デッドゾーンのレビュー・感想・評価
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Another Satisfying Cronenberg Joint
A Cronenberg film based on Stephen King material turns out to be a wildly apt combination. A series of bizarre events led underlined by a simple future-reading premise, dissentingly a potential atomic bomb. A thriller like no other really. Walken plays a role you might not be used to seeing him as. Aged like a fine wine, but quite fresh in this nightmare political climate we live under.
視えてしまうのも良し悪し
スティーブン・キング原作の触れると“何か”が視えてしまう男の話。
視えてしまうが故の主人公の切なさが沁みる作品。
主人公がデヴィット・ボウイに見えて仕方がなかった…。
100分少々の尺なので観やすいです。
能力者に課せられた切ないストーリー。
本作品は、クローネンバーグ作品にはまるきっかけとなった大好きな一本です。
交通事故に遭い、深い昏睡状態から目覚めた時、まわりの状態が一変していた。五年の歳月が流れ、愛する女性は他の人と結婚し既に幸せな家庭を築いていた。絶望の中、浦島太郎のように困惑していると自分に不思議な力が備わっている事に気付く。触れたものの過去や未来の映像がヴィジョンとして見え、自分が行動することによって未来を変えることができるのだった。
原作者のスティーブン・キングもこの映画作品には満足したらしいです。
2時間弱という枠の中に、話を収めるのだから大変な事だと思いますが、そこはクローネンバーグ監督、見事に切ないラブストーリーとして自分の胸には飛び込んできました。
愛する人は自分とは違う場所で幸せを見つけた。特殊な能力に目覚めた主人公は人々を救う事に生き甲斐を求めようとする。しかし、そこに本当の幸せがあるのだろうか?苦悩の中で、この世界を破滅させようとする人間を見つけた。
愛する人を守るため、決死の行動に出て、目的を達成した事に満足して死んでいく彼の中に、幸せな彼女を見ないで済む別世界へ旅立てる安らぎを感じたのは自分だけでしょうか?
クローネンバーグ作品には、「フライ』のようなホラーにしても、『クラッシュ』のようなちょっと変な映画、そして本作のようなSF要素を含んだ作品にしてもその根底に流れている男女の恋愛の切なさを感じます。
奇抜な映像やバイオレンス描写が話題になっている監督ですが、それよりも自分には心に訴えかける強い何かを感じさせてくれる作品群だと思っています。
「デッドゾーン」はテレビシリーズ化され、自分も第5シーズンくらいまで見た覚えがあります。
こちらでは、恋人の子供が実は自分の子で、旦那さんの警察官と共に、事件、事故に関わっていくものでした。より人間関係も複雑になっていて面白かったです。
キャリーどえ~す
子供の頃、同名のファミコンディスクゲームがあったが、
おそらくそれの原作であろう作品。
「キャリーどえ~す」とか言うロボットは原作には出ていなかったw
大量殺人(この映画の場合は、将来核戦争を引き起こす大統領)をする人が
予知能力によりわかっていれば、その人を殺すのか?というテーマ。
主人公は殺す方を選ぶ。だが失敗して自分が死ぬ羽目に。
それが原因で大統領は失脚し、結果的には目的を果たせたが・・・
彼女との縁
居眠り運転による事故に巻き込まれ、5年の昏睡状態を経て超能力を身に着けてしまう主人公。この先、果たして幸か不幸か、S.キングだから不幸の展開かな・・・そう思いながら鑑賞。
