ブレードランナーのレビュー・感想・評価
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本作の問いは映画を超えて現代社会のものになった
2017年に改めて観直すと、大変に先駆的な問いを投げた作品だと感嘆させられる。というよりも原作者フィリップ・K・ディックが提示した課題を後進の人間が一生懸命にそれを実現させようとしていたのか。ともあれ、1982年の作品とは思えないほどに今日的な題材とテーマだ。
レプリカントと呼ばれるアンドロイドに心は宿るのか、人との間に愛は生まれるのか、そもそも人とアンドロイドに違いはなんなのか。SF作品の問いとして普遍的なものになったこれらのテーマは、すでに現代社会ではこれからの人間のあり方についての先鋭的な問いでもある。
やつらは人形だと機械的に処刑判断を下す人間に対して、ルトガー・ハウアー演じるレプリカントのロイはなぜデッカードを見逃す情に目覚める。人間らしさとは何か
このバージョンのエンディングは未来への希望を感じられて特に好きだ。
門前の小僧習わぬ経を読む
不幸にして一度も通してきちんと見たことがない映画。それは、当時自分がレコード店で働いており、店頭サンプルとして、常に『ブレードランナー』のレーザーディスクがリピート再生されていたことによる。
もともと、『スターウォーズ』のような爽快な娯楽大作が好きで、このようなハードSF路線はとっつき難かったのもあって、一度も、仕事の手を休めて思わず画面にくぎ付けになることなく、それでいて内容はきっちりと頭に入っているという、まさに「門前の小僧習わぬ経を読む」状態。
一部の熱狂的なファンが、何度も劇場に足を運び、のちにディレクターズカット版などのバリエーションをいくつも発表し、疲弊していった作品性を、つねに斜めに見ていた。好きか嫌いかは、第一印象でほとんど決まっていたのだ。
見方によってはどうにでも解釈できるエンディングも含み、いまだにちゃんと見る気になれない一本。ちなみに『2049』は劇場で見て、なかなかのお気に入りになった。最新の映像の進化に、想像力を刺激されるのがたまらない。
原作を忠実に再現。
原作小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を読んだあとで鑑賞。ディストピアだけあって、終始暗い画面と雰囲気で進行。全体的に、ワタシ的には原作の雰囲気を忠実に再現できていたのではないかと思う。が、やっぱり個人的には原作(小説)を超えることができなかったので60点といったところか。
古き良きSF映画
ヒロインが人形のように美しくて、荒廃している街とのコントラストでさらに神々しかった。
バク転?しながら攻撃してくる女の子といい、この時代でしか発想できないシーンというか、アンマッチな不気味さがよかった。
この頃の時代の雰囲気をヒシヒシと感じらる映画。
世界観のお手本SF!
もう、何百回と観たと思う本作。
原作とは内容がズレているとしても
映像の素晴らしさはエポックメイキングでありSF映画のお手本として最高レベルだと思います。
メイキング映像を観ても非常に手の込んだ技術力の限界とのせめぎあいでもあり、当時スターウォーズでも使われたカメラのシステムも活かされて臨場感、没入感も秀逸でした。
設定やストーリーに対する大道具、小道具、セット等の説明は不要でありすべて演出からくみ取れる所もリドリースコット監督とスタッフの努力と偶然の賜物では無いでしょうか?
酸性雨が振り続けるという異常気象の地球環境がディストピアらしさを盛り上げてますが、エンディングで晴れた森の中を主人公とレイチェルが走るのはあれ?と。思いましたが、それはそれ。
とにかく映像で訴えてくるだけで満足ですし鑑賞に耐えうるどころかリピートしてしまいます。
アンドロイドのテクノロジーは現代のAIやロボット技術からはまだまだ遠い高度なものですが、将来実現するのではと思わせます。
メインの街並みが日本とチャイナタウンと欧米の混在のようなイメージで、実際に日本なんかは将来そうなってしまうのではないかと思います。
主人公がレプリカントだと言うのは後にバラされますが、本作は孤独がテーマであり
純粋な愛や命の重さを訴えるものだと思いますが、それらを取り巻くその他大勢のチープさと、そうであるからこその安心感すら湧いてくるカオスがなければ成り立たないほどの闇を抱えて展開されるスタイルは後の数多の映画に影響を与えたと思います。
本当ならこれに肩を並べるほどのSF大作が出てきて欲しいものです。
記憶に残る映画
終始暗い映像
地球とは思えない雑多な世界
何かすごいアクションがあるわけでも
怪物のようなエイリアンが出てくるわねでもない
ブレードランナーと呼ばれるアンドロイド専用の殺し屋(ハリソンフォード)が
4体のアンドロイドを淡々と追い詰めて殺して行く
ただ、ハリソンフォードはそんなに強い殺し屋ではない。
あくまで人間臭く、泥臭い感じで描かれている。
人間ドラマのようなSF映画だ。
何故この映画がSF映画の原点であると言われるようになったのか。
なんとなくわかるような気がする。
荻昌弘先生の解説の『月曜ロードショー』が初見。 初めて見て『スチー...
