桃太郎 海の神兵
劇場公開日 2016年7月23日
解説
1945年、第2次世界大戦末期に海軍省の依頼で製作された日本初の長編アニメーション。桃太郎を筆頭にサル、イヌ、キジ、クマらで構成された落下傘部隊が、南方の鬼ヶ島へ向かうといった内容で、国策映画として製作されたが、5万枚のセル画を使用したというキャラクターの動き、ミュージカルアニメさながらの音楽効果などのクオリティの高さで、日本アニメーションの原点とも評価されている。脚本・演出を担当した瀬尾光世監督は「くもとちゅうりっぷ」を手がけ、「日本アニメーションの父」といわれた政岡憲三に師事し、政岡は本作で影絵のパートで参加。35ミリのマスターポジとインターネガを4Kでスキャンし、2Kで修復作業をおこなったデジタル修復版が2016年の第69回カンヌ国際映画祭クラシック部門で初上映され、日本でも劇場公開される。
1945年製作/74分/日本
配給:松竹
日本初公開:1945年4月
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なめらかで表情ゆたかヌルヌル動くめちゃくちゃ動く。レトロな動物たちの可愛らしさといったら!戦意高揚はどうなんだってのはおいといて、変に間延びするシーンもなくて飽きる事なく見ていられる。
ディズニーのファンタジアに影響受けているとwikiにありました。表現はファンシーですが当時の兵隊の日常生活や基地のイメージなんかも汲み取れてそれも面白かった。同時代の作品だからこその空気感やリアルがあるというか…下手な夏の戦争ドラマより戦時中を感じる。見てるこっちは太平洋戦争の結果を知ってるだけに中々胸がザワつきます。
手塚治虫が影響を受けているっていうのを序盤の基地設営シーンで感じました、ジャングル大帝の動物達のミュージカルシーンは多分ここからきてる。これは見たらやりたくならない訳ないなとつい思ってしまいました。その後ライオンキングに繋がってると思うとそれもまた感慨深い。
落下傘部隊のシーンの美しさは必見。
綺麗だけどその後の着陸先が実際は死地だったと思うと何とも悲しくなるし、ここだけ一瞬キャットシットワン入ります。あと相手の鬼が普通に欧米感あふれててヤベェな。
本作が製作された背景を見れば、日本が歩んだ歴史そのものが見えてくる。
映画ののどかな風景とは違い、現実として本土の平和が失われてしまったことが何とも悲しい。
戦意高揚映画でありながら、ディズニーへの深い愛敬が込められていた。
手塚治虫も落涙したという本作。
この機会にぜひ劇場に足を運んでみては如何だろうか。
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