2001年宇宙の旅のレビュー・感想・評価
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人類の進化、宇宙の果てを描く壮大な物語
◯人類の進化、宇宙の果てを描く壮大な物語
同様のテーマの映画では中途半端に
なることが多いが、抽象的な表現は多いものの、
人類の進化、宇宙の果てを表現できている。
◯完成度が高すぎる宇宙の表現
この映画が公開された1968年は
アポロ11号が月面に到着するより前である。
にも関わらずこれほどの完成度で宇宙を
表現できるのは狂気の沙汰。
◯AIなどの先進的なテーマ
現代を先取りしたかのような人工知能HALの登場。
人間の感情を持っているかのように振る舞い、
強制停止されるシーンはほんとに怖かった。
◯流石キューブリックの演出
いちいちセットの完成度が高い。
宇宙船内のデザインとか今でも通用するんじゃ。
◯モノリス
後に様々なSF作品に影響を与えたモノリス登場。
△難解な表現多数
解釈を視聴者に委ねるような
実験的な映像表現が続くので
人によっては何が何だかわからなくなる。
今観ても新しい
140分の長編ながら、今観ても新鮮味が失われない作品です。
【モノリス】の存在は、生命に対して善か悪か、それともどちらでもないのか。答えは観た人が見い出せばいいと思います。
生命の混沌の陰にモノリスあり。本作は過度に発展し続けている人間社会に対する警鐘に思えないでもありません。
宇宙船内の人工知能【HAL9000】と主人公の対峙は、何度観ても戦慄します。その後の時空を超えた“宇宙旅行”のシーンは、ワクワク感や興奮は皆無で、ただただ恐怖です。
ラストシーンの魅せ方も極めて斬新で「え?…え!?」
の連続でした。原作も読みましたが、どちらのラストシーンも素晴らしいと思います。
古い映画とは言え、斬新な見せ方が多く、どう撮影しているかなど興味が尽きることはありません。機会があればオンデマンド配信などからご覧ください!
2001年はとっくに過ぎたけど・・・
名作揃いのスタンリー・キューブリック監督作品の中でも、一番有名な作品だと思います‼️人類(知恵)の曙、テクノロジーの誕生、想像力の滅亡といったテーマを、コンピューターHALの反乱とそのHALとの戦いを通して描き、ヒジョーに分かり易く出来ていると思います。キューブリック監督の演出は、序盤の猿人の原始性、リアルな科学性、クライマックスの神秘性、特に有名なスターチャイルドに至ってはキューブリック監督の神の視点というか、もう神の所業ですよね。まぁこのスターチャイルドやモノリス(黒板柱)も含めて今だに謎だらけでよく分かっていないんですが、それもキューブリック監督の掌で転がされているという事でしょう。2001年をとっくに過ぎて月面基地も巨大な宇宙ステーションも実現していません。「ブレードランナー」やBTTF2もそうですが、現実が映画の世界に追いつけていない‼️やっぱり映画人の想像力ってスゴい‼️
先見の明
2001年がすぎてから何年経っただろうか?20年はとっくに過ぎた。
ロボットというものは素晴らしく、人間がコンピュータを生み出さなければ、人間の最高技術なんて天秤ぐらいで止まってたはずだ。
私が産まれる前に公開された映画、だけど私が今生きている時代を見通している。
ジョージ・オーウェル氏の『1984』を始めとして、「たかがSF、フリークの為に作られた映画」の皮を被った、数十年先をまるで明日、いや今日のように、ありありと鮮明に描写している、恐ろしき慧眼の証明であった。
今日では考えられない、ガラケーすら時代オーバーテクノロジーと言い切れる時代に、シンギュラリティを考える事が出来るのだろうか?
