高くオリビエ先輩の演技も申し分はないですが、前半から中盤にかけてはゆったりした調子で唯一女中さんの曲者ぶりだけが際立っています。
終盤は何とかスリラーを感じますが、ヒッチらしい畳みかけるようなサスペンスは希薄です。ヒッチ自身もプロデューサーが大物過ぎて現場で意見が通らず不満の残る撮影だったようです。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
越後屋

4.5イギリスは六月までは寒い♥

2023年11月19日
スマートフォンから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
マサシ

4.0古いモノクロ画面は辛いが、どんどん引きつけられる

2023年11月10日
PCから投稿

まずはレベッカとはこういう映画だったのかと大いに感嘆。
これぞ正統派ミステリーという醍醐味を存分に味わうことができた。

正直言えば中盤までは画像の悪さも相俟って散漫という印象だったのが、レベッカという謎の女の核心部へ導く手法にまんまとしてやられ後半は目を離せなくなる。

ヒロインの「うぶな新妻から真の妻」への変化も目を瞠らされる要因であり、いずれにしろヒッチコックの論理構築性と映像・演出による感情操作の妙に見事にはめられたということだね。

ただ一点、前妻レベッカには忠実で新しい妻には冷淡意地悪だった女召使頭がなぜあれほどまでのことをしたのかという部分に関しては納得できていないので、そこは調べてみたい。

130分という長丁場だが映画レガシーの一つとして見た甲斐大ありでした。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
resuwisshu311

3.5エドガー・アラン・ポーの世界を彷彿とさせる世界観に取り込まれる。

2023年2月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

知的

フラグが一杯。
 目くらましのフラグ。
 一転目の事柄につながるフラグ。
 ラストにつながるフラグ。
 そのフラグも、結末を知らないで鑑賞するときと、知ってから鑑賞するときの意味付けが変わる。
 「ほう、職人技だのぉ」と唸りたくなる。

最初はロマンスから始まる。
 上流階級が集うゴージャスな世界。そこに紛れ込んだ庶民。
 ゴージャスな世界への憧れと皮肉。庶民がいることで共感しやすくなる。
 あれよあれよという間の、おとぎ話、ハーレクインロマンスの成就。

そして、重厚かつオドロオドロシイお屋敷。
 女フランケンシュタインが牛耳る世界。
 めでたしめでたしで終わったおとぎ話の続きが幕を開ける。
 眼前に立ちはだかる前妻レベッカ。庶民のコンプレックスを煽り、追いつめられるヒロイン。
 昼メロちっくな展開。

 前妻VS新妻の構造は決して絵空事ではない。ステップファミリーでは必ず起こること。
 ダンヴァース夫人を前妻の子や、姑等に置き換えれば、今全世界でも起こっていること。
 だから、痛々しくて見るのが辛かった。

そんな日常的な関係性を、監督はひたすらゴシックモードを始め、あたかも怪奇もののように装飾する。
 展開の早すぎるプロポーズ。しかも、ヒロインに身寄りがいないことを確かめた上で。
 名家という話なのに、披露宴もせずに一枚の紙で済まそうとする結婚証明。
 味方なのかそうでないのか判然としない使用人たちのふるまい、佇まい。
何か罠があるのではないかと勘繰りたくなる。
 青髭、美女と野獣…幾多のおとぎ話が頭をかすめ・・・。
 ダンヴァース夫人の狂気が際立ち始め・・・。

第3の幕が上がる。
 夫の秘密を共有した新妻。
 今にもボロを出しそうな夫。
 好きだったあどけなさの消えた妻と夫の関係性。
 味方になるのか、敵になるのかわからない人々。
 ハラハラドキドキ。
そしてふたたびどんでん返し。うやむやにされるもう一つの事実。
そのどんでん返しが引き起こす悲劇で幕を閉じる。

一転、二転、三転…。フラグに振り回される。
よく練られた構成・脚本にも見えるが、振り回され感があまりよくないのでつい評価が下がってしまう。
シーンシーンも切貼のようにも見え、つい評価が下がってしまう。

それでも、レベッカの部屋の調度類等、そこにいないレベッカを、でもあたかもまだ存在する人のように印象付ける圧倒的な映像。
これから始まる物語へ導く冒頭(『市民ケーン』とよく似ている)。
 映画から目が離せなくなる。

カタルシスはないのに、記憶に残る映画。

★ ★ ★
ローレンス・オリヴィエ氏が、坂上二郎氏に見えてしまってしょうがなかった。って私だけ?

ジョーン・フォンテインさんも、日本の若手女優でよく似た人いるなあ。特にしなの作り方と思うのだけれど、名前が思い出せない。若いころの沢口靖子さん?

