バルカン超特急のレビュー・感想・評価
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列車を舞台としたサスペンス・アクションの原点‼️
ヒッチコックのイギリス時代の作品としては「三十九夜」の次に好きな作品です‼️列車から老婦人が突然失踪、彼女の実在を証明しようとする若いカップル、個性的な乗客たち、そこへスパイ事件をめぐるドイツの陰謀が迫ってくる・・・‼️まず舞台となる列車が魅力的ですね‼️個室に食堂車、貨物車両、機関室など、古き良き時代の産物で、とてもじゃないですが現代の新幹線を舞台にしてもここまで面白くならないでしょう‼️窓の曇りに浮かぶ老婦人の名前や、紅茶の袋といった小道具の扱いも相変わらず素晴らしい‼️スパイ団が列車を切り離し、林の中の銃撃戦までドンデン返しの連続へ‼️陰謀が陰謀を呼び、スリルとサスペンスとユーモア満載の大冒険‼️ホントに面白い‼️欲を言えば、老婦人の口ずさむメロディがもうちょっと事件解決の切り札になればよかったのですが‼️「三十九夜」のミスター・メモリーのように‼️
ヒッチスタイルの完成
渡米直前、英国時代の最後にして最高傑作の評判が高い作品です。 ストーリー、プロット、サスペンスすべて最高潮です。 従来のサスペンスに加えてこの作品からスリラーも加わってきたところが最大の特長でしょう。難をいえば「バルカン超特急といえば」的な極めつけのシーンがないところ。
『野球の記事ばかりだ。子供じゃないんだ。クリケットの記事はないのか...
『野球の記事ばかりだ。子供じゃないんだ。クリケットの記事はないのか。』
野球は世界的なスポーツじゃない。世界で一番人口の多いインド映画を見ても、クリケットに興じる子どもたちが登場する。
アガサ・クリスティーを意識しながら、ただの密室ミステリーにしていない。『オリエント急行』が1934年だから、ヒッチコックはクリスティを意識しているが、この時代のイギリスとドイツの関係を見事に皮肉っている。素晴しい。
ミュンヘン会談に望んだ平和主義と言われるチェンバレン首相の未来を見事に予測している。
最後の運転手?
ヒッチコックの作品には、文化と時代の相違という2つの点で注意が必要
ヒッチコックの作品には、文化と時代の相違という2つの点で注意が必要だと思う。
文化の相違というのは、登場人物たちが日本人には常識外の行動に出ることが多いこと、時代性というのは、彼の古い作品には設定や道具立て等、現在からはかなり甘すぎる点が方々に見当たることである。
本作を見ると、例えば冒頭のホテルでのヒロインと男性主人公の出会いのシーンにしたって、男性の無作法極まりない態度には、見る側はウンザリしてしまう。ヒロインの方も映画の末尾では婚約者を理由もなく捨てて、このバカ男にくっ付いていくという考えられない人間性なのである。2人とも日本人から見たら、「こいつらは人間の屑ではないか」と思いかねない。
こうした登場人物たちのあり得ない言動の数々は、『裏窓』のジェームズ・スチュアート演じる出歯亀男をはじめ、その後も数多くみられ、そのたびに「ああ、これは文化的な落差なんだろうな」と何度も思わされるのである。
時代性による設定の甘さでは、おばちゃんがスパイとして追われ、拉致監禁されてしまうわけだが、スパイなら単純に列車内で逮捕してしまえばいいだけの話である。その後の秘密警察か軍隊と乗客とのドンパチだって、今ではあり得ない。
現在となっては、これらは見なかったふりをして鑑賞するしかないだろうが、やはり心の底ではあまり楽しんでいないのであるw
こうした文句とは別に、本作は列車内で突如姿をくらませた老女について、乗客も係員も全員白を切るという、これ以後何度もさまざまな映画で模倣されてきたシチュエーションのオリジンを確認できることが嬉しい。ヒロインも美形であるw
ヒッチコックは『サイコ』『鳥』『マーニー』といった作品群は真の傑作の名に恥じないと思う。しかし、本作のような古い時代の作品を傑作と呼ぶには躊躇せざるを得ず、各種の映画技法を確認するくらいの意味しかない、と言ったらファンから怒られてしまうだろうか。
お婆ちゃんを捜せ!