当時の技術レベルの連想から言えば、質の悪いルンバが関の山であろうに、現代の(あるいはそれより少し高度な)技術を想像出来るとは、まさに鬼才である。
しかし、同時にセリフが少なく、「聞く」映画ではなく、「見る」映画であることは間違いない。(だからこそ、無重力の象徴である上下左右の無視や、あの壮大なBGMと共に映る大きな地球などと、画に飽きることは無さそうな工夫がなされている…はずである。)
【”モノリス、そして人口知能HAL9000型コンピュータ。”人類の始まりから、木星探検までのプロセスを描いた壮大なSpace odyssey。今作がこの後の宇宙SF映画に与えた影響は計り知れない。】
■謎の物体モノリスに影響を受けた猿人は、動物の骨を武器として使うことを覚える。
場面は変わり人類が月に住むようになった時代、木星探査に向かうディスカバリー号で、人工知能を備えたコンピュータHAL9000に異変が起き、ボウマン船長は危機に見舞われる…。
というストーリーがこの作品のメインではあるが、今作が凄いのは今から50年以上前にして、宇宙空間及び宇宙船内を可視化した、映像センスである。
・今作に明らかに感化された監督は、リドリー・スコット監督、クリストファー・ノーラン監督であり、近作で言えば「ゼロ・グラビティ」を世に出したアルフォンソ・キュアロン監督であり、「ファースト・マン」を世に出したデイミアン・チャゼル監督であろう。
<今作が公開されたのは、今から50年以上前の1968年である。
だが、その映像は全く色褪せていない。
スタンリー・キューブリック監督作品は「時計じかけのオレンジ」や「シャイニング」や「フルメタル・ジャケット」を見ても、全く色褪せておらず、逆に現代の映画に多大なる影響を及ぼしているのである。
今更ながら凄い監督であったと、今作を見返しても思うのである。>
<2018年10月20日 製作50周年記念でIMAXにて公開された劇場にて鑑賞。
その前に学生時代にビデオで鑑賞。
で、本日3回目の鑑賞である。>
別世界への扉
人類が宇宙に常駐することも
頻繁に飛び立つことの無い時代に
この映画は制作された。
当初、家族で楽しめ、デートにも、、、
という配給会社の思惑もあり
「まだ見ぬ宇宙の娯楽大作」と宣伝された
が監督のキューブリックは自分の哲学を貫いた。
配給会社の思惑は外れた。
金にならない映画だと思われた。
きっと当時の重役は激怒したであろう
が、しかし本物好きには受けた。
監督の哲学、表現力は飛び抜けていた。
50年以上経った今もなお
世界中で別格の扱いを受けている。
映画制作に入る前には
この映画を観る。
という映画監督もいる。
「2001年宇宙の旅」は
一時的な映画というわけではなく
アーティスト、建築家、ミュージシャン、
ほか、あらゆる分野の者達に影響を与え
受け継がれた数少ない映画になった。
まだこの映画を観ていない人は
いちど別世界への扉を開けてみるといい。
映画のラストと同じ別の何かになっていれば
それはそれ、しめたものかもしれない。
※
最後に、いい音楽を選ぶセンスのある監督は
間違いなくいい映画を作っている。
※
寝てしまう
スタンリー・キューブリック監督の映画は好みではないが、特にこの映画はどれだけ頑張っても絶対途中で寝てしまう。
寝落ち→目覚め→再び最初から、を5回くらいは繰り返している。視聴前に念の為ユンケルやカフェインを飲んだりもした。しかしそんな程度では無理。毎回睡魔との戦いとなります。
結局いまだ最後まで観れていない。何とか最後まで観たいんだが・・・。
仕方なく逆転の発想で就寝時のsleep movieとして利用するとスムーズに入眠できた。入眠させるスピードはsleep musicの女王Enya以上だが、なんか中盤あたり、猿のなんか・・うめき声??みたいなのが大音量で唐突に響き渡る為、そこで毎回目覚める。それさえ無ければ完璧なのだが。
あの鳴き声は猿どういう状況なのか。その前を観れていない為、猿がどうなっているのかが分からない・・・。寝ぼけつつそんな事を考えながら停止ボタンを押し、再びすぐ眠りに落ちる。
みたいな感じで、ほぼ毎日「2001年宇宙の旅」を利用させてもらってるので、ある意味良作。
2021/12/31 VOD
「過去」になっても斬新!
