童年往事 時の流れ
劇場公開日 1988年12月24日
解説
中国から台湾に移住した“外省人”である阿孝の両親は、『大陸反攻』(本土の争奪)を信じながら、相次ぎ病死。祖母や兄姉と暮らす阿孝は荒れて事件も起こすが、様々な体験を経て成長し、やがて両親たちとは違う“台湾人”としてのアイデンティティを確立していく。台湾激動の50~60年代を舞台に、一少年の目を通して台湾史を個人的に語っていく侯監督の自伝的作品。
1985年製作/138分/台湾
原題:童年往事 A Time to Live and a Time to Die
スタッフ・キャスト
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2021年10月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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侯孝賢を観るのは『冬冬の夏休み』に続いて2作目。青春四部作ということで、日記のように、出来事があたたかく羅列される。戦後台湾の日常が、もわっとした空気感とともにありありと感じられて、とりわけ、自然光の表現がとても心地よかった。
屋内の生活の撮り方や、セリフまわし(一人ずつしゃべる)に小津らしさもあった。
あと、自伝的作品あるあるだが、登場人物が多すぎて途中から誰が誰やらになりました。
印象的だったシーン
・お母さんが作る料理や、サトウキビを皆で齧る姿が美味しそうだった。
・おばあちゃんと散歩がてら、かぼすみたいな大陸のフルーツを集めるシーン。遠くから歩いてくる二人をロングショットで撮る構図は凡庸に思えたけれど、一番印象に残った。
・豪雨の中アハが窓枠に腰掛けて大声で歌うシーン。
2018年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
台湾の映画は、あまり見ないが、以前エドワード・ヤン監督作品「台北ストーリー」が懐かしく、今回は侯孝賢監督作品を拝見した。アハという青年の成長を通して描いた作品。これも「台北~」と同じく、上映時間が長かった。アハの成長を淡々と描いたものであった。彼の作品に、小津を敬愛した作品があると言われるが、この作品においても、カメラワークと言い、カメラの被写体においては、いわゆる「小津の香り」というものが感じとれた。特に、子供の演技から感じ取れたような気がする。退屈させないドラマの運び具合といい、作品の流れが心地よいものに仕上がっている。
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