コメントする (0件)
共感した! 3件)
とみいじょん

3.5すぐキレる夫が一番怖いかも

2022年1月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
tatechan

4.0美しい映画

2021年12月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

80年も前にこんなクオリティの映画を作っていたとは恐るべしヒッチコック。
どんでん返しで見応えのある美しい映画でした。

コメントする 3件)
共感した! 5件)
光陽

4.5レベッカ!!

2021年12月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

幸せ

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 8件)
るー

4.5レベッカ・ド・ウィンターの呪縛

2021年12月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 9件)
共感した! 8件)
こころ

4.0ヒッチコック作品の中でも一二を争う名作!

2021年10月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

幸せ

半ば強引なラブロマンスから一転寒気のするようなサスペンス。しかし狂気のサイコスリラーではなく、あくまでも悲しき人間ドラマとして二転三転の展開があったので、最後までめちゃくちゃ面白かった。ローレンス・オリヴィエ、やはり味わい深い。ジョーン・フォンテインも名ヒロイン!

コメントする (0件)
共感した! 2件)
みな

4.0色褪せないサスペンス

2021年9月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

80年も前の映画とは思えないほど、内容にのめり込めます。原作本も素晴らしのでしょう。最後まで、怖い!

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ケイト

4.0ヒッチコック作品は美人が多い

2021年7月15日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 10件)
ジョニーデブ

4.0多くに影響を与えたお屋敷サスペンスとサイコに繋がる狂気

2021年4月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 11件)
Kazu Ann

3.5見応えはあったが、後半に重要部分が何度もひっくり返り、少しガッカリ

2021年4月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
KEO

4.0良い映画ですねー。

2021年3月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

あの時代の雰囲気に酔っていました。

素敵。

八十年前!

コメントする (0件)
共感した! 2件)
昔から映画好き

4.0富豪に見染められ結婚することとなった絶世の美女。しかし富豪の邸宅に...

2021年1月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

富豪に見染められ結婚することとなった絶世の美女。しかし富豪の邸宅には、あちこちに散りばめられた前妻の残影が…。
この美女より美しいという前妻レベッカに俄然興味が湧く。果たして彼女の死の真相は?
さすがはヒッチコック、ラストまで全く飽きさせません。
序盤の嫌味なホッパー夫人、前妻に心酔するダンバース夫人の怪演、2人のおばさんにも注目(笑)

コメントする (0件)
共感した! 3件)
はむひろみ

4.5前妻の影におびえる新妻

2021年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ローレンスオリヴィエ扮する英国紳士マキシムドウィンターは、モンテカルロでジョーンフォンティン扮するマリアンと出会い朝食を一緒にと誘った。マキシムは妻レベッカを水死で亡くしていた。マキシムは、過去を忘れさせてくれるマリアンをドライブやダンスに誘ったりした。マリアンは、急に街を出立する事になったが、マキシムに別れを告げに部屋へ行ったところ、マキシムから求婚されマリアンは受け入れた。ふたりは直ちに結婚しマリアンは幸せだった。ふたりが住む誰もが憧れるマンダレーに着いてマリアンはその大きさにびっくりした。ジュディスアンダーソン扮する前夫人と共にやって来たダンバース夫人が家事を取り仕切っていた。マリアンは広い家を見て歩いた。マキシムの姉からは、ダンバース夫人はレベッカを崇拝していたからマリアンには辛くあたるのではないかと言った。散歩していると海辺に古びた小屋があってレベッカの物がありマリアンが入るとマキシムは怒りだしたりした。マリアンは、使用人にもレベッカと比べられると感じていて不安になっていた。マキシムも独りよがりだったかなと言い始めた。レベッカのいとこが出入りしたりして、果たしてふたりの結婚生活はうまくいくのだろうか? 前妻の影におびえる新妻。格が違いを見せつけられる結婚はやっぱり幸せとは言えないね。仮装舞踏会を開いて健気に頑張るマリアンだが、さすがヒッチコック。背筋がゾッとする様な展開に恐れ入ったね。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
重

3.5ハリウッド進出作品にして、至高の一作

2020年5月12日
PCから投稿

なんだこれは、
原作がすごいのか?

ありとあらゆる方向から、観客を渦に巻く

まず、使用人が怖い
そして姿もわからないレベッカの存在が怖い
(レベッカというタイトルも秀逸)
過去を隠す夫が怖い
じわじわと迫りくる、いとこの存在が怖い

そして、最後、
ふたりの未来が怖い。

夫の性格からして、
再び同じことが起こってしまうのではないだろうか、
火事で全てが消されるわけではない余韻がこわい。

コメントする 2件)
共感した! 4件)
JYARI