Love Letterのレビュー・感想・評価
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お元気ですか?~あなたへ届けるラストレター
『ラストレター』鑑賞前に、併せて再見。
岩井俊二監督の長編デビュー作であり、代表作の一本。邦画ラブストーリーとしても珠玉の一本。
見るのは本当に久し振り。
昔見た時いい作品だった!…という好印象と何となく話は覚えていたつもりだったが、
改めて見ると結構細かい点は忘れていて…。でも、見ていく内に徐々に思い出してきた。
神戸に住む博子は婚約者の樹を2年前に雪山遭難で亡くし、その三回忌、彼の実家で卒業アルバムを見せて貰い、彼が中学生時代住んでいた小樽の住所に、ふと手紙を出す。
すると何と、樹から返信が…!
手紙が時空を超えて…?
…ではない。
返信相手は、樹の中学生時代の同級生で、全くの同姓同名、女性の樹。
その日から、博子と樹の不思議な縁の文通が始まり…。
改めて見ると、昔初めて見た時もそうだが、最初は設定を把握するのにちとこんがらがる。
あの人とあの人はこういう繋がりあって、さらにあの人とあの人は同姓同名で…。
ちとこんがらがるのは最初だけで、後はスッと作品世界に引き込まれる。
客観的に見れば、ツッコミ所と言うかあり得ねー奇跡の設定。
死んだ恋人の中学時代の同級生に同姓同名者が。さらにその人物と文通が始まる。
この数奇な巡り合わせには、『君の名は。』も真っ青!
今回久々に見て感じたが、新海誠監督の作品は岩井俊二監督の作品から多大な影響を受けているのが分かる。
繊細な描写、
甘酸っぱく、ほろ苦く、切ない作風、
それらを彩る雪の小樽の美しい映像と音楽…。
25年前なので、文通というやり取りがノスタルジーを醸し出す。
出来過ぎて美しく語られ過ぎていても、岩井監督の感性や手腕に今また改めて魅了された。
キャストがこれまた魅力!
何と言っても、中山美穂!
博子と樹の一人二役。内気な博子とナチュラルな樹。
見事に演じ分け、本作で多くの賞を受賞し女優としてステップアップした演技もさることながら、今も充分魅力的ではあるが、やはりその可愛らしさに悩殺!
樹(♂️)の友人で博子に想いを寄せる秋葉役の豊川悦司も好助演。作品にユーモアをもたらす。
そして、中学時代の樹(♀️)と樹(♂)の酒井美紀と柏原崇。
いつぞやのともさかりえ同様、酒井美紀も同世代で、憧れのアイドル…いや、ドストレートの清純派の存在であった。
これは昔見た時から気になっていたのだが、大人の樹と中学時代の樹、少々性格が変わったような…? 大人の樹は自然体、中学時代の樹はどちらかと言うと大人しい。大人になるにつれ、何があった…??
他キャストでは懐かしの鈴木蘭々が怪演でインパクト残し、樹(♀️)のおじいちゃんが好キャラ。少々惚けた頑固なじいさんながら、高熱を出し倒れた樹を「命に代えてもおぶって病院に送り届ける!」と吹雪の中を走るシーンは、孫思いで感動させられる。
亡き樹(♂)を今も想い続ける博子。
秋葉の気持ちを知りつつ、優しさや気遣いに甘えてしまいつつ、樹(♂)の事が忘れられず、新たな恋にも人生にも一歩踏み出せない。
そんな時不思議な縁で交流が始まった樹(♀️)。
彼女から自分の知らない亡き恋人の話や姿を聞く。
それを聞いて、博子は何を思ったかーーー。
話を聞くにつれ、おそらく女性なら、樹(♂)と樹(♀️)の関係が気になるだろう。
お互い、同姓同名故、ウンザリする相手。
でも、同姓同名の異性故、全く気にならないと言ったら嘘になる。
実際、クラスの策略(?)で押し付けられた二人での図書係。
窓際で本を読む樹(♂)をチラッと見つめる樹(♀️)の眼差し。
図書カードの裏に樹(♂)が悪戯描きした画は…。
時を経て届いたラブレター。
しかし、そんな二人の密かな想いを知って、博子に微塵の嫉妬や焼きもちを感じなかった。寧ろ、
拝啓樹(♀️)様、樹(♂)の事を色々教えてくれてありがとう。樹(♂)を実は好きでいてくれて、ありがとう。
そしてそんな私(博子)も、二人と出会えて、樹(♂)の事がますます好きに。
だからこそ、心の中に秘めつつ、もう思い残す事は無い。
お元気ですか?
