「世界観のお手本SF!」ブレードランナー サルタイサオさんの映画レビュー(感想・評価)
世界観のお手本SF!
クリックして本文を読む
もう、何百回と観たと思う本作。
原作とは内容がズレているとしても
映像の素晴らしさはエポックメイキングでありSF映画のお手本として最高レベルだと思います。
メイキング映像を観ても非常に手の込んだ技術力の限界とのせめぎあいでもあり、当時スターウォーズでも使われたカメラのシステムも活かされて臨場感、没入感も秀逸でした。
設定やストーリーに対する大道具、小道具、セット等の説明は不要でありすべて演出からくみ取れる所もリドリースコット監督とスタッフの努力と偶然の賜物では無いでしょうか?
酸性雨が振り続けるという異常気象の地球環境がディストピアらしさを盛り上げてますが、エンディングで晴れた森の中を主人公とレイチェルが走るのはあれ?と。思いましたが、それはそれ。
とにかく映像で訴えてくるだけで満足ですし鑑賞に耐えうるどころかリピートしてしまいます。
アンドロイドのテクノロジーは現代のAIやロボット技術からはまだまだ遠い高度なものですが、将来実現するのではと思わせます。
メインの街並みが日本とチャイナタウンと欧米の混在のようなイメージで、実際に日本なんかは将来そうなってしまうのではないかと思います。
主人公がレプリカントだと言うのは後にバラされますが、本作は孤独がテーマであり
純粋な愛や命の重さを訴えるものだと思いますが、それらを取り巻くその他大勢のチープさと、そうであるからこその安心感すら湧いてくるカオスがなければ成り立たないほどの闇を抱えて展開されるスタイルは後の数多の映画に影響を与えたと思います。
本当ならこれに肩を並べるほどのSF大作が出てきて欲しいものです。
コメントする