劇場公開日 2021年11月5日

「天使の詩」ベルリン・天使の詩 Moiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5天使の詩

2024年5月25日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

感想

久しぶりに映画館で鑑賞したい
と急に思い立ち、急いで予約を入れた。

映画館での鑑賞は36年ぶり。

頭の中を空っぽにして、
なにも考えずにスクリーンを見つめていると、
様々な世界の言語と共に、人間の想いや考え、
行動が、また、さまざまな音や、騒音が、
川のせせらぎのように流れて心に染みていく
のを感じる。

そのような人間の近くにいつも寄り添う
天使達がいる。

壁がまだ残るベルリン。その壁はただ物理的
に存在するだけではなく、国としての制度や
同一民族でありながら文化や歴史をも障壁と
して分けてしまっている世界であった。

天使達は見つめている。天使達の視点に
観客を誘う演出。一見、触れ合えるように
感じられるが、決して触れ合う事はできない。

人の意思を感じる事は出来るが、その事に
コミット出来ない、自由意思を束縛できない
立場であることがわかってくる。

そんな天使が人間に恋をする。
自由意思を貫くことにより、不自由が生まれる
こともあるが、その壁を超えて目的を達成する
事の方が幸せなのだ。

あれから随分と長い刻が過ぎた。今も不自由さ
の壁を、葛藤し、打ち破りながら進んでいる。

そんな気持ちに邂逅する映画である。

4Kレストア版のクリアな画面で鑑賞出来た。
関係者の方々、監督にあらためて、
素晴らしい映画をありがとうございます!

⭐️4.5

Moi
ふわりさんのコメント
2024年11月1日

共感ありがとうございました。映画館でご覧になられて良かったですね。
この映画は優しい気持ちになります。
また見たくなりました。

ふわり
CBさんのコメント
2024年10月21日

36年ぶりの映画館での鑑賞作品がこれ、ってプチ贅沢というか、プチ幸せというか、じゃなかったでしょうか? ちょっと羨ましいです

CB
Moiさんのコメント
2024年6月22日

トミーさん
コメントありがとうございます。
今作は監督がベルリンの様々な場所で持ったイメージをそれぞれ撮ってから、一つの全体を繋げる話として天使のエピソードを。そして、その役者は当時ドイツでも人気があったコロンボ(ピーター・フォーク)という事になりオファーしたのではと勝手に想像してます。

Moi
トミーさんのコメント
2024年6月22日

共感ありがとうございます。
前作「パリ、テキサス」は割合王道的な造りを感じましたが、今作は実験的な部分も大分見えたと思いました。ピーターフォークが出ていたのでカサヴェテス風味も。

トミー