愛する人へ、さよならと、新たな出発をーーー。
英語の答案用紙の裏に書いた宮崎美子のCMシーンの落書きが印象的だった。これがラストへの伏線となるなんて・・・さすが。
豊川の口ずさむ「青い珊瑚礁」もいい。好きなシーンは浜中先生の記憶力!生徒の名前を全部覚えてるなんてすごいですよね。こんな先生なら生徒も幸せだ。それが図書係の少女たちに現れてるような気もする。「藤井樹カードゲーム」は面白すぎだ。
クレジットが全部英語表記だったり、途中流れていた曲もはっきりしないのが難点といえば難点。で、藤井(柏原崇)の英語の点数は27点・・・breakの過去形くらい覚えなさい!失恋には重要な単語なんだから・・・
もっと言いたかったことは「風邪は早く治しなさい!」ということ。中山美穂の二役演技をわかりやすく差別化するためだったのか、小樽での藤井樹はずっと風邪をひいていたし、終盤にはそれが元で肺炎に・・・と、ここまで激しい展開にするのか?とも疑問に思いつつ、最も描きたかったのが、藤井君の初恋の方だった。考えてみれば、偶然同姓同名の子に送った手紙から神戸の中山美穂の物語だとばかり感じさせておいて、実は小樽の中山美穂の初恋をノスタルジックに描いた物語だったというギミックがあったわけです。それがためにクマさんを殺してもいいのか?などと、心配もしたけど、クマさんもみぽりんも大丈夫だったみたいです。
地上波で放映されたのを見たのが最初だったけど、あらためて見直すと色んな想いが散りばめられていた。風邪についての感情が高まる中、BGMに“風”の曲が使われていたような気もしたのですが、使用曲のクレジットには何もなかった。岩井俊二ならどこかにジョークみたいな部分があってもおかしくないのになぁ・・・笑えるところは鈴木蘭々の超ロングスカートくらいだろうか。
藤井樹
藤井樹(男性)の中学時代のやや無愛想な印象もあるエピソードは映像で沢山出てくる一方で、主人公に愛され、沢山の仲間に囲まれて魅力ある男性に成長したと思われる大人になってからのエピソードは関係者の口から僅かに語られる程度。
おそらくは、山に向かい元気ですか?と聞くシーンは、トヨエツが言うように一番の盛り上がりのシーン。
しかし、視聴者は、先に書いたように大人になってからの藤井氏を殆ど知らない状態なので、亡くなった後も藤井氏に心を寄せる主人公と気持ちが同期できず、短調な印象の映画と感じた。
申し訳ない…
同僚に絶対キュンキュン(特に中学パート)するからと勧められて、満を持して(ハードル上げすぎて)鑑賞。
誰得なの?
博子の事はやっぱり女の樹に似てたから好きになったって印象。
博子は秋葉に好かれるけど男の樹が忘れられない。
女の樹は手紙で説明されるまで、同姓同名のクラスメイトと間違えられてるかもって思いもしないくらい男の樹の印象無し。
最後の図書カードで、実は男の樹は女の樹が好きだったのかもってオチでしたが、その感想が照れくさいって…。
恐らく感動シーンの博子の「お元気ですかー!」の連呼は笑ってしまった。
思った事は秋葉イイ奴だな、「幸せにして下さい」と劇中ガラス工房の生徒と同じ気持ちでした。
でも、セットは狙い過ぎでしたけど映像は綺麗でした。
って事で勧めてくれた同僚には感想言えないです、申し訳ない。
救われないのが悲しい
どこかに転がってるようでない、不思議で素敵なストーリーでした。
私なら脚本を過去を引きずってる女性藤井目線にします。
事実が明らかになったところで、婚約者の立場としては複雑ですし、女性の藤井は学生時代を引きずっていたわけでもないので、すっきりしませんでした。
成人男性の藤井が出なかったことが、驚きました。
周囲が語る話で想像するしかなくて、どれくらい博子のことを思っていたのかはっきりせず、鑑賞する側として中途半端な気持ちになってしまったのだと思います。
はっきりと博子のことを思ってるのが分かれば、中学時代の思い出として微笑ましく、この映画を鑑賞出来たのにな、と思いました。
博子のことを藤井に似てたから好きになったのか、博子が手紙をやりとりして変れたのかなど、分からないことがたくさんで、ずっと頭から離れませんでした。
博子の方に感情移入したので、婚約者が亡くなったことや手紙を出しても博子が救われる事実が出なかったことが、もやもやしました。
あと、豊川悦司の役と演技はどうしても好きになれなかったです。
藤井が好きだった人が秋葉を好きになるんだな。なんで?と思います。
樹が倒れて病院に運ぶシーンも不要だと思いました。
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