劇場公開日 1997年7月12日

「好きすぎて観れなかった映画をとうとう観てしまいました」もののけ姫 fuhgetsuさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0好きすぎて観れなかった映画をとうとう観てしまいました

2020年7月1日
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鑑賞方法:映画館

ジブリ第三夜。
念願のもののけ姫をスクリーンにて。
この世界観こそ、魂に染み入る奥深い物語。
だからこそ、実は今までしっかりと最後まで直視出来ないで居たのです。
封切り当時は、結婚出産子育てと自分自身の生活から世界観がめまぐるしく変わった年だったため、後にDVDレンタルで話題となってから知ることになる。
テレビ画面でちょっと見ただけでも鳥肌ものなので、子供たちは平気で最後まで観てたのに実はついて行けず、一緒見た振りをしながら、毎回途切れ途切れで感動して、いつかきちんと観たいという想いが、かえってあまり観たくない映画となってしまっていた。
だからこそ、今回、初めて銀幕で、一観客として、最初から最後まで、全身全霊で観ることが出来ました。
ナウシカと千と千尋の神隠しときて、この順番でよかった。
とりあえず、わたしの中で宮崎駿が完結。
当時しっかり観たとて、とうてい及ばない知識が多少なりとも追いついての鑑賞でしたが、観応えじゅうぶんどころか、時代考察、歴史考察、自然科学の繊細な表現に対し微塵の妥協もなく、わたしの直感で確信している部分と響命し、震え、涙が出そうになる。
この映画をどう解釈しようと、どこにも正解などなく、みる年齢により受け取り方が違ってよく、子供たちも好きだし、わたしもカミさんも大好きなんだけど、まだこの先の人生で、何度も巡り会う気がする。
この時代に自分もいたのがわかるから。
サンがアシタカを助けて寝ていたのも、山中にある巨石群の洞窟だった。
まだ植林されてない自然林の苔生した湿原や、尾根の岩場。
タタラにデータラボッチにコダマ、シシ神、山の神、山犬、猪、アカシシ、乙事主。
そこに古代の縄文と弥生の壮絶すぎる人間ドラマ。
それがまだ、現代もつづいてる。
そんな、シシ神の居なくなった山に、今わたしは入っていって、その昔の面影をわけもわからずうろうろ彷徨ってる。
シシ神を感じたり、データラボッチやコダマを感じながら。
やっぱり、死んでないんだね、まだ。
生と死を司るシシ神だもの。
よみがえらせるのは、滅ぼした人間がやらなきゃならないんだ。
あの時代に生きてた感覚は、本当は未来なんだ、きっと。

※以下、評価5にした映画史上最高傑作10選+αの発表です

2001年宇宙の旅
惑星ソラリス
ブレードランナー
未来世紀ブラジル
ミツバチのささやき
ブリキの太鼓
時計じかけのオレンジ
裸のランチ
ウンタマギルー
ナウシカ
もののけ姫
ストレンジャー・ザン・パラダイス
バグダッド・カフェ
ドゥ・ザ・ライト・シング

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