Love Letterのレビュー・感想・評価
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岩井俊二監督の才能を強く感じます 21世紀の市川崑というべき才能です
死別した恋人
忘れられない恋
同性同名の男女
瓜二つの二人の女性
博子の恋は朝日の中で成仏しました
その恋人が本当に愛していた女性
彼女には伝えることができずにいた想い
後悔し続けていた彼の想いが伝わったのはなぜ?
それは博子の彼への深い愛が合ったからこそです
彼が博子を愛したのは彼女と瓜二つだったからで、彼が本当に愛していたのは、似ていた女性の樹の方だったのでしょうか?
可哀想な博子
樹の代用に過ぎなかった?
彼が死後に本当に愛した女性へのラブレターを届けるきっかけ作りに、結局のところ利用された形になってしまっただけ?
そうではないと思います
確かに彼が博子を愛したきっかけは、樹に似ていたからかも知れません
ですが、その時目の前にいる博子自身を真剣に愛していたのかも知れないのです
そうだったからこそ、本当に自分を見つめて愛されたと感じられたからこそ、博子も彼を忘れられ無いほどに愛したのです
そのことをお山に昇る美しい朝日を浴びて博子は実感したのだと思います
あの温かい眩しい朝日は、博子への彼の眼差しだったのです
お元気ですか?私は元気です!
大声で伝えるラブレター
手紙で送ったラブレターと同じ文言です
ですが伝えたいメッセージの力点は違うのです
声は元気を、手紙はお元気ですか?なのです
本当に元気になったことを大きな声で伝えたのです
図書カードの裏のスケッチ
誰にでもある青春の一ページ
本の題名は失われた時を求めて
父を肺炎でなくした樹
自分もまた風邪をこじらせてしまいます
父との死別は彼との別れと結びついた記憶です
気丈に振る舞って笑顔を見せていても父と彼の両方を失った心の衝撃は強かったのです
それが心の傷になっていたことを、彼女はその図書カードで知ります
その彼女の心の傷がみるみるうちに癒えていくのを彼女は感じるのです
心の片隅にあった肺炎の影のような傷は、その青春の一ページであったのです
失われた時を求めて
青春の一ページだよ
いい思い出だよ
彼からの数年越しのメッセージです
博子と樹、二人の心の影は晴れ渡ったのです
新しい恋も始まるでしょう
博子だけでなく、樹もまた新しい恋に向けて歩み始めていくでしょう
春はもう目前です
名作です
タイトルバックのごく小さな英語表記も新しい映像感覚で素晴らしいです
雪の神戸、冬の小樽の寒むげなシーンが二人の主人公の心象風景を的確に表現しています
どこか日本離れした二つの港町の高台の光景
篠田昇の美しいカメラは光線と空気まで捉えています
岩井俊二監督の才能を強く感じます
21世紀の市川崑というべき才能です
美しい映像とストーリー
25年の時間差を感じたり感じなかったり…主人公の中学時代にさかのぼれば35年以上かな?!ワープロ、昔使ってたなぁ。どこやったっけ?不燃ゴミで出しちゃったかな。
答案用紙裏の♬今の君は~ピカピカに光って~♬の宮崎美子さんイラスト、懐かしすぎですね!GOROの別冊『激写』(篠山紀信全撮影)の本誌内のアイドル達よりまだ無名のデビュー作(?)で裏表紙を飾った宮崎さんに目が釘付けになった青春時代もまるで昨日のように…最後の図書カード裏のイラストにつながり重要な役どころですよね?
豊川悦司さんとタメの自分、ミポリンと同世代の妻、懐かし話は尽きません。
常連 名コメンテーターの皆さん、ラストレター鑑賞後のLove Letter観直し率高いですね~
実は私は初Love Letterでしたが『ノスタルジック』がキーワードとなる岩井俊二監督の作品、やっぱりいいですね。それにしても中山美穂さん、豊川悦司さん岩井作品には欠かせないですし本当にいい役者さんたちです。
若くしてお亡くなりになった范 文雀さんも久しぶりに拝見しましたがよかったですね。
『サインはV』で岡田可愛さんとX攻撃やってたジュン・サンダース時代を思い出します。監督の中山仁さんも昨年お亡くなりになりましたよね。(謹んでご冥福をお祈りいたします)
中学時代の柏原崇さん、酒井美紀さんはもとより、図書委員ネタ(藤井樹の4カードやそのカード探しの星取表には笑いました。)や先生の記憶力、鈴木蘭々さんの怪演もいいですね。
昔話ばかりで本編内容にあまりコメントしていないようで恐縮ですがいい映画でした!
