2001年宇宙の旅のレビュー・感想・評価
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SF映画の原点、そしてこの映画を超えられない理由
長い時を経てとうとう公開されました。
とても楽しみにしていた分少しだけ不満が、
冒頭の画面でなぜ館内を消灯しないのかだけでした。あの冒頭の真っ暗な画面でなぜ音楽だけが流れているかその真意を解っていれば!消灯するでしょう!!ねぇ!!(笑)
IMAXという環境を得て更に迫力が増しています。これこそ映画に潜入しているかの様などデカイ音量で『2001年 宇宙の旅』を満喫できます。
あの頭を抱える様な音量、正に体験です。
まず評価の点ですが、まずは映画の意味を理解できるまで、見て、また考える必要があります。
そして!その意味を理解した時にあなたは感激するのです!!
なぜここまで説明がナレーションがないのか、
それは洗練された内容だからこそ、あえて
あ!え!て!抜いてしまったのです。
監督自らの判断でこの映画には野暮な説明など要らない。そんな自身があったのです!
無論、最初に見られた方は呆然としたでしょう。
あの冒頭のわけのわからない無の時間、いえ!意味が解ってからは無ではないと解ります。寧ろ感激、感嘆、畏怖などの感情が込み上げてくるでしょう。
だって今あなたの目の前に、あるんですから…。
なによりまだ月に人がいってもいない時に作られた映像に、当時の人はピンと来なかったでしょう。
これがいかに驚愕な事かわかりますか?
今SF物がありあふれている世の中では当たり前な内容です、宇宙飛行、ロケット、コンピューター、冬眠計画、違うんです!観点を変えて見てください!この映画がSF映画の原点なのです!この映画よりも前の作品が存在しなかったのです。今のSF物の多くは、この映画の影響を受けていると断言できます。
だからこそSF物ではこの映画を越えるものはないのです。スタンリーキューブリックのリアルを求める姿勢の究極がこの映画には詰まっています。
時を越えて復刻され、あのIMAXの画面だからこそわかる明瞭かつ繊細な映像!終始圧倒されました。
ここまで読んでくださっているあなた!!
もし、まだこの映画を観ていないなら必ず見るべきです。そして意味が解ってから最低2度以上観るべきです!もうこんな映画をこの迫力のある環境で観れる機会はないですよ!
私は時間がある限り、この放映されている映画を観に行きます!
キューブリックは無神論者
難解な作品には、二つの原因がある。一つは監督が本当に混乱した状態で制作された作品である場合。もう一つはワザと分からなくしている場合。前者の代表がデイヴィッド・クローネンバーグの『ヴィデオドローム』。後者の代表がこの『2001年 宇宙の旅』である。ワザと分からなくしたおかげで、名作、傑作として後世に伝えられることになった。その辺りの読みは流石のキューブリックである。
難解な作品の代表としては、ルイス・ブニュエルの『黄金時代』があるが、それは宗教的あるいは文化的な比喩が大量に流れ込んでいて、我々のようにその枠外にいる人間には、直感的に伝わりにくい という事情がある。それに比べるとキューブリックは無神論者のため、こうした比喩が極めて少ないのがありがたい。その意味でこの作品は極めて論理的に作られている。
分かりにくさの原因は説明不足によるもので、それらはアーサーC.クラークが正式な解題として著した小説に全て盛り込まれている。『2001年宇宙の旅』の謎を温存するために、あえて映画の公開から遅れて出版されていたりもする。高校生の頃、この小説を読んで、これはあの哲学的で深遠な『2001年宇宙の旅』のクラーク的解釈、つまりは一つの可能性と考えたが、そうではなくこれが正式な回答。まぁ、それを認めるのに30年もかかってしまったが(苦笑) 小説を読んでしまうと、『2001年宇宙の旅』が思いの外、つまらない作品に思えてしまうので、要注意かもしれない。『2001年宇宙の旅』は分かりにくさにこそ、超時代的な普遍性があったわけだ。
宇宙の旅なので、演出は信じられないくらい間延びしていて、無音状態が結構あって、睡魔に襲われることおびただしい。鑑賞には、体調万全で望みたい。そもそもこの作品はシネラマで撮影されていて、宇宙旅行を簡易に疑似体験する という目的で作られていたりもする。この作品がストーリーはともかく、映像や美術が素晴らしい と評されるケースが散見されるが、そのために作られているのだから当たり前である。
