テルマ&ルイーズのレビュー・感想・評価
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自由に生きよ!
旅の途中で寄った酒場で、無理強いしてきた男を射殺したことから始まる、一風変わった女性2人のロードムービーという名の逃走劇。監督は近年「最後の決闘裁判」や「ナポレオン」といった歴史ものでメガホンを撮るようになった、巨匠・リドリー・スコット。作品自体全然知らなかったけど、4Kリマスター上映しているとの事だったので、鑑賞。自由を、自分らしさをメッセージに掲げている作品としては、公開から30年経った今でも異様。かなりクレイジーでぶっ飛んでいるけど、ものすごく映画らしく、最後に楽しかった。
次々と事件に巻き込まれる、いや引き起こしていくことで、これまで体の奥底に眠っていた才が目覚めていく2人。そのせいか、最初と最後では言ってることがお互い逆転する。ド派手な演出、踊りたくなるような音楽、笑っちゃうほどエキサイティングな展開など、この映画が至高である要素は沢山あるんだけど、何よりラストの、冒頭では見せなかった彼女らの弾けるような笑顔が、深く脳裏に焼き付いた。犯罪は良くないけど、人生楽しんだもん勝ち!そりゃ、若き頃のブラビ見たらだれだって惚れるもん!
今のうちに、劇場で!
91年製作の米国映画。
2016年に、米国の国立フィルム・レジストリーに入ったことを汐に、同年カンヌでも再映され、リドリー・スコット監督自身が関わって4Kレストア版が作製され、2024年公開された。傑出した映画のデジタルライブラリー(4K)化は、米や台湾では公的に進められているが、はて日本では。フィルム保存の努力はよく聞くが。
この映画では、南部アーカンソーの仲良しの二人、ダイナーのしっかり者のウェイトレス、ルイーズ(スーザン・サランドン40歳台)と専業主婦のテルマ(ジーナ・デイヴィス30歳台)。二人で楽しい週末を過ごそうと車で繰り出す、旅先で出会った様々な出来事を経験するうち、二人は変わって行く。二人とも長身(サランドンは172cm、デイヴィスは178 cm)で、良く映えるし、目立つ。しかし、二人の弾け方は、それぞれに異なる。
ルイーズは過去のいきさつもあり、本来、持っていたものが、心の奥底から吹き上げる感じ。一方、テルマは、楽天家でやや浮気性、ただ不誠実な旦那に抑制され、家から自由に出ることも叶わなかったものが、外に出て解放され、一挙にタガが外れた感じ。何れにしても爽快感がある。あの心が解放されてゆくところを楽しむ映画か。フェミニズムの現れには間違いないが。
根底には、やや70年代へのノスタルジーが感じられた。
象徴的であったのは、66年型フォード・サンダーバード・コンバーチブル。最高のアメ車、しかし、乗り心地はともかく、マスキー法以前の車だから、排ガスも燃費も推して知るべし。室内でも喫煙し放題で、とても禁煙が進められていた90年代初頭の米国とは思えず、70年代の感じ。リドリー・スコット監督は、どうしてそんな設定を持ち込んだのだろう。既に、フェミニズム、排ガス、禁煙も進んだ世の中になっていたから、過去の事象としたのでは。二人で撮っていたポラロイドカメラは、80年代の終わり頃の製品だったが。
