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地味なんだけど、好きな映画。何年か前に視聴してとても印象に残っている作品。歴代1地味なオスカー作品と言われているけれど、メッセージ性は強い。なかなかレビューも難しい。
きょうだいの死によって、トラウマを抱えた主人公のコンラッド。傷ついた家族たちの物語。普通やったら、家族で力を合わせて悲しみを乗り越えよう!みたいなストーリーになりそうやけど、この作品は違う。長男の死によって、家族の歪みみたいなものが表面化され、修復不可能になっていく。コンラッドが母親に愛されたいけれど自分のせいで兄が死んだから…自分は罰を受けないといけない、幸せになってはいけないんだという気持ちが伝わってきてとても辛い。母親は長男しか愛せなかったわけではなく、自分自身が嫌いやからコンラッドのことも受け入れることができなかったんやよね。
修復不可能と悟った母親が家を出て行くシーンも印象的。父とコンラッドは支え合って生きていくけれど、母親はどうなるんやろう。1人で生きていけるんやろうか。カウンセリングに行き、自分の弱さを吐露したコンラッドと父。一方、自分の弱さを認められなかった母は孤立。弱さを認める強さが必要やなと思う。