ニューヨーク1997のレビュー・感想・評価
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政治的な世界観が盛り込まれたSF映画
警察は時としてカタギよりもヤクザを信用する。カタギは日常的に死ぬことをあまり意識せずに生きているが、ヤクザは常に、いつ死んでもいいと思いながら生きている。勿論カタギにも死の恐怖はあるだろうが、覚悟が違うのだ。命を惜しむようなら、もはやヤクザではないが、
本作品のように圧倒的に悪い連中が揃っている場所にひとりで潜入するには、警察官では物足りない。警察官とは言っても、カタギだからである。究極の死の覚悟はないのだ。それに警察官は上司の命令で動く公務員である。臨機応変に対応しなければあっさりと死んでしまうような極限状況にひとりで派遣しても使い物にならない。特殊な潜入訓練を受けたCIAの工作員なら本作のミッションもこなせるだろうが、そう簡単にイーサン・ハントはいないのである。
そのあたりのことを、リー・ヴァン・クリーフ演じる警察のボスが知らないはずはなく、お誂え向きにその場に悪党のスネーク・プリスキンがいて、おまけに元特殊部隊ときている。胆は据わっているし、闘争能力も申し分ない。それに乗り物の操縦や運転はお手の物だ。こいつを使わない理由はない。
現場に到着してからのストーリーはジョン・カーペンター監督らしくリアルである。主人公は決してスーパーマンではないし、奇跡も簡単には起きない。まだCGが普及していない時代である。模型のチープ感を指摘するのは野暮というものだ。リボルバーやMAC10が無限に撃てたりすることにも目をつむる。
カーペンター監督はSF映画やホラー映画に世界観や政治的なテーマを盛り込む。本作品もその例に漏れず、第三次大戦を始めたアホな大統領と、クズを集めて図に乗るギャングのボス、そのボスに知識を切り売りして生き延びる知識人のヘルマン。ヘルマンに大統領の側近のことをいう「ブレイン(脳)」と名乗らせたのは、カーペンター監督一流の皮肉だろう。
たくさん人が死んだことを悲しみもしない大統領に、プリスキンが密かな反撃を食らわせるラストは洒落ている。主人公のニヒルな世界観は、SF映画では類をみない。プリスキンをモデルにしたと言われるビデオゲームの「メタルギア・ソリッド」のビッグボスは、自身の世界観を明らかにしてない。小島秀夫さんがエンタテインメントに徹したということだろう。
Then Snake said, “My name’s Plissken”.
I've just watched this masterpiece in a cinema in Yurakucho, Tokyo, and I don't believe it's been nearly 40 years since I got stunned by it when I first watched it as a kid. It must have been Theatre Dia in Ikebukuro.
People say something like Blade Runner affected lots of Si-Fi films and cyberpunk cultures and yes, it's true, but I realised this time that Escape From New York (aka New York 1997 in Japanese) has had an enormous influence over later films in broad arenas and video games, not to mention Japanese manga and anime.
I particularly like the CG-like cool fake computer displays and Snake’s scope, suppressor equipped MAC-10, and, of course, the Cabby, Ernest Borgnine (^.^)v !
近未来アクションの古典、名作
大昔、近所の大学の学園祭でかかっていたのをたまたま見て、かっこよさに打たれた。その後テレビやレンタルでは何度も観るも、劇場で観るのは初めてだったが、素晴らしかった。
今では短めな99分でストーリーも見せ場もぎっしり詰まっている。スネークはもちろんだが、ホーク所長の有能さ、抜け目のなさもよい。常に都合のいい場所に現れるアーネスト・ボーグナイン(好き)のタクシーを除けば、話の流れに違和感を感じる暇もなく引っ張られる。
特に世界観がいい(自分の制服治安機関への嗜好はこの作品のUSPFと「未知との遭遇」の米軍とで形成されたと思える。「スターシップ・トルーパーズ」も好みだが戯画化され過ぎか)。「島へ渡りたくない者はこの場での処刑・火葬を選択できる」とのアナウンスに痺れる。島内の退廃感、ビザールさは今見るとむしろおとなしめだが、昔のすさんだ都市スラムの延長線上という感じでよく作られている。塀の中と外、どちらもディストピア感に溢れている。
