題名くらいしか知らなかったこの映画を、たまたま深夜テレビで見てひどく衝撃を受けたのは、もっとも多感な16、17の頃でした。楽しい映画ではなく、むしろ、不快なのですが、なぜかとても惹かれ、5~10年ごとに見返しています。冒頭に「実話に基づく」という字幕が出ることで、さらに衝撃度を高めたのですが、後になって、かなり創作している部分が多いということもわかってきたようです。映画や小説が創作なのは前提なので、「事実に着想を得た」くらいが丁度いいのかなと個人的には思います。そういう意味では、本作でアカデミー脚色賞を受賞したオリバー・ストーンの力量がいかんなく発揮されているともいえます。しかしながら、何といっても、原作者ビリー・ヘイズ役を演じたブラッド・デイビスが素晴らしい!彼の迫真の演技が「これは実話なんだな」と感じさせるように思います。身から出た錆ではあるのですが(汗;)、それを自己責任でしょ!で片付けてよいのか否かという、人間社会における普遍的テーマのように感じます。この映画に惹かれる訳に気付いたのは、だいぶ経ってからでした。とんでもないことになったビリーが半狂乱になりながら本能的に自由を求める姿、生き抜こうと諦めない精神に深い感動があって、これは生命の尊厳を強烈に表現しているからこそ、ラストシーンに神々しい美しさを感じてしまうんだという認識に至りました。名作には名曲♪があるものですが、ジョルジオ・モロダーのテーマ曲が真夜中の深い闇(深夜特急)が延々と続いているような雰囲気と非常にマッチしていて、作品をさらに格調高いものにしてくれているようにも感じます。今作が、「小さな恋のメロディ」(71)を脚本し、「ダウンタウン物語」(76)で映画デビューしたアラン・パーカー監督の第2作目というのも驚きです!