劇場公開日 1982年7月10日

「脚本の単純さ。」ブレードランナー きねまっきいさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0脚本の単純さ。

2021年2月16日
iPhoneアプリから投稿

良さは脚本の単純さにある。
よくある犯人探しものに謎の美女との恋愛が交差するハードボイルドという単純さ。
どんでん返しも捻りも無ければ、凡百な裏切り劇も無し。
だからこそ、近未来のデストピアという深淵なテーマが濃厚に描き出されたのだ。

堪らなく好きなのは、レプリカントを識別する心理テストのシーン(二度)。
人間であるはずの私自身の心理にも微妙に波立つ感じがして、内側から世界に引き込まれる。
「羊たちの沈黙」冒頭の地下牢でクラリスが気が付けば診察されてしまっているシーンにも同様の効果を感じる。

きねまっきい