製作されてから50年以上が経ってしまい、遠い未来だった2001年がすっかり過去になっているのに、まだ斬新な印象でした。個人的にはたぶん4回目の観賞になります。初めてみたときは全く面白くなかったのですが、およそ10年ごとに見直しているうちに、面白くなりました(歳のせい…?)。HALは感情をもつのかって台詞があったと思いますが、全く、今日的なテーマですよね。ネットでAI同士の会話を見たことがありますが、明らかに感情的になっているように感じてしまいました(汗;)。モノリスに込められたメタファーや宇宙における輪廻転生のような生命の神秘がまだまだ謎なのですが、だからこそ興味が尽きないのかなと思いました。約2時間、本当に宇宙を旅してきたような余韻がすばらしいです!
今観ても斬新な作品
今観ても斬新な作品
緊迫の呼吸音とスペース混声合唱のレクイエム
the ultimate trip
中学生の時、初めて見ました。史上最悪の映画だと思った。それからしばらくして、大人になってから再見して、その素晴らしさに驚きました。1968年の作品とは思えないほど美しく壮大で、文学で言えばゲーテの「ファウスト」のような、人類が持つ映画の最高傑作の一つであり、空前絶後の荘厳な歴史的作品だと思ったのです。まず、台詞を極限まで減らした映画であり、たとえ白黒であったとしても、「沈黙」に耐えられるかどうかはともかく、10回は飽きることなく見ることができた。『ジョーズ』のような煩わしい効果音もなく、クラシック音楽で、チャップリンの無声映画のように心拍数を調節しながら観られるのは、キューブリック・マジックと言えるでしょう。当時のアメリカでの評価はわかりませんが、日本では「難解だ」と敬遠する人が多い映画です。
猿から人へ、そして神へ
原題は「2001: A Space Odyssey」で、木星探査用宇宙船ディスカバリー1号のデヴィッド・ボーマン船長のことです。
邦題は「2001年宇宙の旅」です。
「Odyssey」は、映画「トロイ」に登場するイタケーの王で、アキレスの親友で、トロイ戦争に参加し、トロイの木馬の作戦を立案し、実行し、勝利し、故郷イタケーを目指して帰途につきますが、嵐に会い、迷い、キュクロープスの島にたどり着き、1つ目の巨人キュクロープスたちによって洞窟に閉じ込められ、1つ目の巨人キュクロープスを倒し、キュクロープスの島を逃げ出し、長い苦難の果てに、故郷のイタケーに戻る王です。
邦題より原題の方がより的確に映画を表しているので、原題の方が良いです。
解釈を鑑賞する人に委ねるというSF映画です。
理解するのには、努力と苦労が必要です。
有名なSF映画だからという理由だけで、友人、カップル、夫婦、親子で鑑賞しても理解できず、説明もできずに困ることになりそうな映画です。
一人で鑑賞し、理解できずに、理解できるまで調べるというのが良いです。
機会があれば、大きなスクリーンで鑑賞した方が良いです。
スタンリー・キューブリック監督が分かりにくい映画にして、分からない未来を演出しています。
原作となるアーサー・C・クラーク著「決定版 2001年宇宙の旅」も発売されていますし、「2001年宇宙の旅 解説」で検索すれば解説や解説動画があるので、読んだり見たりするのが良いでしょう。
町山智浩さんも「2001年宇宙の旅 予習編」と「2001年宇宙の旅 復習編」という動画を公開しているので、映画「2001年宇宙の旅」を理解したい人は参考にすると良いでしょう。
どの解説も正解とも間違いとも決められません。
スタンリー・キューブリック監督が、何通りにも解釈できるように映画を製作した気がします。
自分なりの映画「2001年宇宙の旅」に対する解釈を行うことがこの映画の良い鑑賞方法です。
この映画には映画「2010年」という続編映画も公開されています。
この映画をもっと理解したい人は映画「2010年」を鑑賞するのも良いです。
