「ずっと気になっていて、今やっと見れたキューブリックの傑作!」時計じかけのオレンジ Sign3121さんの映画レビュー(感想・評価)
ずっと気になっていて、今やっと見れたキューブリックの傑作!
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その暴力描写や救われないストーリーなどで有名で、見たいけどなかなか見れず、結果、あれこれ調べすぎて、ほぼ内容がわかってる状態で初見という、自分には珍しい形での鑑賞だったのだけれど、すべて知っていても有り余る、その完璧なまでのスタイリッシュさと今にも通じる問題提起の凄みなど、感嘆しかなかった。
昔から今も絶えることない凶悪犯罪は、その犯人の気持ちなどどう考えても理解できないのだけれど、アレックスが「雨に唄えば」を鼻歌交じりで非道な犯罪を行うシーンからの、出所後のバスタイムの快楽・リラックス・快感を味わってるその時にも同じ「雨に唄えば」を歌うことで、自分の中に戦慄が走った。こんなに気分で快楽犯罪を!!と。本当に恐ろしいシーンをさり気なく描き切るとは…!
また、左右対称の美しい場面を映した次の瞬間にアレックスたちが静寂を破っていくなど、そういう描き方がまさにキューブリック。
良い家族のように見えて、子どもにまるっきり無関心で愛の足りない両親。
書き出せばきりがないくらい、アレックスの全てを丁寧に描ききり、ラストシーンへと向かう。確実に戻ってしまったであろう質問に対する回答に、笑顔で「回復してるわね」というナース。そしてあの表情…。何もかもが完璧。
アレックスを演じるマルコム・マクダウェルもすごい。この作品の人気の高さは、キューブリックとマルコムのケミストリーで仕上がってるのだなと痛感した。すごい映画もあったもんだと今更ながらに感動した。
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