「人類への警鐘」時計じかけのオレンジ かずひくんさんの映画レビュー(感想・評価)

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時計じかけのオレンジ

劇場公開日 1972年4月29日
全99件中、26件目を表示
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人類への警鐘

超がつくほどに賛否両論が分かれると噂の「時計じかけのオレンジ」をついに鑑賞しました。

まず初めに感じたのは、女性でこの映画が好きな人はなかなかいないだろうなということです。。。
R-15指定ということもあり、暴力描写、性描写の連続。
音楽や映画全体の雰囲気がかなり凝っていてスタイリッシュなおかげで、多少の緩和はされるかもしれませんが、それでも無理な人には徹底的に拒否反応を示されてしまうのが本作品だと思います。(特に女性に)
また、それらの描写に拒否反応を示さず最後まで観ることができたにしても、鑑賞中、「面白い!」「最高!」などといった肯定的な感情を抱くことにはかなりの抵抗をおぼえます。(そのような感情を抱く自分自身のことが精神的に心配になる。)
簡単に言えばそういう類のかなり癖のある映画です。

では、なぜ僕が好評価をつけたのか。それはこの映画が究極の社会風刺映画だと思ったからです。国家、権力者、犯罪者、もっと言えば、人類への警鐘を鳴らしている映画であると言っても過言ではないかもしれません。

罪のない人々に暴力をはたらくという決して許されない罪を犯し続ける犯罪者に対して、それ以上の暴力を振りかざして拘束する国や権力者。良いように言えば「目には目を...」かも知れませんが、これじゃあ暴力を否定したいのか肯定したいのか分かりません。転じて、「結局何が正しくて、何が正義かなんて誰にも分からないよね。」とも捉えられると思います。

映画の前半、誰が見ても残忍だと感じるであろう暴行行為、犯罪行為を淡々と繰り返す主人公。しかし、後半になると、一転してその主人公が精神的にも身体的にも追い詰められ、窮地に立たされます。映画の前半では彼に対し怒りを抱いていたはずが、後半は、少し可哀想とさえ思ってしまいます。この複雑な感情を抱かせて悶々とさせることも、製作者の一つの意図だったのではないでしょうか。

断じて犯罪行為を肯定する訳ではありませんが、「機械的な(時計じかけの)人間にならず、もっと開放的に自分を出してみろよ。」「もっと開放的に自分を出せる世の中を作っていけよ、21世紀に生きるお前ら。」そういった力強いメッセージ性を20世紀から今を生きる僕たちに発信してくれているのではないかと感じました。

本作は、ただただ嫌になるほどのバイオレンス描写にうんざりし嫌いな映画だと感じる人もいれば、それを差し引いても、芸術性や、オシャレさの素晴らしさに感銘を受け、好きだと感じる人もいる。はたまた、芸術性やオシャレさは認めるけれども、何が伝えたいかさっぱり分からないので嫌いと感じる人がいれば、深く洞察してそのメッセージ性に惚れ込み、感動し、好きと感じる人もいる。全員が正しいと思います。間違いなんてありません。賛否両論も当然です。ただ、大事なのはその持論、感情を他人に流されず持ち続けることだと思います。時計じかけのつまらない人間にならないためにも。

かずひくん
さん / 2017年5月15日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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