椿三十郎(1962)のレビュー・感想・評価
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仲代達矢の鋭い目つきがやばすぎる
何度観たか忘れたが朝ドラ『カムカムエヴリバディ』に登場したので久々に観たくなった
原作未読
原作は『赤ひげ』『どですかでん』『雨あがる』『どら平太』『かあちゃん』『海は見ていた』『さぶ』の山本周五郎
監督と脚本は『酔いどれ天使』『野良犬』『生きる』『醜聞』『羅生門』『隠し砦の三悪人』『用心棒』『赤ひげ』の黒澤明
共同脚本は『男ありて』『日本誕生』『用心棒』『兵隊ヤクザ』『竹取物語』の菊島隆三と『宇宙人、東京に現る』『待ち伏せ』『乱』の小国英雄
黒澤映画でも五本指に入る傑作
あっという間の96分
「椿三十郎」と名乗る浪人がひょんなことから藩の不正を正すために立ち上がった9人の若い侍を助ける話
剣の腕前は超一流レベルの剣豪
椿は口は悪いがユーモアがあり頭が切れる戦略家
飛び入りの外様だが9人に加わり次々と適切な指示でリーダーシップを発揮する
三船敏郎で1番好きなキャラ
若い侍のなかに加山雄三と田中邦衛という若大将シリーズの名コンビ
珍しく悪役を志村喬が演じている
ラストの室戸との対決は1番の名場面
あのピリピリとした間がドキドキしてとても良い
鞘に収まる刀になれない椿三十郎は城勤めを断り9人の若き侍に別れを告げあてのない旅に出る
三船敏郎がめちゃかっこいい
おかしさの中の現代社会との対比。
黒澤監督の映画は大好きだが、何度みても、この映画は大笑いで、侍の世界を描いているはずだが、縦社会で現在と似たようなところがあり、日本の伝統が垣間見(かいまみ)えるので面白い。それに、金魚のフン的思想も。
特に好きなところは、若者侍の団体は優秀な血筋に属するようだから、これらの若侍と、椿三十郎(三船敏郎)の対比が愉快だ。結局はどこの馬の骨かわからない、椿三十郎の考えや知恵や経験や、腕前に敬服して、平伏すわけだが。。。そこへ辿るまでの若侍の成長をおもしろ、おかしく描いているのが大好きだ。階級や身分の方が大事で、実力のある人間がし上がるのには時間がかかるようだ。 はっきり言って、実力のある侍(浪人)は狭い体制の中で胡坐をかいて(あぐら)いるのは向かないのかもしてない。一匹狼が好きだとおもう。江戸時代で政権が落ち着くと身分の高い侍が刀を振り回すのは稽古だけになるようだからね。侍で実力のある知恵者と人数だけ多いボンボンとではどちらが大事なんだと思わず言わせているようでおかしい。
その階級の武家社会の中でも、判断を誤らない、賢い人々もいる。井坂伊織(加山雄三)の叔父で城代家老タヌキ(伊藤雄之助)と、大奥様(入江たか子)と言われる妻である。似たもの夫婦でお互いに信じ合っているところがいい。タヌキの妻、大奥様が刀を鞘に入れていない三十郎をよく見抜いてる。 そして、この大奥様と娘という女の存在が、武家社会の男女の役割の違いを見せている。これも、まだ現在社会でも男が稼ぎ、女は家庭を守るものという思想が変わりにくいのもこの映画から察せられる。
現代社会とこの映画を対比して、クラスで話し合うのも面白いなあと思った。
椿三十郎
男は常に隠し持った刀(ナイフ)を磨いて行かなければならない
元々は、山本周五郎原作の「日日平安」の脚本だったものを、大ヒットした「用心棒」の続編を要望した東宝の依頼を受けて黒澤監督が改変した作品という。桑畑三十郎から椿三十郎に名を変えた三船敏郎の活躍が見事な娯楽時代劇で、原案の主人公を演じる小林桂樹の”のほほんとした”キャラクターと、華族出身の入江たか子演じる城代家老睦田の妻の”おっとりした”言動のユーモラスな場面が特徴の、喜劇タッチが勝る黒澤映画。最後の山場で対決する室戸が三十郎と似た境遇の浪人で、どちらも鞘に納まらない刀のようなギラギラした男の設定が、結果主人公椿三十郎の宿命的な生き様を浮かび上がらせる。それがまた、9人の未熟な若侍の浅はかさに苦労する主人公の人間味の深さに繋がり、俳優三船敏郎の魅力を全開させる。単純明快にして簡潔な時代劇に、身分と世代と生き方の違いを普遍的な対比で構築した身の引き締まった傑作。
厳密に言えば用心棒の続編ではない
このストーリーには原作があって山本周五郎の日々平安という物語だ.主人公は非常に地味な男で最初黒澤明はこの原作に忠実な脚本を書いた.しかし映画が地味すぎるものになってコケるだろうってことで却下された。そこで三船敏郎を使って派手なモンにしようとして考えているうちに用心棒の続編みたいになってしまったのだと言う
この映画は日本では非常にメジャーだが残念ながら海外ではあまり有名ではないそうだ.実にもったいないことである.映画の出来としては決して用心棒に引けを取らない.それどころか脚本の方は用心棒よりもよくかけている. 特に若侍の椿三十郎に対する不信感みたいなものがどう盛り上がりどう解消されていくかっていうところが綺麗なドラマになってると思った.
