2001年宇宙の旅のレビュー・感想・評価
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宇宙の神秘
名作と言われていますが、今まで一度も観た事がありませんでした。内容もタイトルからSFなのだなという事くらいしか知りませんでした。前に『インターステラ-』を観てからこの作品も気になっていたので観ました。
半世紀以上も前に作られたとは思えないくらい先鋭的な内容で驚きました。2021年の私が観ても新し過ぎてついて行けないと感じるほどでした。特にラストは衝撃的です。時間とは?空間とは?宇宙とは?色々な事が頭の中をグルグル回り興奮状態です。
宇宙空間とクラシック音楽の融合は壮観でした。また、宇宙船内での上下・縦横の常識を覆すような映像体験も驚嘆でした。映画というよりはまるで1つのアート作品を観ているようです。解釈は人それぞれというか、わかる人にはわかり、わからない人にはわからない。初見の私はどちらかというと後者の方です。先が読めない上に、ひとつひとつのシーンがゆったり進むので、まどろんでしまいそうになった場面もありました(笑)。でもラストは叩き起こされたみたいに衝撃的でした。名作と言われるのも納得です。また、所々で登場する黒い四角い物体とか、HALの存在とか、何かスゴい意味を持っていそうで興味深いです。少し時間を置いてからまたじっくり味わいたいと思いました。
半世紀過ぎても色褪せず、むしろ現実を映画に引き寄せてしまう強大な万有引力を持つ不滅の名作SF
米国の宇宙評議会からフロイド博士は月面のクラビウス基地を訪問するため各国の科学者が集う宇宙ステーションに到着した。ソ連の科学者達からクラビウス基地が音信不通となっていて疫病が発生したと噂が出ていることを聞かされるが何も答えられないと一蹴するフロイド博士。彼の本当の目的は基地近くの地中から発見された巨大な黒い板を調査すること。フロイド博士達調査団が現地を訪れた時、400万年前から埋められていたとされるその板は太陽光を浴びて猛烈な異音を発し始める。
午前十時の映画祭での鑑賞。都合3回挿入される長いインターミッションに象徴される通り交響楽団の演奏会を聴きに来ているかのような優雅な空気感を全身で感じられるのでスクリーンでの鑑賞は大正解。あえてナラティブな説明をごっそり取り除いたソリッドな作風は幼い頃に観た時には意味が解りませんでしたが、年齢を重ねた今は『人類の夜明け』、『木星使節』、『木星そして無限の宇宙の彼方へ』という3つの章で展開される物語にすんなりと没入出来ました。スクリーンに映し出される映像が製作時から半世紀以上の時を経てもなお全く色褪せないのは当時の水準を遥かに超えたレベルまで作り込まれているからこそ。ダグラス・トランブルを筆頭に結集した特撮映像のプロ達が想像した世界観は初めて観た時と同等の驚きを呼び覚まします。作中では星間航行を実現しているパンアメリカン航空が2001年を迎えることなく消滅してしまっているといった致し方ない現実とのギャップがある一方で、疫病の発生が噂されるクラビウス基地に乗り込むフロイド博士の姿にバッハIOC会長の姿を重ねるとたちまちリアルな話にも見えてしまう辺り趣深いものがあります。
人類の進化とは殺戮の連続であることを無言で冷徹に提示し、高次の知的生命体との隔絶と融合を鮮烈に描いた本作そのものがモノリスとなって以降無数のSF映画に劇的な影響を与えたこともまた本作が描いた世界観と地続きであり、そんなメヴィウスの円環の中に人間の叡智を見つめ続けてきたSF映画の萌芽を見ることが出来たことに感謝しかありません。
個人的には本作とセットで思い入れ深いのが、同じく日曜洋画劇場で観たダグラス・トランブル監督の『サイレント・ランニング』。こちらもスクリーンで観ることが出来る日を待ち望んでいます。
映画館でみたことない。
かなり前に中学生の頃に見た。多分、いい映画とは思うが、難しい、意味が分からない、寝てしまうなどと言われてる中、映画館に足を運びたいが、何故か躊躇してしまう、不思議な力を持った映画。10時の映画祭での上映もあと4日。家で見るか映画館で観るか決めかねている。
最終日2日前にみてきました。なかなかでした。最近の宇宙ものを含め、スターウォーズ、未知との遭遇など、SF映画全ての原点がここにあった🤭。2010年も見ましょうー。
キューブリックは天才
午前10時の映画祭にて鑑賞。宇宙、AI、キューブリックは未来を見てきたのか、、、劇中会話もなくbgmと表情、映像のみのシーンが非常に多い。さはには内容も非常に難解でキューブリックにしか真には分からないだろう。こんな発想できるのはキューブリックしかいない。
オリジナルサイズで観ることは叶わないか
午前10時の映画祭にて鑑賞。
テレビでは何度か観たが映画館で観たいと思い鑑賞した。正直、あまり期待せず、途中眠いだろうなーと思って行ったが、だいたい正解でした。
そして初めて映画館でのインターミッションを経験。5分は短すぎ。座席で伸びをするのみ。
冒頭と終盤はダラダラ長い印象。ストーリーも意味不明。何か解釈を差し挟むべきかもしれないが、特に無い。
置いてけぼりを楽しんだ感じか。
宇宙なので音も無く人が死にスリリングなシーンが展開する恐怖。コンピューターの暴走は恐怖と共に将来への警鐘でもあるだろう。
インターステラの方が娯楽作として何倍も楽しめるが、元祖とも言えるこの作品は文化財的価値が大きく、楽しめる映画だ。
ただパノラマサイズで観れた人がうらやましい。普通の映画館ではやはり無理なのか。どこか地方自治体がパノラマや大型映画専用のシアターを作ってくれないかな。
50年以上前にここまで想像出来たのは素晴らしい