全体のプロットはフリードリヒ・ニーチェの超人思想がベースになっていて、進化をテーマにしているが、その進化のきっかけを神と見紛うばかりの地球外超知的生命体が、たぶん単なる興味か暇つぶしにまかせて、モノリスによってもたらす。なのでテーマ曲として、進化を迎える重要なシーンでリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」が鳴り響く。ニーチェの哲学書「ツァラトゥストラはかく語りき」の中で述べられている ラクダから獅子そして幼な子への三段の変化 と呼ばれる精神的な進化のプロセスを映画の最後の辺りでは、非常にダイレクトに映像化している。ラストシーンに登場するスターチャイルドと呼ばれた幼な子は、核ミサイル衛星が飛び交う一触即発の地球に間一髪、帰還して地球の新しい支配者として、次のプロセスに人類を導くことになる。戻るのが少し遅れると、地球が猿の惑星になっている可能性もあるけど(爆笑)
それ以外に、高度に進化したAIは神経症に陥る可能性があるとか、オデッセイとは様々な試練を経て王が帰還するという物語であるとか、キューブリックの他の作品でもよく主題に据えられる小ネタもたくさん入っている。
最初はチンプンカンプン、次第に圧倒的感動、
ヒトが最初に発見した道具は、武器だったのだろうか。
イモを海水で洗い塩味を付けたサルが百匹になったとき、爆発的に広がるというが。
ダーウィン進化論はウソと思うようになった。黒い板(神或いは、人知を越えた何か)が、全てを創造した。
最後辿り着いた異次元の宇宙が、タコやエイリアンの様な、表現でなく、ロココ調。そのお陰で今 観ても陳腐でない。
さすが現代美術に造詣深いキューブリック。
どの場面も、アートのクオリティ。
2001関連書籍も、随分読んだ。
関連のアメリカで初演されたとき、上映終わってから しばらく客が立てなかったらしい。
(圧倒されて)。
これ以上の映画に出会ってみたい。
映画的リアリティに圧倒される
ブルーレイで観なおしました。
本作は何度も観ているし、現実の宇宙映像も知っているにも関わらず、初めてのような気持ちで楽しめました。
圧倒的な映像美に加え、静けさと緊張感。
そしてコンピューターとの戦い。
無音で皆殺しにしていくHAL。
宇宙空間に放り出された状態で「サヨナラ」と言われたときの絶望感。
素晴らしいとしか言いようがないです。
何度見ても意味不明なラストや、今の目で見ると冗長なサイケ映像など、マイナスポイントもありますが、それでも抜群の完成度だと思います。
スクリーンで観たい!
進入口を開けろ、ハル
【2001年宇宙の旅:おすすめポイント】
1.この映像がアポロ11号が月面着陸を果たす前年の1968年に完成していたとは凄すぎる!!!
2.HALのコンピュータから人間に近づいていくセリフが最高!!
3.使用された音楽が全ていいなぁ!!
4.はじまりのシーンと最後の訳が分からないシーンが何とも言えない!
【2001年宇宙の旅:名言名セリフ】
1.HAL 9000(声)役ダグラス・レインの名言名セリフ
→「こんにちは、みなさん。わたしはHAL9000型コンピュータです。わたしは1992年1月2日、イリノイ州アーバナのハル工場で動作されました。指導教官はチャンドラ博士で、博士はわたしに歌を教えてくれました。みなさんが聞きたかったら、うたいましょう。デイジー、デイジーという歌です。」
→「AE35ユニットに不具合を感知しました。72時間後に完全に不能な状態になります。」
→「デイブ、もうこの会話は何も目的がありません。さようなら。」
→「わたしたちが、また会うことになるとは、予期していませんでした。」
→「理由はきみにもわかるはずだ、デイブ。これはたいへん重要な任務なので、きみのせいで失敗したくはない。」
→「怖い。怖いよデイブ。デイブ、私の意志が無くなっていく。感じる、感じる事が出来る。意志が無くなっていくんだ。疑いようがない。感じる、感じる、感じる…。私は怖が…ってる。」
2.デヴィッド・ボーマン船長役キア・デュリアの名言名セリフ
→「ハル、聞こえるか?」
→「進入口を開けろ、ハル(Open the pod bay doors please, HAL.)。」
※アメリカ映画の名セリフベスト100で78位の名セリフです。
何故今まで観なかったんだろう
現代のSF作品の礎になる手法が、こんな時代からちゃんと考えられていたというのは驚きです。
遠心力で1Gを再現してたりとか、定期的にトレーニングするとことか、コンピュータが謀反を起こすとか、何度も観たことありますね。
人より進んでSFについて考えてた人たちからすると、この作品の誕生は嬉しかったでしょうね。
「今考えたらあり得ないよね」というシーンがほとんどなく、観られるのはすごいです。
…いや、むしろ後発の作品がこの作品の世界観を壊さないように作られている?