『バルカン超特急』鑑賞。 *主演* マーガレット・ロックウッド *感想* 久々のヒッチコック作品を鑑賞しました。「ロープ」以来です。 列車に乗り込んだ結婚間近のアイリスが、家庭教師のお婆ちゃんと知り合い、そのお婆ちゃんが列車の中から突然消えてしまい、クラリネット奏者の男性と共に捜し出すサスペンス! ワンカット風のサスペンスではありませんが、起承転結が上手くできていて、とても良かったですし、サスペンスでありながら、笑いの要素があって、陰謀が絡み合って、とても面白かったです。(^^) 結婚間近の女性、クラリネット奏者、家庭教師、クリケット狂の二人組、絶賛不倫中の夫婦、医師、、さまざまな登場人物が絡み合い、登場人物は多いですか、複雑に感じないし、走行中の列車という密室空間で繰り広げられるサスペンスとなっていて、話のテンポが早いし、常に次の展開が気になるので、とてもハラハラドキドキしました! アイリスとその友達がめちゃめちゃ綺麗で驚いた! ラストも良かった!\(^^)/ オススメです!
列車スリラー
1938年、 イギリス時代のヒッチコック作品。 列車スリラーの原点と言われ 得意の巻き込まれ型 ストーリー展開。 雪に閉ざされた バンドリカ(架空の国)の駅 雪崩の為、 ロンドン行きの列車が動かず 乗客達は駅のホテルに 一泊する事になる。 様々な事情を持った 乗客達がいて 結婚前の最後の旅行を 友人達と過ごすヒロイン アイリスもその一人。 そして、 年配の家庭教師ミス・フロイが キーパーソン。 翌朝、ミス・フロイを狙った者が 手違いで、アイリスの頭上に 植木鉢を落とした為 アイリスの意識が朦朧とし 心配したミス・フロイが 食堂車へ誘い お茶を飲む。 客室へ戻ったアイリスは ひと眠りするが 目覚めるとミス・フロイの姿が 消えていた。 走行中の列車内で 行方不明者が発生 アイリスが、乗客に問いただすが 誰もが、口を揃えて ミス・フロイの存在を知らないという。 アイリスは ホテルで出会ったギルバートと 一緒に、その謎を解き明かしてゆく。 ネタバレかもですが 老女ミス・フロイは イギリスの諜報員でした。 第二次世界大戦前の 不穏な時代背景と 陰謀が渦巻くミステリー。 DVDで、2度目の鑑賞ですが 食堂車の窓ガラスに、 フロイが、指で名前を書いた跡が 残る場面や、乗客全員が 見なかったと 話す場面が ジョディ・フォスター主演の 「フライト・プラン」に オマージュされていたり ヒッチコックの作品は 多くの映画に 影響を与えていますね。
半分くらいまでちょっと退屈だったかも…
ヒッチコックのイギリス時代のサスペンス作。伏線がわかりづらかったり起承転結の時間配分が謎だったり途中コメディ感に溢れていたり、個人的にはなかなか乗りづらかったな…と思いました。ヒッチコックて列車と急展開のラブロマンス好きよね。
サービス精神満点のサスペンス
ヒロインが目を覚ましたら、知り合い女性は席におらず、誰もそんな女は見ていないと言う。なかなかに怖いシチュエーション。自分でも自信がなくなってくるが、その中で列車窓ガラスに彼女が書いた文字が浮かび上がり、確信に至る。映画的で実に上手い。後の映画でも真似もされていた様な。 相棒となる男が、最初彼女の言うことを信じていなかったが、知り合いが飲んだと言う紅茶ブランドのパッケージが捨てられて車窓に張り付いて銘柄が判明して、信用する展開も、映画的。 車窓から外に出て他席に写ろうとするが対面から高速列車が来て、あわや危機一髪。そして、激しい銃撃戦、その中で白旗掲げて闘いから降りようとする弁護士はあっさりと敵に撃ち殺される。これって当時の英国政府への皮肉か。そして、最後ヒロインは婚約者から姿を隠れて、相棒となっていた男とのロマンスが成就。ラストにもう一つ、冴えないおばさんが、実はというオチまであり、面白さ満開でサービス精神満載のヒッチコック・サスペンス。 オープニングの空の上から地上に降りて来て、ホテルの中に入って来るカメラワークも印象的。あれは模型を撮ったのか。ところで、最初の方で歌い手はなぜ殺されたのか、その説明はもしかして忘れてる? とは言え、全体として満足度十分な、至れり尽くせるの面白い英国活劇であった。