お元気ですか?~あなたへ届けるラストレター
『ラストレター』鑑賞前に、併せて再見。
岩井俊二監督の長編デビュー作であり、代表作の一本。邦画ラブストーリーとしても珠玉の一本。
見るのは本当に久し振り。
昔見た時いい作品だった!…という好印象と何となく話は覚えていたつもりだったが、
改めて見ると結構細かい点は忘れていて…。でも、見ていく内に徐々に思い出してきた。
神戸に住む博子は婚約者の樹を2年前に雪山遭難で亡くし、その三回忌、彼の実家で卒業アルバムを見せて貰い、彼が中学生時代住んでいた小樽の住所に、ふと手紙を出す。
すると何と、樹から返信が…!
手紙が時空を超えて…?
…ではない。
返信相手は、樹の中学生時代の同級生で、全くの同姓同名、女性の樹。
その日から、博子と樹の不思議な縁の文通が始まり…。
改めて見ると、昔初めて見た時もそうだが、最初は設定を把握するのにちとこんがらがる。
あの人とあの人はこういう繋がりあって、さらにあの人とあの人は同姓同名で…。
ちとこんがらがるのは最初だけで、後はスッと作品世界に引き込まれる。
客観的に見れば、ツッコミ所と言うかあり得ねー奇跡の設定。
死んだ恋人の中学時代の同級生に同姓同名者が。さらにその人物と文通が始まる。
この数奇な巡り合わせには、『君の名は。』も真っ青!
今回久々に見て感じたが、新海誠監督の作品は岩井俊二監督の作品から多大な影響を受けているのが分かる。
繊細な描写、
甘酸っぱく、ほろ苦く、切ない作風、
それらを彩る雪の小樽の美しい映像と音楽…。
25年前なので、文通というやり取りがノスタルジーを醸し出す。
出来過ぎて美しく語られ過ぎていても、岩井監督の感性や手腕に今また改めて魅了された。
キャストがこれまた魅力!
何と言っても、中山美穂!
博子と樹の一人二役。内気な博子とナチュラルな樹。
見事に演じ分け、本作で多くの賞を受賞し女優としてステップアップした演技もさることながら、今も充分魅力的ではあるが、やはりその可愛らしさに悩殺!
樹(♂️)の友人で博子に想いを寄せる秋葉役の豊川悦司も好助演。作品にユーモアをもたらす。
そして、中学時代の樹(♀️)と樹(♂)の酒井美紀と柏原崇。
いつぞやのともさかりえ同様、酒井美紀も同世代で、憧れのアイドル…いや、ドストレートの清純派の存在であった。
これは昔見た時から気になっていたのだが、大人の樹と中学時代の樹、少々性格が変わったような…? 大人の樹は自然体、中学時代の樹はどちらかと言うと大人しい。大人になるにつれ、何があった…??
他キャストでは懐かしの鈴木蘭々が怪演でインパクト残し、樹(♀️)のおじいちゃんが好キャラ。少々惚けた頑固なじいさんながら、高熱を出し倒れた樹を「命に代えてもおぶって病院に送り届ける!」と吹雪の中を走るシーンは、孫思いで感動させられる。
亡き樹(♂)を今も想い続ける博子。
秋葉の気持ちを知りつつ、優しさや気遣いに甘えてしまいつつ、樹(♂)の事が忘れられず、新たな恋にも人生にも一歩踏み出せない。
そんな時不思議な縁で交流が始まった樹(♀️)。
彼女から自分の知らない亡き恋人の話や姿を聞く。
それを聞いて、博子は何を思ったかーーー。
話を聞くにつれ、おそらく女性なら、樹(♂)と樹(♀️)の関係が気になるだろう。
お互い、同姓同名故、ウンザリする相手。
でも、同姓同名の異性故、全く気にならないと言ったら嘘になる。
実際、クラスの策略(?)で押し付けられた二人での図書係。
窓際で本を読む樹(♂)をチラッと見つめる樹(♀️)の眼差し。
図書カードの裏に樹(♂)が悪戯描きした画は…。
時を経て届いたラブレター。
しかし、そんな二人の密かな想いを知って、博子に微塵の嫉妬や焼きもちを感じなかった。寧ろ、
拝啓樹(♀️)様、樹(♂)の事を色々教えてくれてありがとう。樹(♂)を実は好きでいてくれて、ありがとう。
そしてそんな私(博子)も、二人と出会えて、樹(♂)の事がますます好きに。
だからこそ、心の中に秘めつつ、もう思い残す事は無い。
お元気ですか?