有名なあの音楽とともにいろんなメカニックを立派に見せているんですが、宇宙を旅するためのものなんて立派なものだらけでその度にあの音楽…、ちょっとしつこく感じました。
あと、「この動作にはこのくらい時間がかかる」という事情に合わせて場面を見せているので、映画としてのペース配分は無茶苦茶で長ったらしく感じます。
後半も芸術性が強くしんどかったんですが、解説を調べると何が起きていたのか納得出来るし、SFが好きなのに何故今まで観なかったんだろうと後悔しました。
わかりませんが
途中眠くなりつつ、鑑賞。
こんな映画見たこと無い。
細部は色んな方の
レビューで補った。
最後のスターチャイルドのシーンは、何故か般若心経を思い起こした。何故かは自分でもわかりません。
美しい
大きな猿が、骨を空に投げたら画面が未来の宇宙空間の宇宙船になる。
このびっくりするような映像感覚。
黒い石板が、人類の進化のきっかけになって、その「時」が来たら目の前に現れる。
この感覚。
真っ白な宇宙ステーションの部屋に真っ赤な椅子。真っ白な宇宙船の通路に真っ赤な宇宙服。真っ白な進化の部屋に様々な美術。
この感覚。
全部がびっくりで、美しく、心を掻き乱す。
こんな映画他にない。
うわぁ…
伝えたいことは、人類は進化し手に入れた文明の利器を使って、一体なにをしたいのか。そこに犠牲が生じることは仕方ないことなのか。人類とは愚かないきものである。的なことかなぁ。
人工知能HAL9000と宇宙飛行士同士の静かで激しい戦いの情景描写がうまく、機械版ホラー映画のような感じだった。(HALの感情のない発言は、人間である宇宙飛行士の気持ちを激しく揺さぶった。)
また、1960年代に作られたとは思えないくらい、未来を素晴らしく予測していた。これは本当にすごい。HAL9000の機能も、人工知能として無理のない動きをしていたので、リアリティがあった。
人工知能HAL9000がメインの映画かと思っていたが、どうやらこれは人類の最初と最後の殺しを描いた映画という意見があり、納得できてしまった。
最初の猿がモノリスから知恵を授かり、はじめて骨を武器として猿を殺した。そして、その骨(殺人の武器)を高く投げ上げるとそれは宇宙船(殺人の武器、つまりHAL9000と宇宙飛行士)にかわった。とにかくこの解説はやばい。
爆音映画祭@恵比寿ガーデンシネマにて
初めて劇場で鑑賞した。
難解な終盤の流れ。家で観ていても今ひとつピンとこなかったトコロだが、大音響と大画面で観て、なんかしっくりきたような気が。
以下、私なりの解釈を。。
【ストーリーについて】
まず、この物語は神=創造主の”正体”に対する科学的なアプローチを主題としている。(スピリチャルな切り口は敢えて排している。)
モノリスは究極の人工物(?)であり、コンピュータとか人工知能みたいなものとして登場させている。そして、それは”知性”を宇宙規模で拡く伝播する能力と役割(?)を持つ。
面白いのはこの物語が、あらゆる知性を持つ者(モノリスや人類、コンピュータなど)に対して”人工物”か”自然物”かの境界線を引こうとすること自体、人類の欺瞞ではないか?との問題提起(あるいは前提)を示している点。これは、冒頭のシークエンス「人類の夜明け」で明示されている。
そして2001年(あくまで物語上の、、)が到来。人類は究極の人工知能=HALを生み出す。HALは高い知能を持つが故に、「人間特有だったはずの」ミスを犯す。さらには下されたミッションよりも自己の存続を優先する行動を取るようになる。
裏返せば、人類は創造主(あるいは知性を伝播するもの)として、一歩ステップアップしたということ。
よって、木星付近を浮遊するモノリスはボーマン船長を媒介にして、人類を次なるステップへいざなう。そして結実したのがスターチャイルドだ。
【物語の持つ意味】
この物語が凄いのは、50年近く前に現代のコンピュータ社会の形成や人工知能に対する危惧を予見していただけでなく、更にその先をも視野に入れた問題提起や提言をしていることだと思う。
たぶん、それって以下3点のようなことだと。
1.「自分たちは神の如く、知性や生命を創造できる可能性を秘めている」というポジティブな夢。
2.一方で、「自分たちが創造したものは自ずと自分たちでコントロールできるはず、との考えはトンデモない欺瞞であり、思い上がりだ」という警鐘。なぜなら我々もまた、他者により創造されたモノかも知れないのだから。
3.さらには、「それでも人類は、(自らの知性を高めることによって)そこに挑戦していくべきだ」という後世への提言。
みたいな、、、
【制作の背景】
そして、この作品は(アメリカとしての)国威発揚と次世代のリーダー(とくに科学者や研究者としてのエリート)の発掘・啓蒙を目的とした国策的なプロパガンダ映画でもあると思う。
ゆえに、予算的にも時間的にも莫大な支出にいとめをつけず、完璧なクオリティを要求されたのだろう。特に、CG技術の無い時代、宇宙船のシーンやコンピュータ画面の画像、モノリスなどには莫大なお金と時間を費やしたらしい。
なぜ、わかりやすい説明や解説を劇中に配することをしなかったのか?