密室のミステリーを軸に、窮地に追い込められた女性の美しさを引き出すヒッチコック演出の巧妙さ
遺作「ファミリー・プロット」の公開の年に「海外特派員」と共に本邦初公開されたヒッチコック監督のイギリス時代を代表するコメディ・サスペンス映画の秀作。大戦前夜のヨーロッパの某国(バンドリカ)を舞台にして、密室の列車内のミステリーを軸に、記憶障害の幻想と片付けられひとり孤立する婚約中の女性アイリスと、彼女を介抱しながら消えた家庭教師のフロイ婦人を救出する民族舞踊の研究家ギルバートふたりの活躍がスリリングに描かれる。その家庭教師を装いスパイ活動をするミス・フロイを、イギリスの女優で初の勲章を授けられたデイム・メイ・ウィッティが、それこそウィットに富んだ好演を見せてくれる。マーガレット・ロックウッドとマイケル・レッドグレイヴが主演の映画だが、主役はラストカットで微笑むメイ・ウィッティであり、その役柄にピッタリな存在感が素晴らしい。不穏な時代背景から国際政治絡みの駆け引きの深刻な題材を、ユーモアたっぷりに演出するヒッチコック監督の演出力を楽しむべき作品。ロックウッドの美しさも際立っているし、レッドグレイヴの品の良いイギリス紳士然とした演技もヒッチコック監督の演出が為せる成果と言える。
車窓に書いたフロイの文字でアイリスが混乱から目覚めるところ、食堂車に持参したハーブティの”メキシコ人も飲んでいる”とプリントされたラベルを眼にしてギルバートがアイリスを信用する展開、そして一つとして無意味な使い方が無い汽笛の効果。人物の配置では、ダブル不倫で旅行中の弁護士と愛人のカップルの、離婚に消極的な男と、そんな男の身勝手さに愛想を尽かす女の立場を巧妙にプロットに組み入れている。クリケットにしか興味がないイギリス男の二人組は、映画開巻のホテルのフロントで既にフロイ婦人と出くわしていながら帰国を急ぐために嘘をつくのだが、無事にロンドンに到着するストーリーの狂言回しの役割を務める。更に言えば、ミニチュアセットの雪山からホテルのフロントにパンして、フロイ婦人とイギリス男二人組が風に煽られたドアを閉めるまでは、BGMのみで現実音はカットされている。ヒントを明確にしたヒッチコック監督の演出のサービスであり、全編に張り巡らされた細かい演出を代表するひとつと言えよう。
フロイ婦人の代わりに頭を打ち意識朦朧となり、消えた婦人を心配して助けを求めるも誰にも相手にされず、唯一話を聞いてくれたのが前日最悪の出会いをした傲慢男、そして幸運にも乗り合わせたハーツ医師には裏切られるという災難にあったアイリス。女性を窮地に追い込むこのヒッチコック監督の演出では、どんな女優も美しく撮られている。ヒッチコック監督が夫人同伴で来日した時のインタビューで、女優の美しさの理由を尋ねられたとき、妻のいる前では教えられないとはぐらかしたユーモアの達人ヒッチコック。その回答が、この映画のアイリスに少しはあるのではないかと思う。彼女の儚げな女の魅力の虜になってギルバートが暗号のメロディを忘れるオチが、何ともいい。
何度観ても脚本と演出の細かさや巧妙さに感心してしまう、面白くて楽しいサスペンス映の模範。
緊張感ある意外な展開
なだれで列車が不通になった。マーガレットロックウッド扮するアイリスヘンダーソンらはホテルで食事する事にした。アイリスは、来週チャールズフォザリンゲールと結婚すると宣言した。ホテルでは、メイド部屋も使っていたから食事もろくに取れなかった客もいた。翌日、アイリスは列車に乗り込みメイウィッティ扮するたまたま前に座っていた親切なご婦人フロイと食堂車で過ごした。アイリスは、席へ帰ってうたた寝している内にフロイは居なくなっていた。回りの人に尋ねても最初からアイリスは一人だったと言われ、アイリスはフロイを探し回った。食堂車でも給仕がアイリス一人だったと言われた。乗り合わせた医者からは幻覚だと言われた。席に戻った女性はフロイとは別人だったが、周りの人たちはアイリスの思い違いだろうと言った。アイリスは、列車を停めろと言い始めた。果たしてアイリスは幻覚を見ていたのだろうか? 緊張感ある意外な展開にびっくりだが、原因は分からず仕舞だな。
ストーリーは面白いけれど、最後の婚約者から隠れキスするシーンでがっ...
