ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説・あらすじ

「パリ、テキサス」の名匠ヴィム・ヴェンダースと世界的ギタリストのライ・クーダーが再タッグを組み、キューバの伝説的ミュージシャンたちにスポットを当てた音楽ドキュメンタリー。

ライ・クーダーが敬愛するキューバのミュージシャンたちと制作したアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は大ヒットを記録し、1997年グラミー賞に輝いた。ヴェンダース監督はキューバを再訪するライ・クーダーに同行し、ミュージシャンたちとの交流を記録。情緒豊かなハバナの街並みや、アムステルダムでのコンサート、そしてニューヨークにある音楽の殿堂カーネギーホールでのステージを交えつつ、彼らの素晴らしい音楽とそれぞれの人生を映し出していく。

第72回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた。

1999年製作/105分/G/ドイツ・アメリカ・フランス・キューバ合作
原題または英題:Buena Vista Social Club
配給:東北新社
劇場公開日:2025年6月6日

その他の公開日:2000年1月15日(日本初公開)、2021年11月5日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第72回 アカデミー賞(2000年)

ノミネート

長編ドキュメンタリー賞  
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(C)1999 Road Movies Courtesy of Wim Wenders Stiftung

映画レビュー

5.025年ぶりにあなた達に会いに来たよ!

2025年6月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

癒される

本作を鑑賞したのは、忘れもしない2000年1月の渋谷シネマライズででした。キューバのミュージシャンの佇まいと奏でるリズムにベタ惚れしてしまい、1年後にキューバに旅をしてしまったほどです。

そして、2025年6月。約25年ぶりにブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブに会いに劇場まで足を運びました。25年前に感じた彼らの熱量・哲学・色気・かっこよさ。25年後も当時と同じ様に感じることができて安心しました。私の感性は死んでなかった。

久しぶりに作品を観たら、キューバを旅した時のワクワク感が蘇ってきました。世界一美しい海カリブ海。街中にサルサが流れ、太陽が燦々と降り注ぐ島。キューバ人は路上で葉巻を吸いながらトランプをしてる。働かなくても高い目標がなくても別にいいんだ。ヘミングウェイ御用達のバーでモヒートを飲みながら話しかけてきたおじいちゃん。ハバナで常に流れているサルサは、カリブ海にめちゃくちゃ合うサウンドなんです。

なぜだか、新宿武蔵野館のスクリーンからふわっと葉巻の香りがしてきました。

私はあなた達と出逢えてなかったら、キューバを旅することもなかったし、サルサを好きになることもなかった。ライ・クーダーが出会い、ヴェンダースが映画にしなかったら、彼らを知ることもなかった。

本作に関わった全ての人達。
本当にありがとう!
Muchas gracias♪

“生きている実感。これぞ人生だ。”

コメントする 1件)
共感した! 5件)
ミカ

4.5曲目は一つしか、わからなかったが、

2025年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

Perfect daysで、再びわたしたちの目の前に現れたヴィム・ヴェンダースの快作(99年)!パートナーは「パリ、テキサス」で音楽を担当したライ・クーダー。著名なギタリストであるライが96年3月、キューバを旅行した際に出会ったオールド・ミュージシャンたちと制作し、97年秋リリース、世界中で大ヒットした映画と同名のアルバムがきっかけ。

2年後の98年春、セカンド・アルバムを制作するライに密着して、ヴェンダースはハバナに行く。初めてのデジタルを用いた撮影だったと言う。

本作品では、最初に、98年4月、15人のメンバーによるアムステルダム公演の映像が出てきて、同年7月、ニューヨークのカーネギーホールでのコンサートで終わるが、二つを結ぶようにして、録音セッションと共に、オールド・ミュージシャンたちが、どの様に育ち、音楽と触れ合ってきたかが語られる。何と言ってもすごいのは、彼らの途轍もないエネルギー。

特に、ライがグループの中心に据えたイブライム・フェレールは72歳、家族を養うために音楽を離れて靴磨きをしていた。しかし、その伸びやかな美声には魅せられる。92歳にして子作りに励んでいたギタリスト、コンパイ・セグンド。引退して家に籠っていたピアニストのルベーン・ゴンザレス80歳。彼らの鍛え抜かれた音楽性、飾らぬ人間性がこの映画の根本を成していた。

ライとヨアキムのクーダー親子を入れて15人のビッグバンドだが、ツアーは大変だったと思う。キューバは、カストロやチェ・ゲバラによる革命の後、62年、ケネディとフルシチョフの抗争に伴う海上封鎖があって、米国とは断交、しかも援助してくれたソ連は91年崩壊しているから、経済的にも苦しかったに違いない。彼らは、よくヴィザがとれたものだが、ライたちのチームも大変だったろう。その分、撮影フィルムで見ても、発展を止めたようなハバナの街路、ボンネットの大きな旧式のアメ車が目立つ。ただ、音楽には奇跡をもたらしてくれた。過ぎ去り日のキューバのラテン音楽を保持していたオールド・ミュージシャンたちが甦る。

日本でも50~60年代、ラテン音楽の繁栄はすごかった。アルゼンチンのタンゴ、ブラジルのサンバと並んでキューバのラテン、ルンバ、マンボ、チャチャチャ、日本でできたドドンパなど。

この映画で、私にとって一番良かった音楽シーンは何だったろう。ルベーン・ゴンザレスの枯れたピアノに寄り添うように聞こえたライのスライドギターの演奏。ハワイアンでなじみのスティール・ギターにも似るが、音色はクラシック初の電子楽器テルミンを思わせた。

流れた曲の中で、それと知れたのはカーネギーホール終盤の「Quizas, Quizas, Quizas」だけだった。高校生の頃か、ディスク・ジョッキー(あの頃の言い方)の女性が「キサス、Perhaps、たぶん」と教えてくれたっけ。

オールド・ミュージシャンたちを再発見してくれたライ・クーダーと映像化してくれたヴィム・ヴェンダースに感謝。傑作である。

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共感した! 2件)
詠み人知らず

4.5心から

2024年8月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

「音楽って良いな」、「歳をとって皺苦茶になった時に、こんな笑顔をしていたいな」と思わせてくれる作品。

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共感した! 4件)
komasa

5.0この映画を観るのと観ないのとでは、人生の価値が変わってしまうような...

2024年7月7日
iPhoneアプリから投稿

この映画を観るのと観ないのとでは、人生の価値が変わってしまうような奇跡のような映画。半端ないエネルギー。普通に彼らを映すだけでも絶対すごい映画になるのに、説明もなく彼らのことを紹介して終盤に向かってボルテージを高めていくヴィムヴェンダースのドキュメンタリーの手法のおかけで、観ている方の臨場感は倍増する。いつか前にセロニアスモンクの映画を見た時の高揚感を思い出した。出ている方も映す方もレベルが段違い。絶対体に良い効用を持っているから、繰り返し観ようと思う。

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共感した! 5件)
kp

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