5年もの間に、結婚するつもりだった彼女が別の男と結婚してしまうのは仕方ない気もする。自分だったら5年待てるか・・意識が戻っても体調そのものが良くなるとは思えない、死ぬかもしれない、ずっとこのままかもしれない等々・・そうなると本能的に仕方ない気もする。とか考えてたら、事故の責任は私にもあると思ったのか、回復したもんだから「関係」を持つ・・・もし自分が旦那だったら仕方ないことと思えるか複雑な心境でした。
しばらくメロドラマ状態だったから再び超能力はいつなのか?と冷静に観てました。
浅い考えかもしれませんが、一度は断った警察の協力を引き受けたのは、元カノが振り向いてくれたから気持ちに余裕が生まれての行動に思えた。それなのに暗殺計画も元カノへの思いが重なる皮肉さ。せっかくいい思い出として捉え、人助けをして人生が好転してきたのに・・・。良くも悪くも彼女との縁が大きく関わる展開。
色んな人を助けたけど、結局自分は死んじゃうなんて可哀そうな人生でした。2度も死ぬ苦しみを味わうなんて・・・。
マーティン・シーンが登場してからはSFというより単なるサスペンスに思え、話の流れを結び付けるため強引に手を握る演出に感じちゃって段々つまらなくなった。スリルや盛り上がりが半端な印象。
悲しきサイキッカーの物語。
勧められアマゾンプライムビデオで鑑賞。
クローネンバーグ作品を見るのはフライ、ビデオドローム、スキャナーズに続いて4作目。
一見すると地味な印象ながら、一本の映画として無駄なく纏まっていて面白かった。
まず何と言っても目に留まるのは、そのオープニングのクールさだ。
印象的なタイトルロゴの表示。
若きクリストファー・ウォーケンの登場。
今後の展望を予感させる恋人とのデート。
彼の人生を大きく変える事故の発生。
昏睡状態からの目覚め。
…とここまでを僅か10分で描き切る。
怒涛の展開にあっという間に惹きつけられた。
クローネンバーグ映画というとバイオレンス描写が衝撃だが、本作はそういった表層的要素を超えた深い魅力に溢れていた。
人間ドラマ、SFとして実に硬派な内容であり。原作がスティーブン・キングというのも頷ける。しかしこれをビデオドロームと同時並行で作ってたというのだから驚きだ。
主人公を取り巻く環境の変化。
彼自身の精神の変化。
これらがストーリーの中核となるわけだが、これは"肉体の変容"を描いてきたクローネンバーグだからこそ丁寧な描写に成功したのだと思う。
彼にとって肉体の変容も精神の変容も同一のテーマなのかもしれない。
主人公役はクリストファー・ウォーケン。
彼の若く悲しげな佇まい、どこか不健康そうな中にも見える信念。物言わぬ彼の存在感が、本作の切ないストーリーをより印象的なものにしているのは確かだろう。
本作が残酷なのは、未来に起こる惨劇を見通す事が出来ながらも、それを阻止するには自分自身が行動を起こすしかない点にある。
そしてその行動にはリスクが常に付き纏う。
もし自分にそんな能力が備わっていたら…そんな事を想像せずにはいられない。
中々出来の良い佳作
クリストファー・ウォーケンの悲しい笑顔が印象的な良い作品です。
事故で超能力を得た主人公が、その能力故におちいる苦悩を描いたスティーブンキングの小説の映画化です。
基本的には原作を良く再現していますが、ラストでグレッグが恋人サラの赤ちゃんを人質にする(原作では一般人の赤ちゃん)という改変と、尻切れトンボなのは全くいただけません。
原作にはデッドゾーンからの手紙というチャプターがあって、ジョニーの死後になぜグレッグを暗殺しようとしたのかという説明をした手紙がサラに届き、全てを知ったサラが彼の墓を訪れて悲しく微笑む彼の幻を見て終わります。
映画の唐突に終わる終わり方だと何故あんな事をしたのかサラには分からないし、彼女にとってはジョニーはただ気が狂ったとも取れてしまいます。ミストと一緒で原作の一番重要な幕引き部分を無視した、最悪な改変です。
取って付けたような色取り取りに光る核ボタンも、古いSF映画といった感じで時代を感じて安っぽくて厳しいです。
そういったこの映画の欠点を知った上で見てもらいたい映画ではあります。
予知能力
古い映画とのことでドキドキしながら鑑賞。
サイコメトラーで触れた人、物の現在未来過去を見通す主人公。
別の男性とくっついてるのに主人公に近付くヒロインにおいおいとなりつつ、そのヒロインのお相手が未来の地上を破滅させる政治家なんていう結構上手く出来すぎてるストーリーだけど結構あっさりしてて楽しかった。
