「『リアリティ』 の奇跡」2001年宇宙の旅 検非違使さんの映画レビュー(感想・評価)
『リアリティ』 の奇跡
子供の頃から通算すると、もう何度見たか、カウントできません。
つい最近も、iTunes Store で発見してしまって、つい購入してしまった…
私の中では、この映画が最高の作品なのです。
もちろん、いま見ると突っ込みどころ満載なのですけど、1968年ですからね。アポロ11号の打ち上げの前の年ですから勘弁して下さい。
この映画を解釈したいひとにオススメするのは、アーサーCクラークの「幼年期の終わり」「都市と星」など、10億年オーダーの時間スケールで描かれた作品を読み込むことです。本の「2001年宇宙の旅」は映画のあとに作った作品なので、ちょいと説明的でクラークの絵描く宇宙像には接近しにくいです。
クラークの世界にどっぷり浸かれば、なぜこの映画が、このような重厚さで作られたか、その必然が理解できると思います。
商業的成功を度外視したこのリアリティの追求。観客に一切媚びない、説明なんてしねーよ、自分で考えろ!と言わんばかりの態度。なにもかも理不尽ですよ、それは認めます。
スターゲートからスターチャイルドまでの流れは特にそうですが、でもこの作品を1回見て、「わかんねー」って、そりゃ当たり前です。説明する気がないんですから。
この映画は存在していることが奇跡だと思うんです。
当時は作れた(でもキューブリックならば限定)。
でも、今の時代には作ることが許されない作品なのではないでしょうか。
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