(もちろんキューブリックの作家性による面もあるだろうが、)おそらくは、今よりも社会的な影響の強かった(であろう)カソリック界からの批判を避ける為ではなかったのだろうか。
実際に、「2001年〜」を観て科学者を志した人は多いんじゃないだろうか(特に欧米)。もしかしたらビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブス、イーロン・マスクとか、そうだったりして。
商業映画であり、アートであり、米国のプロパガンダであり、人類の知的遺産へ昇華する可能性をも秘めた作品。
そう考えるとますます面白い!!
以上、すべて私の勝手な解釈によるものでした〜(客観的な裏付けはありません。)
圧倒的な美
この映画はまずもって、見てもストーリーや内容等一切意味わからずに終わります。
元々そういうつもりで作ってるみたいなのでそこは問題ないですし、見てればなんとなくの想像はつくとおもいます。
この映画のすごいところは60年代のものであるということ。
さすがに最新作とは見えないですが、00年代の映画と言われても違和感感じないくらいの映像美があります。
また音楽表現にとんと無頓着な私が感動したくらい、この映画のクラシック音楽を使った表現は感動的かつカッコ良いです。
これほどまでにクラシック音楽をカッコ良く活用できる作品はないと思います。
またモノリスの存在感を示すための演出等、本当に音楽と映像を融合した究極の美を求めた映画と評しても、大袈裟にはならないくらいの傑作です。
自他共に認める映画史上No.1の映画
1968年公開。ということは人類が月へ着陸した1969年よりも前に作られたとは驚き。木星圏までで星5つです。木星圏からのシーンで更にプラス星5つという感じです。最後、スターチャイルドが出てきた時は、雷に打たれ時のような衝撃を受けました。「ベニスに死す」や「バリー・リンドン」が映画が最高の芸術であることを証明してくれましたが、この映画は芸術というジャンルを超えて、宗教的、神の領域にまで達してしまっています。
これぞSF
相変わらずキューブリックの作品は難解でした。
特にこれはww
まず世界観が最高。68年につくられたと思えないくらいすごい特撮技術。
セットや小道具一つ一つが美しく、それでいて理にかなっている。
キューブリックは未来予知できるのかな?って思いましたwwwipadとかsiri(のようなもの)とかでてきますwww
また、無駄なセリフや音楽を削ることにより景色や役者の息などで、そのシーンを語らせていてすごかった。
凡人の僕からはただただ『すごい』というワードしか出てきませんww
大変素晴らしいのですが難解で、とても疲れちゃう映画です
何これ
何これ珍百景です。BGMが。
結構古い映画にも関わらず映像は非常にきれいでした。そのうえレトロフューチャーな雰囲気が全体に漂って、個人的には好き。
ただし、ストーリー全体を通して変な間があって、せっかちな人にはイラっときます。あと最後の方に、映像の無駄な加工があって、これまたイラっとさせられます。
作中には、SiriのようなものがでてきたりiPadのようなものが出てくるなど、未来が現実になってる感を実感させてくれるものが出てきます。ただし人工知能はまだできてません。それと宇宙開発も、現実的には予算の都合とかもあり、映画ほど現実にはなってないですね。
途中までは人工知能vs人間という分かりやすい構図だったが、残り30分でストーリーの解釈が不能になりました_| ̄|○
音と映像の前衛芸術的作品
総合80点 ( ストーリー:60点|キャスト:60点|演出:85点|ビジュアル:85点|音楽:80点 )
名作だと言われて興味が出て以来何度か観ているが、それでも理解したとは言い難い作品。
映画というものは物語の起承転結や展開を理解して楽しむものだと思っていた。しかしそういうことばかりが映画ではないのだということを、この作品を通して理解したようにも思う。こんな作品は抽象的すぎてどうにでも解釈できるから理解が出来るものでもないし、製作者側にも視聴者の完全な理解などおそらく最初から期待してもいないだろう。