監督と原作者と主演と悪玉の役者二人の強い癖
恋人だった彼女が"特別な日"と最期には"愛している"って、良く出来た理想とも取れる女性像。
グロい特殊効果を発揮せずにクローネンバーグがドラマ性の強い演出を、題材にしてもピッタリで原作はスティーブン・キングと、相性が良さそうな二人でもある。
ライフルの弾が落ちる場面と、変えた先の未来を見せる映像が好み。
悲しい物語ではあるが、悲観的にはならないような、もっとスケールを派手にしてリメイクされたら、本作は少し淡々と過ぎる呆気なさが。
クリストファー・ウォーケンの魔力✨
アカデミー助演男優賞を「ディア・ハンター」で取って以来、クリストファー・ウォーケンは個性的な役が多かったけれど、この作品では冷たく美しい顔立ちが悲劇的なストーリーを唯一無二なものにしていたと思う。
カナダの美しい景観と、情感豊かな音楽も素晴らしかった。
30年ほど前に観てからDVDも購入、もう何回見たか分からないほど好きな作品です。
けっこうよかった
サイコメトラーのクリストファー・ウォーケンがまだ若くてまだあんまり怖くない。
元恋人が人妻になっていて子どももいるのにやたらと接近してきて惑わすので、わざとやってるとしたら相当悪質だ。
主人公に家庭教師の生徒がなついてくれるのが嬉しかった。
クローネンバーグにしては癖がなくてクライマックスは盛り上がるし、結末は切なくて丁寧な構成だった。
誰にも見えず抗えない未来という死角(デッドゾーン)
勝手にキング原作映画特集その6。
今回は『デッドゾーン』。
ドラマにもなってたし、タイトルをご存知の方も多いのでは。
交通事故で5年もの間昏睡状態だった男、ジョニー・スミス。
彼が眠りから覚めた時、結婚を約束していた恋人は
彼の元を去り、両親は年老い、そして彼自身は……
『触れたものの過去や未来が見える』という
人間離れした能力を身に付けていた。
5年の歳月で失ったものの重さと、自分を
化け物扱いする周囲の視線に苦悩するジョニー。
ある日、スティルソンという議員候補の政治集会に
偶然居合わせたジョニーは、彼の手に触れた瞬間、
その男がもたらす恐ろしい未来を目撃してしまう——
主演は『ディア・ハンター』の名(怪)優C・ウォーケン、
監督は『スキャナーズ』の鬼才D・クローネンバーグ。
なぁんかひとクセありそうな組合せ。
だが本作、監督の個性が良く出た映画とは言い難い。
まず、監督特有の人体損傷描写(人間をひとつの
物体として捉えるような冷たい観察眼)は殆ど無い。
原作がメロドラマ的要素が強い事もあり、いつもの
低体温な雰囲気も控え目。また、原作の内容を
そつなくまとめあげてはいるものの、そのぶん
各エピソードや人物の掘り下げは淡白で情感に乏しい。
彼もまた原作再現で精一杯になってしまった感じなのかなあ。
しかし、それら不満点を払拭するほど
素晴らしいのが主演ウォーケンのナイーヴな演技。
理不尽な運命へのやり場のない怒りを他人にぶつける弱さ、
自身の力に怯えながらも、それを人の為に活かそうとする優しさ、
とうの昔に失った恋人と再会した後で見せる涙。
彼は高潔なヒーローではなく、あくまで僕らと同じ小市民だ。
主人公の元恋人を演じたブルック・アダムスの可憐さ、
スティルソン議員候補を演じたマーティン・シーンの
狂犬の如き演技など、脇を固める役者も見応え十分。
あくまでいち原作ファンとしての意見ですが、
この配役はほぼ完璧に近いかと。
演技・演出は手堅く、先にも述べた人物描写と展開の
淡白ささえ無ければ、傑作に成り得た惜しい映画かな。
切ないラストも忘れ難いサスペンスドラマです。
ところで劇中、ウォーケンが本作の16年後に
出演する映画『スリーピー・ホロウ』の原典
について言及するのはただの偶然かしら。
<了> ※2012.05初投稿
レトロな質感のB級ホラー
レトロな質感のB級SFホラー。
ホラー的なシーンが少ないところを演出と音楽でカバーしている。
淡々と描いて全てがすんなりと行き過ぎている点が残念。
グローネンバーグ作品の根底にある"変身"というテーマを、生き方の変身という見方で描いた佳作。
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