劇場公開日 2018年10月19日

「わからない、わかろうとしない、態度で観ればすごく面白いですよ」2001年宇宙の旅 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0わからない、わかろうとしない、態度で観ればすごく面白いですよ

2025年1月10日
PCから投稿

いつの世も難解のものを有難がって、わかったようなフリをする人間が如何に多いことか。
つい数十年前まで、この作品について難しい顔して難しい話をするのが「賢いオレ」「映画通なオレ」の踏み絵でしたが、昨今のSNSの普及によって単純に「何これ?わからん、アホくさ」という至極まっとうな評価が席巻して全くご同慶の至りです。

別に難解ではありません。原作者が解説用のナレーション台本まで用意したのに、キューブ親分が「ネタばれカッコ悪いし」って削除しちゃっただけです。要するに理解できないのが正常、わかったような顔してる人は、錯覚しているか、事前にヒントを知っていたか、大嘘つきかのどれかです。

WIKIに原作の解説の要約が載っているので興味があれば観る前でも後でもどうぞ。

というわけで理解できないのが当然なので、それをわからん、けしからん、と言ってオミットしてもそれはそれで正しい評価ですが、理解することは諦めて、つまり理解しようなんて考えず(考えても無駄だし)純粋に前衛的な映像美として鑑賞すれば、なるほどこの時代に何と革新的な「カッコイイ」作品であるか、なかなかのものであります。

本日、20年ぶりくらいに3-4回目ですが、何といっても未来を題材にしたSF作品は製作から数十年経過すると野暮で時代遅れな代物になり下がりますが、これに限って言えば全く現代でも通用する驚異的なデザインセンスです。

音楽の使い方がこれほどハマった作品も空前絶後、オープニングとエンディングは「鳥肌」っていう言葉の説明にこれほど適した用例はないでしょう。

追伸 途中のブラックアウトとかTVの砂画面みたようなシーンは早送りすればいいです。別に意味ないし。

越後屋