荻昌弘先生の解説の『月曜ロードショー』が初見。
初めて見て『スチームパンク』と言う言葉を覚えた。高い煙突から噴出される。フレアーが『スチーム』と言った総称にあっていると思った。だから、初見はその世界観に囚われただけで、大きな感動は無かった。
今日はそのオリジナルの二回目の鑑賞となる。余りサスペンス製が無いと思う。事が容易に運びすぎて、ストーリーの流れは平凡。逃げる者の悲哀と追う者の非情さがもう少し欲しかった。このオリヂナルでは、後日談を入れている。それが要らないと思うが。まぁ、好みの問題か。ファイナル・カット も見てみる。
当時はすごかったと思う
現代(今)見たら普通の刑事もののSF映画と思ってしまうが
当時はすごかったのだろうと思う
いろんな人がこの映画に影響されたり
サイバーパンクジャンルに影響されたと思われる
この映画の最大の魅力は世界観ビジュアルです
しかしストーリーは普通の刑事(デカもので)
違法レプリカントを殺すだけの映画です
シーンラストあたりでレプリカントと人間の違いや
レプリカントの寿命の短さ(儚さ)が強調されます
80年代の雰囲気を感じつつも想像力を掻き立てる近未来の世界観に引き...
80年代の雰囲気を感じつつも想像力を掻き立てる近未来の世界観に引き込まれる
SF/サイバーパンク好きにはたまらない最高映画の一つ
レプリカントが人間らしさを求め、感情に疑問を抱き、葛藤していくのがよい
台詞全般が哲学的、倫理的なものが多く、アイデンティティ、記憶、限界など人間性を考えさせられる
レイチェルから離さないでってセリフが出た瞬間なぜか泣いた
デッカードがレプリカントであることを示唆するところで止まってるところがいい
世界観は最高なのに意味不明。
1982年の製作でこのセットとか照明とか世界観はとても良かった!けど、
ストーリーがマジ意味不明だった。
どーゆーこと?って思いながら
最後までわからんかった。
人造人間の反乱ってことは分かるけど
寿命を延ばして欲しいっていう割には
創造主を殺してしまったり。
白塗りの女の人が撃たれてバタバタと虫みたいに
のたうち回るシーンが怖すぎて
子供の頃に見たらトラウマになる。
ラスト急にパンイチで追っかけてきたり
なんですか?って感じだった。
釘を手に刺して壁に頭を突っ込むとこよとか
笑かそうとしてんの?と思った。
最後のユニコーンの折り紙。
レプリカントも4年の寿命だけど
人間もいつかは死ぬから
お前たち自由に生きろよってこと?へ?