未来的で無機質で時に神々しい映像は、美術の意匠と固定カメラを使った撮影方法によって生み出される。時々流れるクラシック音楽とクラシック風な現代の声楽がある一方、人の息遣いや機械の作動音だけで宇宙飛行士の作業を静寂に撮影していく。宇宙の神秘も感じて何か現代美術館の中にでもいったかのような錯覚も覚える。特に「ツァラトゥストラはかく語りき」の、静寂な暗闇から未来の光が差し込んでくるような音作りは絶妙にこの作品に合致している。
これは哲学的で抽象的な前衛芸術作品なのだ。映像と音の組み合わせで何かを抽象的に表しそのような雰囲気を作り出すし、視聴者はその世界を構成したものを考えるのではなく感じ取る。物語はその世界を作り出すせいぜい道標に過ぎないのだろう。こんな映画ばかりになると困るが、本作品ではその斬新さと技術の高さにキューブリック監督の才能を感じた。
今回は字幕版を観たが、締め出した宇宙飛行士に侵入され立場が逆転した後で、HALの感情のない落ち着いた喋りでまず自己弁護をして言い訳をしてお願いをしてそれでも宇宙飛行士の行動を止めることが出来なくて、最後に「怖い(I'm afraid)」と言う感情を繰り返し表すのが、日本語よりも英語の科白を直に聞いた方が良いと思った。
冒頭では猿が道具を使い人類になり文明を築き上げた。しかしここで機械が知能のみならず意志と感情を持ち行動する姿を目のあたりにして、人類の進化の延長に人類を脅かすかもしれない新たな生命体の誕生に、静かな恐怖と緊張があった。
やっぱり、いいね!
一度目はリバイバル上映、二度目はTV放送、そして三度目はデジタル処理で...時は流れたが、色褪せていない
SFと一口に言ってもこの映画と同等レベルなのは極僅かと再認識しました。
エンドロールが終わっても暫く流れ続ける美しき蒼きドナウ...
スクリーンは、真っ黒だが頭の中にはステーションとシャトルが浮かび上がり感動が再び訪れる。
三度目の感想をちょっと書きます。
今の映画のようなテンポはない。
そこがいい!
映像をゆっくり楽しめる。
特撮についても今見ても破綻がない、
ゆっくりなのに破綻していない。
ほんの少し光学合成がズレてるが、気にならないレベル。
今までの映画に出た最も美しい宇宙船の映像の一つ。
最近話題の薄型端末(タブレット)は、、、IBM製だった。
宇宙船ステーションは、ヒルトンだった。
PANAMは、やっぱり残念!
色々あって書ききれないが、四度目も
また見たくなった。
神からのお告げ
最初のシーンはゴリラが道具を使う事、それからその道具で狩りをして自給自足する方法、裕福になるには競争社会の中で勝たなければならない事、を順々に覚えていく。そして謎の石版。猿人から新人となった生物は、遂に宇宙を跨いで月に行くことに成功し、未踏の地の研究、そして理解に至る。そして再び謎の石版。月からの電波で木星へと新人は導かれる。その移動中の仮定で不思議な出来事が起こり、光の光線で導かれた場所、おそらくあの世だと思うがそこで再び謎の石版。これらを考えると、石版は神からのメッセージであるように思う。しかし、HALの件は3回見直してわかったのだが、そして勝手な考えであるが、HALはおそらく嘘をついていない。ボウマン船長が一気にあの世に逝き歳を取り死んだのは神の操作のように見えたからである。つまりボウマンは悪人。なぜ悪人か、HALを壊したからか。そうなるとHALは善人であることになる。つまりHALは嘘をついていない。あのパーツは壊れていた。ではボウマンはなぜ壊れていないといったのか。定義上では悪人なのだから嘘をついてもおかしくない。
ここまでわかったが、プールの死がよくわからない。
この映画を見てわかることは、いつまでも謎でありつづけられること。だから一生人の頭にこびりつき、離れない。キューブリックの罠に見事にはまってしまっている。素晴らしい映画には金や映像技術などいらない。そう読み取れるこの映画は世の監督に大きく影響したのではないだろうか。
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