ファーゴのレビュー・感想・評価
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コーエン兄弟の問題意識
『ノーカントリー』を先に見ていたんですけど、この『ファーゴ』は『ノーカントリー』の源流という感じがしますね。たしかに同じ監督であることが感じられる、監督自身の文法のようなものを感じることができました。
『ビッグ・リボウスキ』はとても楽しくて、コーエン兄弟をまた見てみようという気になったわけなんですけど、この『ファーゴ』『ノーカントリー』の流れの方は、あまり乗り切れない感じがあります。確かにこういう映画を撮らざるを得ない現代性っていうのは分かるんですよね。もうハリウッドを信じられない中で、ではどう映画を作るかという意識なんじゃないかなって。でもその意識を、『ビッグ・リボウスキ』のようにコメディの要素を入れて何とか形にしようとする方が私としては健全な気がするんですよね。
でも書いていて思うのは、コーエン兄弟って、ものすごく映画に対する問題意識を持って撮ってるんだなってことですね。その点は、すごくリスペクトしたいなって思います。
俯瞰で見ると喜劇
悪事は決してうまくいかない!ということだ
"対比"が上手いコーエン兄弟の傑作
「上手いなぁ。」
作品を見終えて思わず言ってしまった。
1996年の制作だが、高画質に向かわない映像の質感が素晴らしい。
コーエン兄弟独特のどのジャンルともとれない一風変わったストーリー、仕組まれたブラックユーモアが炸裂していた。
だが、それだけに留まらないのがコーエン兄弟。
「殺人事件が起きているのに能天気な警察やファーゴの町」と「殺人を犯してしまった犯人たちのシリアスな心情」。
"対比"する演出を上手く使うことによってストーリーをより面白く(奇妙に?)している。
また、「次々に人が殺されていくこと」と「妊娠という新たな"生"を待つこと」を1つの映画に映すことによって生と死の"対比"という本質が見えてくる。
「あと2ヶ月」
「あと2ヶ月よ」
最後のこの台詞が深い余韻を残す。
"奇妙な町"の"普通の日常"
このエンディングはハッピーエンドだ。そう思った。
平凡に生きる難しさ
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