パラダイスの夕暮れのレビュー・感想・評価
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底辺に生きる人々への光
ゴミ収集作業で働く男性、スーパーのレジ打ちの女性。 出会って親しく...
小気味いいリズムで進む希望の物語
この映画は「枯れ葉」の前編だ
映画を観終わったあと、カタルシスを得た。「救い」と言い直してもよいだろう。世界中の多くの人々が、なぜアキ・カウリスマキの映画を観るのかわかるような気がした。
登場人物の二人は、出てくる音楽や、ジュークボックスでわかるように、60年代風。しかし、SONYの最新のビデオ機器などが出てきて、80年代の中頃を背景にしていると知れる。この映画の二人が人を代えて、2020年代に浮遊したのが、「枯れ葉」ではないか。
主人公の二人、ごみ収集が仕事のニカンデル(マッティ・ペロンパー)とスーパーのレジ係イロナ(カティ・オウティネン)は、そのまま「枯れ葉」の二人、飲んだくれの金属工ホラッパ(ユッシ・バタネン)と、スーパーのレジ係をクビになるアンサ(アルマ・ポウスティ)に引き継がれる。この映画に出てきた音楽の中で、一番気になったのは「ともしび」か。ロシアの曲なのに、まるで日本の歌謡曲のようだった。
少し驚いたのは、ニカンデルの妹が精神を病んでいたこと。ニカンデルが、イロナとせっかくデートに漕ぎ着けても、用意した食事は食べてもらえずビンゴに行ったり、せっかく二人になっても話すことが何もなかったりしたことと、共通するのかも知れないと思った。ただ彼は、正式のレストランには足元を見られて入れてもらえず、バーガーを食べた時も、二人でいるだけで満足そうだった。それに比べ、イロナは奔放。
なぜ、この映画を観て、私たちは救われた気持ちになるのだろう。ニカンデルの最後の誘いに、イロナが応じたからに尽きる。ニカンデルは、心の中の思いと外に出る言葉の間に、また自分と相手との間に、とてつもない距離があるから、彼の心からの思いが相手に伝わった時の喜びは、想像に絶するものがある。たとえ、結果としてうまく行かなかったとしても。ただ、ニカンデルを演ずる俳優は、とても酒が強そうには見えなかったことが気になった。
ヘルシンキの街の片隅で・・・‼️
フィンランドの男もつらいよ
【”君はもう、独りじゃない。この世の全てを君に捧げたい”社会的弱者の男女の恋心の機微を抑制したトーンで描いた作品。】
■ごみ収集車の運転手のニカンデル(マッティ・ペロンパー)は、スーパーのレジ係の仕事をする怪我の手当てをしてくれたイロナ(カティ・オウティネン)に好意を抱く。
ニカンデルはイロナをデートに誘うが、巧く行かずギクシャクした空気が流れる。
ところが、仕事をクビになったイロナがニカンデルのもとを訪れ、彼女と一緒に暮らすことになるが、イロナはスーパーの売上金を入れた小さな金庫を腹いせに盗んでいた。
◆感想
・相変わらずの、アキ・カウリスマキ監督節、全開作である。
・無表情に近い、ごみ収集係のニカンデルとスーパーを首になったイロナとの恋を実に淡々と描いている。
・ニカンデルが、デートに失敗し、自棄になってしまい刑務所に入れられた時に出会った無職の男に、ニカンデルは、突如亡くなってしまった起業を誓った男の代わりに職を与え、男もニカンデルがデートの際にお金を借りに来ても、すんなりと貸してあげる。
<アキ・カウリスマキ監督の弱者の視点から見た、善性溢れる人間の描き方が好きである。
ニカンデルとイロナの新たなる人生の希望が、仄かに見えるラストが良い作品である。>
不器用ですから、、、
その後の作品群を思わせる作品
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