それに、ヒスパニック、黒人もマイノリティも、全くでてこない。やはり南部の白人中心社会のできごととするしかなかったのでは。その中で、私はハーベイ・カイテルの扮したハル刑事に共感し、彼の演技に好感を覚えた。彼は、東部のエスタブリッシュメントとはかけ離れた風貌だ。東ヨーロッパ系のユダヤ人のようだが。
トリヴィア;二人がテルマの家から出発するときだけ、サンダーバードは大型のキャンピング・カーを引いているようにみえた。編集時の見落としか。今度、BSでやるとき、確かめてみたい。
テルマ進化の記録⁉️
ハチャメチャ、ぶっ飛びストーリー‼︎ 。下衆で下品なイヤラシイ男は大嫌い‼︎、殺したって構わない‼︎。でもね、紳士的でイケメンで優しい男は大好きだから仲良くするの‼︎。わからんでも無いけどね。頭に血が上りすぎて待ったなしで直ぐ行動、テンパリ具合絶好調‼︎。最初、ルイーズは酸いも甘いも噛み分けた、人生わかっている風の大人の女でテルマを引っ張っていたんだけど、テルマがどんどん成長していって、いつの間にか立場が逆転してないかい⁉︎。もう進化のレベル‼︎。専業主婦で夫の言いなりの、ちょっと頭軽い風な妻テルマが、どんどん自信を付けて、日焼けして、研ぎ澄まされたような精悍な顔つきに変貌して行くのって凄い‼︎。男前‼︎。ステキ💓。はいもう、貴方について行きます‼︎。
実話とばっかり思ってた。
明日なき女ふたりのアメリカン・ロードムービー
昔ビデオの時代にレンタルで観て感銘を受け、それから何回も観た大好きな映画です。
4Kになって映画館で再上映って事で、映画館では初だけど、久しぶりに観てきました。
とにかく、超アメリカンしてて、主人公ふたりが乗るのはデッカくカクばったアメ車サンダーバードで、
ウエスタンな酒場で、たくさんの、カウボーイハット、ウエスタンシャツ、ウエスタンブーツ、が出てきて、
赤茶けた砂漠が広がるモニュメント・バレーを走っていく…
アメリカ文化が大好きな僕には、超タマりません(笑)
キャストも豪華で、ハーヴェイ・カイテルやマイケル・マドセン、出始めのブラピ。
物語の核になっているのは、強くメッセージ性を感じるのは、フェミニズムだと思う。
女性に優しさを!妻は家政婦じゃない!
フェミニズムで、アメリカンな、ロードムービー。
スコアは、85点ぐらい。
90年代の名作で、観た事ない方は観た方がいいレベル(笑)
配信もあるので、ぜひ観て下さいm(_ _)m
Tシャツ買ったぜい♪
アメリカンニューシネマ!
91年、意外と最近
この時代によく堂々とアメリカンニューシネマ風でやったなあ 全くてらいがない
リドリースコットっぽくない
でも最後の決闘裁判にもつながる
最初テルマにちょっとイライラするけど大胆さが開花していくのは爽快 踏み出さないと気づかない才能があるものだ この2人はどこで友達になったのかな
今回4Kレストアで色がものすごく鮮やかでアメリカの景色の迫力がある 車の青緑がきれい
ヘリとかカーチェイスとか爆発とか予算あるな!アメリカ!って思った このテーマ、日本ならちまちましたサイズ感の映画になりそう ヘリが目の前に現れるなんて地獄の黙示録みたい
刑事が急に同情し出すのが謎だがハーヴェイカイテルよい ブラピはさすがの魅力でこりゃ目を惹くわ〜
ラストの交互に映される2人の晴れやかな顔がすごく良い
ルイーズの恋人役の俳優が詩人らしくギャップにおどろく 君に会ったことは誰にも言わないとか言っときながら刑事に全部しゃべってたよな ルイーズが宝石とか全部おじいさんにあげるのはなんでだろう?
