■アメリカと中東諸国との関係が緊張状態にあった1970年代。
アメリカ人旅行者ビリーはガールフレンド、スーザンとトルコを出国しようとするが、腹に巻いた麻薬が見つかり、逮捕される。
トルコの裁判所で4年の刑を宣告されて過酷な刑務所生活を送る事になる。
更に、アメリカと中東との関係悪化が進む中、刑期が30年に延長され、ビリーはついに脱獄を決意する。
◆感想
・1970年代が、アメリカと中東との関係性が悪化していたとは知らなかったな。更にこの映画が実話ベースという事にも驚いたモノである。
実話ベースの刑務所に入れられた男の映画は、「暁に祈れ」を強烈に覚えているが、今作でもトルコのサグマレチラー刑務所内のシーンが印象的である。
収容されているのは、凶悪犯と政治犯であろう。
・個人的には、ヒッピー文化がアメリカ国内を席捲していたとはいえ、麻薬を持ち出そうとしたビリーの行為は当然、裁かれるべきであり、自業自得ではないかという気持ちが拭えないのも事実である。
・映画としては、事実を脚色した部分もあるようだが、特にスーザンとの面会シーンで彼女の上半身を見ながら、泣きながらビリーが自慰行為をするシーンには驚いた。
<アラン・パーカー監督作品は、今作後の数作を配信で観たが、今作で名を上げたのだね。1978年に劇場で今作を観た方は、強烈な印象を持っただろうな。
こういう作品は、配信で観ると矢張りインパクトが落ちてしまうが、それでも十二分にトルコ刑務所に囚われたビリーの絶望感、臨場感は伝わった作品である。>