劇場公開日 1996年11月9日

「"対比"が上手いコーエン兄弟の傑作」ファーゴ keitaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5"対比"が上手いコーエン兄弟の傑作

2012年2月11日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

幸せ

「上手いなぁ。」
作品を見終えて思わず言ってしまった。
1996年の制作だが、高画質に向かわない映像の質感が素晴らしい。
コーエン兄弟独特のどのジャンルともとれない一風変わったストーリー、仕組まれたブラックユーモアが炸裂していた。
だが、それだけに留まらないのがコーエン兄弟。
「殺人事件が起きているのに能天気な警察やファーゴの町」と「殺人を犯してしまった犯人たちのシリアスな心情」。
"対比"する演出を上手く使うことによってストーリーをより面白く(奇妙に?)している。
また、「次々に人が殺されていくこと」と「妊娠という新たな"生"を待つこと」を1つの映画に映すことによって生と死の"対比"という本質が見えてくる。

「あと2ヶ月」
「あと2ヶ月よ」
最後のこの台詞が深い余韻を残す。

"奇妙な町"の"普通の日常"
このエンディングはハッピーエンドだ。そう思った。

keita