2人を思いやる刑事が良い。
彼女たちがだんだんアウトローになっていく様が痛快だった。 オープンカーで砂と岩の荒野を疾走する姿はまるで西部劇のアウトローを思わせる。アウトローをヒーローにして描くのは、アメリカンニューシネマの系譜かもしれない。と言っても僕はリバイバルで 「明日に向かって撃て」と「俺たちに明日はない」しか見てないけど。あとフェイ・ダナウェイが好きです。
◎ 駐車場でルイーズがクソ男を撃ち殺した件で思うこと
法律で○△□には死刑がない(外国は不明)。これは男だけで法律を作ってきたからだと思う。もし女だけで法律を作ってきたら、○△□は殺人より重い罪になったと思う。
彼女たちは傷つきながら生きてきた。それを思いやる刑事も出てくるのが救い。
この時代に先取り
マリオ&ルイージ
映画監督の旬は50代まで…
と言ったら怒る人多いだろうなぁ。
でもホントそう思う。 表現者としての勢いは枯れた味や過ぎた経験を遥かに凌駕するものだ。 それを見事に具現化している本作。
エイリアンと並ぶR.スコットの代表作に仕立て上げた俳優陣も見事。
ハッピーエンドではないのに清々しいラスト
最近、過去の名作が4Kでリバイバル上映されることが多く、それが好きな映画だと喜々として観に行ってしまいます。
もう30年も前の映画だなんて。
いい映画は色褪せないのですね。
ロードムービーと呼ばれる類の映画はたくさんありますが、
その中で名作のひとつに数えてもいいくらいの作品。
テルマとルイーズは
週末のドライブ旅行に出かけるだけのはずだったのに、
事件に巻き込まれ、
雪だるま式に犯罪を重ねつつの逃亡の旅に…
砂埃を立てながら2人が走り抜けるアメリカ西部の風景が美しい。
ふつうの暮らしを送っていた2人の顔がどんどんワイルドになって
気づけばその風景に溶け込んでいました。
あらためて観ると、
もう後戻りできなくなってしまったふたりの心境に共感します。
映画は変わらないのに
自分が年齢を重ねたことで理解できることが多くなるのも
リバイバル上映の醍醐味。
なんとこの映画には、
ブレイクする前のブラッド・ピットが出ています。それもクズ男役で😅
私はブラピより、
犯罪を重ねる前にふたりを逮捕して何とか助けようとする刑事役のハーベイ・カイテルが好き。
けしてハッピーエンドではないのに、2人が選んだラストは
まぎれもなく清々しいハッピーエンドなのでした。
リドリー・スコットのディスカバー・アメリカ
人生における〝覚悟の総量〟について
〝多元的無知〟という概念があります。
たとえば残業が常態化している職場。
全員が早く帰りたいと思っているにもかかわらず、「自分以外の他の人はそんなこと思っていないだろう」と思い込み、自分も残業しなければいけないと思い込む。
今であれば、男性の育休が取りづらい職場。
自分は、奥さまのためにも、幼な子とのスキンシップのためにも取りたいと思っているのに、「出世を諦めたな」と周りは思うはず、とか、上司の人事評価にとってはマイナスになるはずだ、という感じで、みんながそう思ってると勝手に思い込み、育休取得に踏み切れない。
女性にとっては、レイプやセクシャルハラスメントを巡る事後の対応については、今なお決して〝多元的無知〟ではなくて、不安に思うことのほうが正しいという現実がある。
正当な告発自体を躊躇う事例はあとを絶たない。或いは告発してもなお、〝女性にも責任がある〟的な攻撃を受ける覚悟をしなければならない。
仮に、性的な被害を受けた女性が目の前にいた時、そして彼女が告発を躊躇っていた時。
もうそんな思い込みで躊躇う必要はない。
社会(みんな)の意識は明らかに変わったよ。
それらのことは多元的無知なんだよ。
などということを、少なくとも私は言えない。
言えるのは、せいぜい『世の中の意識を変えるためにも、勇気と覚悟を持って告発して欲しい』というくらいのことだ。
勇気を強いられ覚悟をしなければならないのは、ほとんどの場合、女性の側なのだと思う。
映画的にはワイスピの多彩かつ派手なアクションとは異なる〝深み〟を纏うという意味で、最高のカーダイブ。
製作から30年以上経った今日的な観点からは、ジェンダー平等の実態に対しての強烈な叱咤激励だと思います。
就職、結婚、産休、育休、復帰…
〝覚悟〟しなければならない頻度と回数、判断するまでの時間。
人生における〝覚悟の総量〟は圧倒的に女性のほうが多いということを、男性はしっかりと〝覚悟をもって〟認識しなければならない。
元気出ました!
女性二人でメキシコへ逃亡するクライムロードムービーという興味津々の設定の中、個性派俳優が数々のエピソードを繰り広げていく。個人的にはロッキーホラーショーで強烈なインパクトを残したスーザン・サランドン。スコセッシ映画の常連で唯一無二の存在感を醸しだすハーベイ・カイテルが圧巻。そして色気むんむんの駆け出しのころのブラッド・ピット。そりゃ人気でるわなー。
スリルありーのバイオレンスありーのセックスありーの純愛ありーのそしてその結末は・・・どう受け止めるかは観る者に委ねられる。アメリカンニューシネマの醍醐味とそれへのオマージュが満載のこの作品。若い頃、アメリカンニューシネマに傾倒しアメリカに思いをはせた私にとっては今観ても堪らない。元気出ました!
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