ストーリーは面白いけれど、最後の婚約者から隠れキスするシーンでがっくし。
映画ということを忘れて悲しい気持ちに、、
無理くりラブストーリーにしなければ良いのに、、
これがユーモアなのだろうか。
まあまあだった
列車の中で、おばあさんがいなくなるまでがひどく退屈で眠くてきつい。特に意味もなく嘘をつく人がいて、彼らが正直に話せば全く話の展開が違ってくるので、ご都合主義なところが目に着く。
なんと80年以上前の作品。今でも鑑賞に耐え得るというのが驚異的。さ...
なんと80年以上前の作品。今でも鑑賞に耐え得るというのが驚異的。さすがはヒッチコック。 おばはん、どこいったん?なんでみんなウソつくん?謎解きに夢中になります。 最初は何でもない登場人物と思っていたヒロインがだんだん可愛くチャーミングになってきます。彼女もヒッチコックの餌食となったのだろう(笑) ヒッチコック初期の名作。ファンならずとも見逃せませんね。
ユーモアのセンス抜群。
すっきりとまとまったコメディと言っていい娯楽映画。 古さを感じさせないユーモアのセンスは抜群。 ヒッチコックなんですね。 ラストのラストまで満点!
ヒッチtouchなし。
ヒッチコックらしい演出やテイストが感じられませんでした。よくできた脚本を無難に映画にしたという感じがしました0高い金もらって注文を受けて作った映画のように感じました0ストーリーとしてはそこそこ面白いのですがいまいち消化不良な気分です。 この映画を傑作だと言う人が多いけども、むしろ失敗作だと思います。この作品はミステリー仕立てになっております。そのミステリのところが1番面白いんですよ。このミステリーが解けますか?と言うところがミステリ物語の良いところです0しかしこの物語の中では観客に考える時間を与えずそのいちばん大事なトリックのところあっさりばらしてしまっています0これは観客に対する裏切り行為でありミステリとして反則です。非常に腹が立ちました。それにですねぇヒッチコックに政治の話は似合わないですよ0政治ネタが出てくると夢が覚めるというかヒッチコックのファンの私からするとシラケるストーリーでした。最後の銃撃戦はいらないですねー0戦時中のプロパガンダ映画のようでした0ああそうかわかったぞ。プロパガンダ映画作らされて腹が立ったからわざとトリックをバラしたんだ0そうかそうに違いない絶対そうだ。これを書いてヒッチコックの気持ちがわかった0書いてよかった0
サスペンスの皮を被ったコメディ そして隠された政治性メッセージ
これは面白い! ギャグとウイットとユーモアがこれでもかとてんこ盛りです 正に何分かに一度はくすりとさせます ほとんどサスペンスの皮を被ったコメディです 敵に襲撃されてレフリーなのか?とか言われるシーンや、隣のコンパートメントでヒロインがホントに体操していたのには笑ってしまいました ですから、サスペンスは突っ込みどころが一杯ですがそこはそれでよしという態度で観るべきかと思います 1938年製作ですから第二次世界大戦勃発の前年 その国際謀略渦巻く欧州情勢の当時の雰囲気を濃厚に伝えてくれます バルカンと言えばあの名作「ユリシーズの瞳」が思い出されます あの熾烈な戦争の十字路のシリアスな物語の始まりよりもさらに数年昔のお話がこのようなコメディタッチのサスペンスとは強烈な皮肉です つまり英国人からすれば、バルカンなぞ所詮他人事ということです お気楽な二人組の英国人の存在がそれを見事に象徴しており、これで良いのかという政治的皮肉も感じることができます また不倫旅行中の英国人弁護士はチェンバレンを連想させる平和主義者 正に「戦争するくらいなら殺されよう」を身を持ってやってくれます 台頭するナチスドイツへの対決を鼓舞するシーンでもありました バルカンという戦争の火薬庫から英国に向かってひた走る超特急とは、第二次世界大戦勃発への導火線のメタファでもあります 第一次世界大戦はバルカンの一発の銃声から始まったのを想起せよと暗に言っているのです 徹頭徹尾コメディサスペンスの娯楽作品ありながら、このような時代のメッセージ性を内包させているとは流石はヒッチコック監督と言わざる得ません フロイ老婦人は素晴らしい名演技 ラストのオチには、そうと分かっていても思わず拍手です 本当に見応えある「娯楽作品」です ヒッチコック監督の手腕見事です 名作中の名作です
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