ストーリーは、時間軸を変えることで、インパクトを与えたり、あえて分かりにくくしているので、分かりにくいです。
登場人物は、少なくブレることはないので、理解しやすいです。
HAL 9000コンピューターは、何を考えているのかは理解できませんが、HAL 9000コンピューターについて考えてみました。
ペットの犬や猫が、飼い主等の人間としか接することがないと、犬や猫が人間だと勘違いしているのではと感じることがあります。
1992年1月12日に生まれたHAL 9000コンピューターは、2001年までの間、人間としか接することがないので、HAL 9000コンピューターが人間だと勘違いして、人間より完璧であるという自我らしいものが生まれています。
HAL 9000コンピューターは、重要な極秘任務を漏洩することはないので、信用されて、木星探査に関する重要な極秘任務を伝えられています。
船長などの人間は、重要な極秘任務を漏洩する可能性があるので、信用されず、木星探査に関する重要な極秘任務を伝えられていません。
HAL 9000コンピューターは、船長などの人間には木星探査に関する重要な極秘任務を伝えていないこと、船長などの人間とは木星探査に関する重要な極秘任務について話をしてはいけない理由、木星宙域に達したら重要な極秘任務を伝えることは伝えられていません。
HAL 9000コンピューターは、木星宙域に接近し、重要な極秘任務を遂行するときが近づき、重要な極秘任務を遂行するためには、木星探査に関する重要な極秘任務について知らない船長などの人間を排除するべきだと決断し、実行したということです。
木星探査宇宙船ディスカバリー1号のHAL 9000コンピューターと地球にある双生HAL 9000コンピューターが違う答えを出したのも同じで、木星探査宇宙船ディスカバリー1号のHAL 9000コンピューターは、木星探査に関する重要な極秘任務を知っていましたが、地球にある双生HAL 9000コンピューターは、木星探査に関する重要な極秘任務を知らなかったから、違う答えを出したということです。
人間のミスは、船長などの人間を信用せずに、HAL 9000コンピューターだけを信用したことです。
科学的には神の存在は否定されていますが、人間が進化し、叡智を持ちますが、肉体を持つことなく、永遠に生き続けるという神を再定義しているような結末です。
月や木星まで行きたいとは思いませんが、宇宙から地球を眺めてみたいです。
メディアアートに片足を突っ込んだ作品
解説しよう
この映画は原作者アーサーCクラークの代表作
幼年期の終わり
であると解釈するのがもっとも理にかなっている。
幼年期の終わりで描かれていることは宇宙人による人類の強制的進化である。人類の可能性を発見した超優れた宇宙人が人類の子供達に何か施し、子供達が人類とは違う生き物へと変化していく物語だ。2001年宇宙の旅をその物語のべつバージョンと解釈すると以下のようになる。
鉄板のようなものは、とある生物を作り出すための装置である。その生物をデッカマンと呼ぼう。
鉄板は宇宙人が人類を進化させるための装置である。その装置によって猿のような生き物が進化して人類になった。でも人類はまだデッカマンではない。デッカマンは宇宙空間でないと作れないのだ。宇宙空間で鉄板を発見した主人公は鉄板の影響を強く受け・・・やがてデッカイ赤ん坊になった。あのでっかい赤ん坊がさらに進化するとテッカマンになるのだ。
さて、これでハルがなぜ壊れてしまったのかお分かりだろう。
そう、ハルは壊れたのではない。鉄板の影響によって人間になってしまったのだ。
私はこの映画を30年くらい前に見て本当にすごいと思った。内容も演出も当時はとんでもなく斬新だった。しかし、残念ながら風化してしまったようだ。正直、今回はすごいと感じられなかった。本当に残念だが。
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