未知への飛行

劇場公開日:1982年6月26日

解説・あらすじ

コンピュータの故障によって誤った指令を受けた米軍爆撃機がソ連へ侵入。制限地点(フェイル・セイフ)を越えた爆撃機は帰還命令を拒否し、米ソの追撃機も振り切って、ついにモスクワに水爆を投下してしまう。やがてアメリカ大統領は苦渋の決断をすることに……。社会派シドニー・ルメット監督が世界壊滅の危機を描いたポリティカル・サスペンスの力作。大統領執務室や軍の司令部といった密室で繰り広げられる会話劇が緊張を生む。

1964年製作/112分/アメリカ
原題または英題:Fail-Safe
劇場公開日:1982年6月26日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0 【水爆を搭載したアメリカの爆撃機がコンンピューターの誤作動によりモスクワ攻撃が避けられないと知ったアメリカ大統領が決断した事。今作は核兵器を保有する全ての国のトップが観るべき作品である。】

2025年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

知的

■水爆を搭載したアメリカの爆撃機が、軍事司令部よりモスクワ爆撃を指示する暗号を受けて発進する。
 それがコンンピューターの故障による誤った指令だったと気づいた時、爆撃機編隊を呼び戻す術はもはや失われていた。
 アメリカ合衆国大統領(ヘンリー・フォンダ)は核戦争を回避すべく、ソ連の議長に対し、恐ろしい提案をする。

◆感想

・中盤以降の緊張感が尋常でない作品である。殆どが会話で構成されており、飛行機も機内の操縦士たちの表情と、レーダーに映る機影だけであるのだが・・。

・モスクワへの水爆投下が避けられないと判断した、アメリカ合衆国大統領が指示した事。それは、エンパイヤ・ステートビル上空で自国の水爆を爆発させることで、被害を米国とソ連だけに留めるという決断を下すシーンと、当然それに反対する米軍軍人。

・モスクワとの軍事電話が切れた時に、ショットで映るニューヨークで平和そうに暮らす人たちのショットで終わるラストの余韻も物凄き作品である。

<今作は、核兵器を保有する全ての国のトップが観るべき作品である、と私は思うのである。>

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NOBU

5.0 世界の終末か

2022年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

システムの故障でアメリカの爆撃機がモスクワに核攻撃をするために向かう。
連絡しても信じてもらえない。
大統領(ヘンリー・フォンダ)はソ連の議長とホットラインで話し合い、協力してこの爆撃機を撃墜しようとするが、うまくいかない。
全面核戦争を避けるため、大統領はある決意を議長に伝えるのだが・・・。
古さを感じさせない現状が怖い。

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いやよセブン

4.0 まさに衝撃の結末

2020年12月18日
iPhoneアプリから投稿

推す。
まさに衝撃の結末。
ブルータスで西川美和も推していた。
キューブリック「博士の異常な愛情」の正調版、と言うか。
序盤ダレるがそこは我慢。
シドニールメット、好きだ。

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きねまっきい

5.0 フェイルセーフ

2020年10月21日
iPhoneアプリから投稿

怖い

知的

難しい

なぜこの言葉が一般的にならないのか非常に残念に思います
車なら、走行中に故障してもエンジンが停止する方向へ促す壊れ方をしているらしいし飛行機では滑空出来るような壊れ方にしているらしい
常に完全では無い、機械やシステムは壊れるものと思ってその壊れ方までを考慮して作らなければならないという事らしいです

この作品はとても素晴らしいものだと思います
軍事システムの誤作動で第三次大戦が起こりかねない危機までまねく、その時指導者達はどのような方法で食い止めて行くのか
古い作品ではありますが今の世も、そしてこれからの未来も誤作動はあるはず、そんな時彼らはどう対処するのでしょう
米国の今の彼にこれほどの決断が出来るのでしょうか
真っ先にボタンを押してしまいかねないのでは
自然災害だけでも地球は窮地にある中であらゆるシステムの誤作動をどう対処すればいいのか
原発もそうだしネット社会もコンピュータや電気に頼りすぎているように思えて仕方ありません。
立ち止まって考える時間を作るために新型コロナウィルスがこの世にやって来たのかも知れない

もっとこの作品が人々に知られれば少しは変わるのかも
そんなふうに思います。
また一つ、大切な作品と出会えました。

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カルヴェロ