愛の奇跡

解説

 精神科医のクラーク博士が校長を務める精神薄弱児の施設に、音楽教師のジーンが赴任してくる。心を閉ざす少年と仲良くなったジーンはその子を全く面会に来ない両親に会わせようとするが……。障害を抱える子供とそれを見守る大人たちの心情を描いた物語。実際に障害を持つ子供をキャスティングし、この映画を撮り上げたカサベテス監督だったが、製作のスタンリー・クレイマーと対立。結果、カサベテスはハリウッドから干されてしまう。

1963年製作/102分/アメリカ
原題:A Child is Waiting

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映画レビュー

3.5子供たちの自然な姿

2023年9月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

感傷的や感動を煽る演出描写は控えめに知的障害児たちを自然に映し込みながら今ある現実と向き合い将来を改善させようと厳しくも優しさが溢れている反面、成人した知的障害者の施設を描写した残酷に思えるリアルな場面では、カサヴェテスの真摯な意気込みが感じられ生半可なヒューマンドラマには収めないシリアスな雰囲気すら感じてしまう。

施設に赴任したジュディ・ガーランド演じるハンセンに懐く知的障害児のルーベンは自閉症を負っているようにも、そんなルーベンの母親を演じたジーナ・ローランズの若かりし美貌と演技は出番が少ないにしろジュディ・ガーランドを勝る存在感を発揮している。

変わらなければならないのは携わる人々、子供たちの親である大人がしっかりと受け止めなければならない現実、60年代初期に描かれたこの物語は今でも何ら古臭くも時代遅れでさえ感じることもなく作られた話ではあるにしても徹底したリアルがカサヴェテスの手腕であるかのように。

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