戦時下の政府が警察国家で、大統領拉致を計画したのが極左革命組織とか、スネークが従軍で名誉勲章を二度も受けながら銀行を襲って逮捕というのは、ポスト・ベトナムの時代背景を反映しているのだろう。
気づいたのは、今までラストシーンは世界を救うことなどどうでもよいとのスネークのニヒリズムだと思っていたのだが、考えてみると、テープは核融合(字幕では核の共有となっていたが、nuclear fusionの実現でエネルギーをめぐる世界の対立を解決するという意味か)に関わる理論や技術データそのものではなく、科学者?が説明する音声の録音に過ぎないので、あくまで、自分を救助する過程で死んだ者たちを省みない大統領に一泡ふかせて一矢報いた、ということなのかと。スネーク、意外に常識人だな。
【ちょっとご愛嬌】
※ ジョン・カーペンター・レトロスペクティブ
この作品は、マンハッタン島が凶悪犯の収容施設になるってところが斬新なアイデアで、でも、制作された1981年から思い描いた1997年の未来は、テクノロジーについて、イマジネーションが不足していたのかなって思ったりする。
1970年代のアメリカは、2度のオイルショックと、ウォーターゲート事件、ベトナム戦争の敗北、スリーマイル島の原発事故など、社会不安につながる大きな出来事を経験すると同時に、実はもう一つ興味深い出来事があって、1977年に落雷でニューヨークで大停電が発生、復旧まで3日もかかり、900万人もの市民が影響を受けたとされている。
僕は、社会不安と同時に、このニューヨークのだ大停電が、81年公開のこの作品の着想に繋がっているのではないかと思う。
まあ、古い作品だし、近未来のテクノロジーについて、もう少しイマジネーションが欲しかったなと思ったりするけれども、それはそれ。
当時の時代背景とか出来事を合わせて考えて楽しんだらどうかと思う。
当時のニューヨークで、3日も停電したら、生命の危険を感じる人も多くいただろうし、ジョン・カーペンターの着眼点は、そうしたところが面白い。
今みても面白いけれど…
何故か?今になっても私的ベスト1の作品です。
はっきり言ってなんてことはない、ただのB級映画なのですけれど、不思議なことに今現在も私にとってはベスト1の作品です。
とにかく主人公のキャラが立ちまくっていました。聳え立ちまくっていました。
こんなにカッコいいアウトロー、ダークヒーロは後にも先にもスネーク・プリスキンだけかも。
それだけでこの評価がありえた感じです。
東京ビックサイトで開催のワンダーフェスティバルでコスプレ遊びをやらかしたほど大好きなキャラクターです(笑)
なのに…しょうもない続編で「背が低い」とか自虐ネタで貶めやがって!
本来ならスネークブランドでもっと面白いシリーズを作れたものを!
夜の街のコンクリートを歩くと、あのテーマ音楽が脳内再生されずにはいられません。
そう!音楽がとにかくいいのよ!奇才の本領発揮といったところですね!
「スネークと呼べ」
雰囲気が良かった
・主人公もスネークだしメタルギアソリッドを見ているようだった。眼帯してるし潜入とか時間内で解決しないと死ぬとか内容は全然違うけど。
・舞台美術や小道具の感じが凄く良かった。
・刑務所として囲った意味あるのかなと疑問が凄くあったけど、そういう事をする発想が良かった。
ただ無茶だなぁとも思った。
・囲われた世界の人たちがスネークの事を知ってて、生きてたんだって皆いってて有名なのかぁって思いながら簡単に仲間ができたり、トレンチコートの男と恋人とか何でスネークについてってるのかなぁとか曖昧な感じが多くてわかりにくかった。多分、外へ出たくて利用してたんだろうけど。
・囲いの境界にある橋に地雷が多数埋められてるっていう話になり、トレンチコートの男だけが何故その地図を持っているっていう話になっているのかがわからなかった。後半、そこを超えようとしてて地図でここには地雷がっていったところに地雷があって一体、その地図なんだったんだとか疑問が凄かった。
・全般的になんだかわけがわからなかった。でも雰囲気は凄くよかった。
・勝手に22時間で死ぬ薬を打ち込むのは良かった。酷いけど。
・警察側が大統領にあんな目立つ生命管理装置で生死を判断しているのが滑稽だったのとスネークにつけたタカの腕輪についてるスイッチも簡単にカバーが開くのに、あれを推せるのはスネークだけだっていう話も無理あるなぁって思って、そっちはもっと固くいかないとって思った。
でもああいう大掛かりな無線とか不便そうに使ってるのが良かった。今みたいなスマートさのない機器の世界の良さが面白かった。
・囲いの世界に女性がいて驚いた。食料も供給されてるっぽかったし。あと、囲いの壁がそんなに高くなくて簡単に逃げられそうだなぁと思った。
脇役陣がシブい
近未来の話。ってか、もうその年越えてる(笑) こんな務所、作って欲...
造形は最高なんだけどね
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