ブルーベルベットのレビュー・感想・評価
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ロイ・オービソンが普通に聴けなくなるトラウマ作
亡くなったことでまた過去作に脚光が当たっているデヴィッド・リンチだが、最初にたまたま観たのが『ブルーベルベット』だったことに感謝している。リンチらしい悪夢のような世界観、恐怖に裏打ちされた幻想譚と、セクシャルな犯罪スリラーというジャンル映画のブレンドのバランスが非常によくて、最初に『インランド・エンパイア』とかを観ていたらリンチへの扉を閉ざしてしまっていたかも知れない。
不謹慎ながら真似せずにいられないデニス・ホッパーの怪演、やたらと嘆き叫んでいるときの口の形が気になったローラ・ダーン、なにかが崩れそうな妖艶さを見せたイザベラ・ロッセリーニ、端正な顔がより違和感を呼び覚ますカイル・マクラクラン。ビジュアル的なセンスが冴えているのは当然として、キャストひとりひとりの顔が完全にリンチ的で、最高のアンサンブル映画だったと思う。
しかし本作のせいで、ロイ・オービソンを普通に聴けるようになるまで相当の時間を要した。リンチが悪い。ありがとう。
実に分かりやすい「リンチ的な映画」
以下、自分の映画評論から抜粋です。2020年9月、久しぶりに本編を見て驚いたことには、「ツイン・ピークス」の原型が、まんまここにありました。舞台はアメリカのスモールタウン。しかも林業の町で、材木を積んだトラックが頻繁に登場します。街にはダークサイドがあって、怪しい男たちが非合法ビジネスを営んでいる。「草むらの耳」に相当するのは「打ち上げられたローラ・パーマーの死体」。どちらの案件も、捜査するのはカイル・マクラクラン。
デビッド・リンチの作るフィルムノワールは、ダークサイドとブライトサイドのギャップの激しさが特徴です。オンライン辞書に「Lynchian(リンチ的)」なる単語があって、その意味は「不気味さと平凡さのバランスがとれていること」だそうです。
その観点からすれば、「ブルーベルベット」は、実に分かりやすい「リンチ的な映画」だと言えます。
切り落とされた人の耳を素手でさわれるか
魅せるサスペンス
やはりビールはハイネケン?!
なんじゃこりゃあ
ツインピークス見ておいてよかった
コマドリ(robin)、森があるちいさな田舎町、木の伐採をする町、製材所がある町、お互いが顔見知りのような町、一見みんな穏やかに暮らしている人達。車が真夜中にセンターラインの上を走る。そこに父親が不可思議な怪我をしたために大学生の息子が里帰りして女子高生と出会い、町の暗部に入り探っていく。ツインピークスでマルホランド・ドライブ。
もしかして全部、ジェフェリーの夢だったのかも知れない。夢はネガティブなものが圧倒的に多いから。そして現実は幸せを運んでくれるコマドリがたくさん飛んでいる世界なのかも知れない。敢えて暗部を探らない方がいいのか?どうしても知りたいという欲望から人間は逃れられないのか?私にとっては、ジェフェリーの家にいる双子みたいな二人の老婦人(ジェフェリーの母と叔母?)が怖かった。二人ソファに並んで腰掛けてテレビ見ながら編み物してる。その二人は「明るい世界」に属しているようなのに、リンカーン通りは危ない所だから行ってはダメよとジェフェリーに注意する。
ツインピークスではFBIクーパーを演じているカイル・マクラクラン、この映画ではもっとずっと若い時期。彼もサンディ役のローラ・ダンも面長顔。リンチ監督自身も面長だから同じタイプの顔が好きなのかな。
ちょっと官能的作品が見たくなって。 おいおい、通報せーよでスタート...
さて、ホッパーは何回Fワードを口にしたでしょうかw
アマプラで無料視聴できたので数十年ぶりに鑑賞。
デビッド・リンチの「砂の惑星デューン」に引き続き主演のカイル・マクラクラン。
その後「ツインピークス」でも主演し一時期デリンチのお気に入り俳優だったよう。
リンチの異常性を堪能できる狂気の本作だが、リンチらしく説明がなく、女性を美しく撮ろうという配慮も一切ないところが大好き。(そこだけはヴァーホーヴェンと似てるw)
無機質な部屋の色調や家具の配置などその後に「ツインピークス」でも観ることができるリンチ感。
暴力的で何かとFワード連発のフランクと立場を忘れHit me!を連呼しジェフリーとも平気で寝るドロシーは異常な性癖という点で共通しているが、ジェフリーもなかなかの人物で危ない橋を敢えて渡ろうとしたり、二股?かけたりとんでも爽やかナイスガイでしっかり狂気性を帯びている。
やはりこの世はまさに不思議なところなのだ。
原点の原点、ここにあり?