サイバーパンクSFの金字塔
悪夢的未来世界を描かせれば随一のフィリップ・K・ディックの長編「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を、リドリー・スコット監督が映画化。
主人公デッカードは人間社会に潜むレプリカントと呼ばれるアンドロイド(人間型ロボット)を見つけては狩るバウンティハンター。
すでにハンター稼業を引退していたデッカードだが、ロス市警の要請で、殺人の罪を犯したレプリカント4体を捜査することになった。
逃げたのは最新式のレプリカント・ネクサス6型、その開発者であるタイレル博士から情報を聞き出そうと訪れた時、秘書の美しき女性レイチェルと出会う。
酸性雨が降りしきり、空中にまで電飾が浮かぶロス・シティ。
シド・ミードデザインのレイアウトの画面いっぱいに、SF的ガジェットを詰め込み、地面を水浸しにしてに光を散乱させ、それまでのハリウッド映画を一瞬で古いものにした……はずなのに、公開当時はファンのカルト人気のみという寂しい興行収入だった。
しかし公開が終わってしばらく、各国から高評価の声があがり、リバイバル上映が相次ぐにつれて人気が爆発、日本国内でもフォロー作品が多数作られ、誰もが認める金字塔となった。
時代設定が好き過ぎる
うわぁー、なんだこれ!北斗の拳のベースにもなった世紀末の世界観。好きなものがぎゅっと詰まって、この映画好き過ぎるぞ😚
ラオウのお顔のモデルになったらしい
ルトガー・ハウアー
うむ、なるほど🧐
主演はハリソン・フォードではなく、ブルース・リーであって欲しかったな
誰にも感情移入が出来ず、今一つ満喫できなかった。
鑑賞前は単なるSFだと思っていたけれど、見始めると「ハードボイルド的な作品かな」と感じ、観賞後は「群像劇だったな」と印象が変わっていった。良い意味でも悪い意味でも不思議な作品。
改めて観ましたがもう40年前の作品なんですね。映画全体を通して漂う...
改めて観ましたがもう40年前の作品なんですね。映画全体を通して漂うダークな雰囲気。雨が降り続く日本やアジアをイメージした街。そしてヴァンゲリスの音楽。設定、ストーリー全てがバランスよく組み合わさったSFの傑作。
これが40年も前の映画だと……!?
「SF映画の金字塔」としてあまりにも有名な作品。
しかし私は勉強不足のため、事前知識がほとんどない状態での鑑賞でした。
結論。40年も前の作品とは思えないクオリティ。映像も綺麗ですし、人間と人造人間(レプリカント)との関係は昨今問題になっている人種差別問題や性差別問題にも繋がる内容になっていて、ストーリーに関しては古臭さなどは一切感じませんでした。
以前「ウエストワールド」をレビューした時も思いましたが、私はこういう「昔の人が考えた未来」を観るのが好きみたいですね。何に使うのか分かんない色んなスイッチが付いた機械とか空飛ぶ車とか、未来的なガジェットが登場するかと思いきや、小道具にはレトロ要素(ブラウン管テレビとか)が残っている。当然、制作スタッフは「未来の世界」をイメージして作ったんでしょうけど、現代に住む我々から見れば「まだ発明されていない未知のテクノロジー」と「既に廃れつつある過去のテクノロジー」が混在したカオスな世界観。このごちゃごちゃした世界観が、なんだかたまらないんです。これを観るためだけにDVDレンタルする価値もあると思います。
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時代は惑星移住が可能になった2019年。人類は「レプリカント」と呼ばれる人造人間を発明し、労働などを彼らに任せるようになっていた。レプリカントの性能はみるみる向上し、もはや人間の身体能力や知能を超えるまでに開発が進んでいた。ある日、レプリカントが謀反を起こして地球にやってきた。レプリカント専門の捜査官の”ブレードランナー”であるデッカード(ハリソン・フォード)は、その捜査を行ううちにレイチェル(ショーン・ヤング)というレプリカントと次第に親しくなっていく。
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主人公のデッカードを演じたハリソン・フォードがめちゃくちゃ若くてイケメン。白髪のおじいさんのイメージしか無かったので、若かりしハリソン・フォードは衝撃的でした。
人間以上の身体能力や知能を持ちながら、人間の都合によってわずか3年しか生きられないレプリカント。やっていることの是非はともかく、暴力的に人間に立ち向かうレプリカントにも感情移入や同情をしてしまう設定です。
40年前の作品ですが、ストーリーにはほとんど古臭さは感じませんし、むしろ今風だとも思えます。「今の時代にもこういう問題あるよね」って思いながら観ることができました。
脚本の単純さ。
良さは脚本の単純さにある。
よくある犯人探しものに謎の美女との恋愛が交差するハードボイルドという単純さ。
どんでん返しも捻りも無ければ、凡百な裏切り劇も無し。
だからこそ、近未来のデストピアという深淵なテーマが濃厚に描き出されたのだ。
堪らなく好きなのは、レプリカントを識別する心理テストのシーン(二度)。
人間であるはずの私自身の心理にも微妙に波立つ感じがして、内側から世界に引き込まれる。
「羊たちの沈黙」冒頭の地下牢でクラリスが気が付けば診察されてしまっているシーンにも同様の効果を感じる。
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