愛する人へ、さよならと、新たな出発をーーー。
英語の答案用紙の裏に書いた宮崎美子のCMシーンの落書きが印象的だった。これがラストへの伏線となるなんて・・・さすが。
豊川の口ずさむ「青い珊瑚礁」もいい。好きなシーンは浜中先生の記憶力!生徒の名前を全部覚えてるなんてすごいですよね。こんな先生なら生徒も幸せだ。それが図書係の少女たちに現れてるような気もする。「藤井樹カードゲーム」は面白すぎだ。
クレジットが全部英語表記だったり、途中流れていた曲もはっきりしないのが難点といえば難点。で、藤井(柏原崇)の英語の点数は27点・・・breakの過去形くらい覚えなさい!失恋には重要な単語なんだから・・・
もっと言いたかったことは「風邪は早く治しなさい!」ということ。中山美穂の二役演技をわかりやすく差別化するためだったのか、小樽での藤井樹はずっと風邪をひいていたし、終盤にはそれが元で肺炎に・・・と、ここまで激しい展開にするのか?とも疑問に思いつつ、最も描きたかったのが、藤井君の初恋の方だった。考えてみれば、偶然同姓同名の子に送った手紙から神戸の中山美穂の物語だとばかり感じさせておいて、実は小樽の中山美穂の初恋をノスタルジックに描いた物語だったというギミックがあったわけです。それがためにクマさんを殺してもいいのか?などと、心配もしたけど、クマさんもみぽりんも大丈夫だったみたいです。
地上波で放映されたのを見たのが最初だったけど、あらためて見直すと色んな想いが散りばめられていた。風邪についての感情が高まる中、BGMに“風”の曲が使われていたような気もしたのですが、使用曲のクレジットには何もなかった。岩井俊二ならどこかにジョークみたいな部分があってもおかしくないのになぁ・・・笑えるところは鈴木蘭々の超ロングスカートくらいだろうか。
岩井俊二監督デビュー作
藤井樹
藤井樹(男性)の中学時代のやや無愛想な印象もあるエピソードは映像で沢山出てくる一方で、主人公に愛され、沢山の仲間に囲まれて魅力ある男性に成長したと思われる大人になってからのエピソードは関係者の口から僅かに語られる程度。
おそらくは、山に向かい元気ですか?と聞くシーンは、トヨエツが言うように一番の盛り上がりのシーン。
しかし、視聴者は、先に書いたように大人になってからの藤井氏を殆ど知らない状態なので、亡くなった後も藤井氏に心を寄せる主人公と気持ちが同期できず、短調な印象の映画と感じた。
ヒロインの溢れる感情に、心が満たされる佳作
今更ながら「ラストレター」の予習のために、Gyaoで鑑賞。
博子の切なさと、樹の甘酸っぱい思い出が交錯する、愛らしい映画。
岩井俊二の劇場用長編映画監督第1作であり、比較的初期の作品なだけあって、初々しさで満ちてました。
中山美穂や酒井美紀を、美しく捉える手腕は流石。
博子が山に向かって叫ぶシーンも、樹が相手の想いに気づくシーンも、スクリーンから溢れる切なさや気恥ずかしさに、心が満たされました。
ただ、ストーリーの起伏の少なさと、博子だか樹だか時折わからなくなる感じに、若干モヤりました。
ヒロインと同世代で観ていれば、もっと感銘したかもしません。
おっさんになるまで、観そびれてすいません。
いつか雪山とあの本に挑戦を
申し訳ない…
同僚に絶対キュンキュン(特に中学パート)するからと勧められて、満を持して(ハードル上げすぎて)鑑賞。
誰得なの?
博子の事はやっぱり女の樹に似てたから好きになったって印象。
博子は秋葉に好かれるけど男の樹が忘れられない。
女の樹は手紙で説明されるまで、同姓同名のクラスメイトと間違えられてるかもって思いもしないくらい男の樹の印象無し。
最後の図書カードで、実は男の樹は女の樹が好きだったのかもってオチでしたが、その感想が照れくさいって…。
恐らく感動シーンの博子の「お元気ですかー!」の連呼は笑ってしまった。
思った事は秋葉イイ奴だな、「幸せにして下さい」と劇中ガラス工房の生徒と同じ気持ちでした。
でも、セットは狙い過ぎでしたけど映像は綺麗でした。
って事で勧めてくれた同僚には感想言えないです、申し訳ない。
きれい。
「お元気ですかー、あたしは元気でーす」
・事故で婚約者の藤井樹を亡くした渡辺博子(中山美穂)は、今はない樹の住所に手紙を書いたら同姓同名の中学の同級生藤井樹(中山美穂)に届いた縁で文通が始まる
・少女漫画のように風に揺れるカーテン越しの藤井樹(柏原収二)
・同姓同名ゆえ何かとからかわれるふたり
・というかテストの答案を間違えて受けとったり、図書カードに似顔絵かいたり、下校中に紙袋被せるイタズラしたりと見れば見るほど藤井くんは藤井さん(酒井美紀)のこと好きじゃ~ん
・自転車置き場で幽霊のように佇む鈴木蘭々
・ブルマやペンフレンドという文化の懐かしさ
・中学の時好きだった子に似てたから博子を好きになったと知った博子の心情は複雑であろう
・淡い青春ではあるけど別に純愛ではないでしょ
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