公開当時、そのセンセーショナルな内容が話題になり、私も強いインパクトを受けた記憶があり、数十年ぶりに再鑑賞。デニス・ホッパーの怪演が凄まじすぎて(あれって台本にあるんでしょうか?)か、ストーリーはまばらにしか覚えていませんでしたが、改めて観て気付きあり。
デビッド・リンチの作品はどれもくせの強ーいカルトムービーなのですが、この映画は数年後私がどっぷりハマってしまったTVドラマシリーズ、ツインピークスの原形だったんですね。テレビという一般家庭にある媒体で(勿論アメリカでは番組は全て契約ベースなので日本とは大きく事情が違いますが)、デビッド・リンチの出来れば青少年には見せたくないようなカルトで気色悪いドラマを放映してしまうということに私は大きな衝撃を受けたことを覚えています。
今、NetflixやHuluなどではあたりまえのように刺激の強すぎる多くのバイオレンスやカルトのTVドラマ作品が、サブスクという手段によって大衆にもひろく観られています(Breaking Badなどはハラハラして観ましたが私にはあれがギリギリの刺激度です)。ちょっと世の中この先大丈夫?とも思いたくなる今の危険なTVドラマ市場の原点がデビッド・リンチのツインピークスにあって、さらにその原点がこのブルーベルベットというこの映画にあったのではないか、と思いをめぐらした次第でした(知らんけど)。
"映画"らしい良い映画
異質な世界への誘い
リンチ君にしては良心的
深夜向けの雰囲気
青春映画にミステリーを加えたような映画ですかね。
見舞いの帰りに草むらで「耳」を発見した主人公が警察に耳を届けるのですが、その話を聞いていた刑事の娘が同じく興味持ち、内緒で一緒に追求することになる。
けどやっぱり彼氏いるし家にもバレたら...と、興味あるけど躊躇ぎみなのが少しイライラしたりする。
エロイ場面は芸術なのか本能なのか!?
今の映画に慣れてしまうと刺激が足りないかもしれませんが、効果音を控えめにすることで良い緊張感を作っています。車のエンジン、トイレ、足音、ドア等々1つ1つの動作音だけで、この手の映画は緊張感が出る、いい例だと思ったりした。
これはデヴィッド・リンチの個性を確立した作品のようですね。
未知な世界に一般人がハマッていく...性欲は三大欲望だしコントロールするのは難しいのかな。後半は変なシーンも少なく普通のミステリーなノリになります。自己満足、芸能人にありそう、裏社会の話とか思って個人的には退屈だったなぁ。
話が進むと、耳が誰かなんてあんまり意味ない気がするし。。。
ミステリアスな音楽はムードあって良かったので、深夜向けの映画かと思います。
彼氏は気の毒だな。カイル・マクラクランに乗り換えなくてもいいのにね。
【”Mystery of Love"デヴィッド・リンチ監督の変態的愛と暴力と耽美性に彩られた作品。アンジェロ・バダラメンディの奏でる曲が耽美的且つ幻想的雰囲気を醸し出している作品でもある。】
ー 尋常でない雰囲気が横溢する作品である。
特に、フランクを演じたデニス・ホッパーのFワードの多発や、イゼベラ・ロッセリーニ(イングリッド・バーグマンが夫と子を捨て、身を寄せたイタリア人監督ロベルト・ロッセリーニとの間に誕生)が演じるドロシー・ヴァランスの狂気を帯びた、妖艶さ・・。ー
・主人公のジェフリー(カイル・マクラマン)が、父を見舞いに来た時に、野原で見つけた”耳”。
彼が、それを刑事に預けるトコロから物語は始まる。
・ジェフリーは、刑事の娘サンディ(ローラ・ダーン:当然だが若い。)と二人で、なぞ解きを初めてしまったものだから、彼は狂気とエロスの世界に巻き込まれていく・・。
・サンディが聞きつけた、”耳は、ナイトクラブの歌い手、ドロシー・ヴァランスと関係がある・・”と聞いたジェフリーはドロシーの家のクローゼットに身を隠すが・・。
ー 江戸川乱歩の”屋根裏の散歩者”を想起させるシーン。
彼も、ドロシーに見つかり、パンツを脱がされちゃって・・。
ドロシーの家に乗り込んできたフランクの、ドロシーに対するSMチックな狂態の数々。
良い子は、観ては駄目だよ!ー
・徐々に明らかになっていく、ドロシーとフランクの関係。そして”耳”。
<フランクの家に有った、二つの死体。一つの死体は立ったまま、頭から血を流しており、もう一つの死体には”耳”が無く・・。
グロテスクなシーンが続くが、背後に流れるのは、アンジェロ・バダラメンディが奏で、ジュリー・クルーズが歌う幻想的且つ耽美な”Mystery of Love"である。
デヴィッド・リンチ監督特有の耽美的雰囲気を醸し出している、幻想的とも言える作品。
”Mystery of Love"が収録されているジュリー・クルーズの全曲アンジェロ・バダラメンディ作曲の耽美的アルバム「Floating into the Night」は、よく聞いたなあ・・。>
予測不能と言うか不思議な展開
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