劇場公開日 2009年6月20日

「「日本映画」の最新作」劔岳 点の記 TOKUSHIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「日本映画」の最新作

2009年6月29日
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

古き良き日本映画らしい日本映画でした。
日本映画を代表出来る作品だと思います。
近年の利益を見込んだ大衆作品がとても小さく見えました。
昔ながらの演出、愚直なまでに“生”にこだわったCG・空撮なしのリアルな画、
そのすべてが「日本映画」というジャンルに対して敬意を表していました。
僕のような若者にとってそういった古き良き演出は、逆に新鮮で、新しかったです。

浅野忠信、香川照之がメインキャストですが、この2人の存在感は抜群、流石の貫禄でした。
その台詞ひとつひとつが重みが有りました。
役所広司も良い味でした。
そして、僕は宮崎あおいさんのファンなので宮崎あおいさんが出てるから観に行った愚かな若者なんですが(笑)、宮崎あおいさんの存在感はまさに紅一点。
篤姫の以来の和服姿で、その容姿は貫禄のオーラを纏っていて、良き日本の妻を演じ切っていました。美しい存在感。

しかし、「(山登りの)男たちを支える家族」というテーマもこの作品では掲げていますが、そこはあまり描き切れていないのが残念でした。
測量士たちの生き様がメインで、家族は二の次になってしまっていたのが残念です。

全体的に真面目な…実直な作りの映画で、僕みたいな若者がもの申すのも申し訳ない程です。
ただ心のままに、感じたままに受け止めます。

TOKUSHI