午前十時の映画祭11で観賞
月のクレーターの地中から謎の石碑が発掘され、調査に向かった。それから18カ月後、最新型人工知能・ハル9000型コンピュータ、を搭載した宇宙船ディスカバリー号は、木星探査に向けて航行していた。しかし、その途上でハルが探査計画に対して疑問を持っている事を話した。ハルの不調を疑い、いざというときはハルの回路を切断することを決めるが、カメラで唇の動きからその内容を知ったハルが反乱を起こすという話。
日本では1968年の初公開らしいので、53年も前にこんな未来を予想して作品を作ってたことに驚いた。でも、製作時から30年経っても実現できなかったのはやはり盛り込みすぎだったのかな。
現在AIによるチェス、囲碁、将棋などのゲームの他にもさまざまな分野でコンピューターに判断させる事が実用化されつつ有るが、依存しすぎない様にしないといけないという過去からの警告と感じた。
最後の20分だが、水族館のクラゲを見てるような映像やカラーの夢みたいな映像、欧米の居間での食事風景など、さっぱり意味がわからなかった。
もう一点注意ですが、intermissionになってもトイレに行く時間は有りません。5分も無かったと思う。気をつけましょう。
50年前の映画とは思えない。
1968年公開されたSF映画の金字塔。私が中学一年生の時、観たいと思った映画で、53年経って初めて全編映画館のスクリーンで見ました。中学生の時に見ていたら、特撮に感動するばかりで内容などは理解できないでしょう。65歳となって今、内容が理解できると思いました。
私はこの映画で言われいる地球外知的生命体は、神の存在を表していると感じました。キューブリックは人間の奢りを警告していると解釈しました。翌年にはアポロ13号が月面に着陸しています。その時の全世界のフィバーぶりを身を持って体験しています。科学の発達により、宇宙旅行も夢ではないと思いました。神ではない人間に完璧などありません。同様に人間が作った以上コンピューター(AI)が間違うはずもないなんて、人間の思いあがりです。HALは暴走を始め、乗組員を殺してゆきます。唯一生き残った木星探索船の宇宙飛行士は、ある人と対面します。それは年老いた自分とまた、死に際の自分です。時間を自由に超越しています。これは神しかできないと能力です。その前にいろいろな色に彩られたワープしている場面が現れます。これは臨死体験者が述べているトンネルを表現していると思いました。また、ここではビッグバンから宇宙が始まってことを暗示していると解釈しました。時間と空間を超越しているのは、神しかありません。地球外知的生命体が残した思われるモニュメントは記号や文字はありません。キリスト教の神は言葉によって語りかけるけど、文字ではないはずです。映画では磁気となっています。
冒頭、真っ暗なスクリーンに現代音楽が流れます。これは宇宙の音を流していると思います。それからR・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れます。原作はF・ニーチェで「神は死んだ」と唱えた人のです。現代哲学の出発点となった人です。
とにかく、美術スタッフまた音楽や音の取り扱いに感心しました。凄い作品だなと感激です。一度は、大きいスクリーンで体験すべきです。この映画は1968年キネ旬の第三位です。一位はなんだったのだろう。
上映されると必ず見に行く映画はこれだけです
最初に見たのは中学生の時、記憶が正しければ1969年です。東京まで見に行きました。
2回目は大学生の時で1979年
3回目は1980年代の後半
4回目は2001年
5回目は2015年頃
そして今回2021年です。
映画館で3回以上見た映画はこれだけです。
最初に見てから50年以上が経ちますが、未だに私の中では一番の映画です。
難解な映画だと言われておりますが、そんなことはありません。
キューブリックは”どう解釈しろと”言っていないように思うので、自分なりに解釈すれば良いだけのことです。
私の解釈です。
もし神や仏に形があるのであれば、映画の中に出てくる黒い石碑が一番近いのだと思います。
今までのインターバルからすれば、また10年くらいしたら上映されるでしょうから、生きていたら映画館に見に行きます。
映画の枠組みの再認識
映画とはストーリーを必ずしも完結させないでよいものなのだと再認識させられる。
未完結でも評価を高くせざるを得ないのはこの50年前とは思えない映像表現の緻密さへの称賛も含んでいる。
また、未完結は私見であり多くの方が推察されている通りこれはこれで一種の完結と言えるのかも知れない。
感想戦の長引く至高の一本であった。
芸術の域に達した名作
この映画を始めて観たのは、30年以上前になる。当時、60年代の作品とは思えないクオリティに目を奪われた。パーフェクトと思える無重力空間の表現。後に続いたSF作品は多数有るが、この領域まで達した作品は当時存在しなかった。クラシックを使ったBGMとの融合が更に芸術性を上げている。
ただ、難解なストーリーは複数回観ないと消化不良となる。しかし、それだけの価値が十分ある満点の映画作品でもある。歴史的な名作として永遠に語り継がれてゆくだろう。
一生理解できないくせに時々観たくなる(笑)
ということは嫌いではないんでしょうね(笑)! なんなんですかね~、難しいですよね~、みなさん本当にレビューでいい文章書きますよね、劇場パンフレットのコラムとかを読んでる気分ですよ(笑) 本当に僕は文章の才能がないんだな・・何書いていいかわからないんだから(笑)
子供の頃から何度も観ている映画だが、いつも答えを出せないでいて、...