この映画を見る時に、絶対に知っていてはいけないのがそのクライマックスだ.下手するとジャケットにそのクライマックスの写真が載ってたりする。それは、とんでもない間違いだと思う.私が若い頃にはまだレンタルビデオというものがなく、見たい映画はテレビで放映されるのを待つしかなかった.だからどうしてもその内容が知りたければ映画批評の本を買ってくるとか映画脚本の本を図書館で借りてくるしかなかった.だから私は事前にこの作品のクライマックスがどうなるか知っていたのだ.とても残念なことである.
完璧な映画
ごめんあそばせ
入江たか子が三船の対極にあって、このコントラストがこの映画にとてつもない広がりを示している。この2人を線で繋ぐと社会全体を捕捉しているようでもある。単に天衣無縫な世間知らずで笑えるというだけではない。危機にあって、若侍9人にすがるでもない、ピシャリと「それでは皆さんお願いします」とだけ伝えてしまう。三船の手に負えない。彼女には社会の上に立つ者の自覚と覚悟がある。戦前戦中の大女優。そのオーラは、描かれる世俗を常に凌駕している。
その挙げ句の果てに出てくる伊藤雄之助の顔にやられてしまう。この昼行灯感。まるで本者の権力者。現在においても、こういった配役を考えて欲しいものだ。
やはりアバヨと去る三十郎。社会規律の有無という点で用心棒とは少し違った趣きを放つ。
4人を救助する殺陣での容赦ない速さ、最後の決闘シーンはコマ送り再生したいところ、加山雄三と踊り喜ぶ小林桂樹と印象的なシーンは多く、ストーリーが動的でエンタメ性は前作より高い。
なんじゃこりゃー!
リメイク版がいまいち振るわなかった理由が、今作を見てわかりました(織田さんのファンだけど)。
すげー!。なんじゃこりゃー!!。
それに加山雄三さん&田中邦衛さんが若侍で出てるなんて、聞いてないよ。
多分黒沢監督作品も三船さん作品も、初めて見た気が。
ちょっとカルチャーショックで呆然。
リメイク版は黒沢さんの脚本そのままだったので、内容も知っているのに。
「俺は機嫌が悪いんだよ」と悪ぶる三十郎だけど。
若侍たちから「あの人はいい人だ」といわれ、ふてぶてしさまでもが頼れる兄貴分っぷりがかっこええ。
途中三十郎が、30人の相手を次々と斬り倒す場面(実際は40人使ったらしい。)。うっひゃー!と驚く刀さばきは、流れる風景のよう。
見張りの侍木村(小林桂樹さん)が戸棚に入っていく所や、攻め入るのは椿の合図のシーンは、愉快痛快。このシーン、リメイクでも面白かったし。
「音版悪いやつはとんでもないところにいる」
「本当に言いかた名は鞘に入っている」
そんな決め台詞にしびれました。
伝説の室戸半兵衛との対決シーン、やっと見れました。ス・ッゲー!
こんなすごい作品をリメイクするのは、分が悪すぎましたね。
この作品のエピソードゼロ的「用心棒」。ちょうど数日前に見逃しちゃっいました。もったいない。
見てよかった作品でした。
鞘に収まらない刀
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