子供の頃から何度も観ている映画だが、いつも答えを出せないでいて、2001年までに答えを見つければいいやと思っていると、いつのまにか2001年を迎えて5年が過ぎた。何しろ最初に観たときは小学生である。これは完全に人類の祖先猿の映画だと思っていた。フロイド博士がテレビ電話で娘と会話しているシーンで「欲しいものは?」「猿」と答えるのを当てたことに満足していたのだ。
伝染病説が多数を占める中で、月の探索を始めた宇宙飛行士たち。猿が見つけたモノリスをここでも発見するぞという予想もできたのですが、「するとあの猿たちは月に住んでいたのか?」とずっと悩んでいたものだ。
18ヶ月後、木星有人飛行計画ではHAL9000。故障したことがなかったのに故障の予知を誤ってしまう。フランクとデイヴが相談しても、ハルは読唇術を使うほど優れているし、コンピュータの恐ろしさを痛感しました。船外活動しているフランクを飛ばしちゃうし、コールドスリープ隊員を殺しちゃうし、きゃーです。
ラストのシークエンスでは、宇宙空間を彷徨い、豪邸で食事している老人・・・デヴィッド・ボウマン船長本人に出会い、それが彼の目線となり、ベッドに横たわる更に更けた老人を発見、そして目線がまた彼に乗り移り、やがてスターチャイルドとなる。そして目の前にはあのモノリスが不気味に立っている。この10数分間が面白いんだけど・・・
最近高画質のバージョンが話題になっていますが、まだ見てない・・・8Kの環境を構築するのも面倒だし金もない・・・
所詮、ヒトはヒト
神や仏と言う存在すらヒトが創り出した蒙昧な存在で
実は宇宙と言う空間も我々が勝手にイメージ共有した場所でしかないのではないかと思う映画である。
静動の使い分け、イメージの打ち出し方全てにおいて良い塩梅の作品。2001年宇宙の旅と言う能が観たいなぁ。と思ったw
何が何だか
はっきり言って、あまり内容を理解できなかった(理解するには、たぶん小説版の参照が必要だろう)。
だが、「理解できない」と「面白くない」は近くにいるようで、実際は少し離れた位置にいる。
この作品は上手くそのスキマをついて、「理解できない」を「面白い」とつなげてくれた。
2001年を過ぎてもなお未来を示唆する映画
SF映画の傑作と聞いていながら、今まで観ていなかった「2001年宇宙の旅」
今、観ても新しく難解で衝撃を受ける映画だと思う。
まだ、人類が月にも行っていない時に ここまでの映像が出来上がることが、まるで、50年先の未来を見て知っているかのように感じる。
そして、まさにやっとAIが、出来上がってきた今見ると(それでもまだ、ここまでのAIは、出来ていないけど)
これから直面することに向き合っているようで、本当に怖い。
なんとも不思議な魅力がある映画
ストーリーが難解過ぎてついていけなかったが、宇宙空間の無重力状態をワンカットで長回し、そこにゆっくりとしたクラシック音楽を重ねてくるあたりは流石の演出。宇宙開発が進んでいない1968年に制作されたとは思えない想像力に只々脱帽。
モダンアートのような特撮大作
1968年公開作と知って驚く。技術も内容も斬新。人物の描写より状況の描写に圧倒的に重点を置いており、セット、画面の構成や色彩の美しさに目を見張る。
ストーリーは観る人の想像に任されている。ツルッとした黒い大きな石柱が現れると人類の歴史に何かが起きる。登場人物があまり喋らない。そんな中、第三幕ではAIだけが饒舌になっていき、恐怖感が醸される。そして有名なラストの画面。
徹底的に無駄を削ぎ落とすことで社会へのメッセージ性を際立たせる、現代アートのような作品だと思った。
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