明日への遺言のレビュー・感想・評価
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映画というかTVドラマ
国際法を無視して虐殺を行ったアメリカ兵を部下に命じて殺させた岡田資の話。
戦後の戦犯裁判でこの処刑の正当性を訴えるが、認められず死刑になる。
ほとんどが裁判のシーンで、映画というよりはTVドラマという感じがした。
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死刑になるのは半分分かっていながら、自分達のやったことの正当性を認めさせたかった。
また自分が死刑でも部下達の命は救おうという思いで頑張った。
岡田資という人物は知らなかったが、軍人としてはとても立派な人だと思う。
興味のない人にとっては単なる退屈な映画ではあるが、藤田まことはハマり役だった。
法の限界 行為への責任 人として、上に立つものとしての品格
戦争の中で行われた行為を通して、人情に訴えかけるわけでもなく、理路整然として、真っ向から戦争の責任に迫った論戦ーそれを岡田中将は「法戦」と呼んだ。
その顛末を通して、岡田中将という高潔なる人物の生き様があぶりだされる。
映画の出来はともかく、その、現代に活かしたい岡田中将の生き様に触れられるという点で、後世に語り継ぐべき作品。
映画としては、ナレーションとか、人情話に焦点を当てているのか、「法戦」を描きたいのか、違うのかと焦点がぼやけてしまう(ツメが甘い)ところとか、文句を言いたい部分は多少あるが、
岡田中将の生き様、藤田氏と富司さんの演技、それだけでもう満腹。
藤田まこと氏に震える。
声を張り上げて主張なんてしない、人懐っこい腰の低い柔らかな人柄だけど、ここぞと言う時は一歩も引かない人物像を演じきる。てなもんや三度笠、主水、人情派刑事を演じてこられたそのすべての集大成…。否それだけではない。三度笠や主水、刑事は庶民的な役柄だが、ここでの中将は、戦前に外国赴任までするエリート・中将。庶民的な受け入れやすさは残しつつ、このような状況でも、冷静に相手に思いやりを示しつつも一歩も引かない、柔の中に剛を隠し持つ品格をにじませる。
富司さんにも震える。
傍聴席で座っているシーンが多く言葉も行動もほとんどないのだけれど、一つ一つの抑制された表情の動き。これまでの、そしてここで頑張る夫を支える、そんな夫婦関係がそのわずかなシーンで見てとれる。
どこかに「岡田中将は一人で戦った」とあったが、家族がいるじゃないか、という雰囲気を醸し出す。
法廷内でのややこしい論戦が続くので、合う人、合わない人はいると思うが、観て、考えて、論じたい作品です。
<以下ネタバレ>
^^) _旦~~
映画の中で、判決を言い渡された時、ちょっとの間の後、笑顔で「本望である」と、岡田中将は言った。
パイロットを殺してしまったことに対する裁判。
誰に責任があるのか。史実では岡田中将は知らなかったと言う人もいる。映画の中でも「あなたの命令か?」という質問に、あらゆることに明瞭に答える中将が「部下が部下の職分においてやったことなんだから、それはすなわち全責任は上官である自分にある(部下には責任はない)」と答え、「自分が命令した」とは言わない。(ひょっとしたら部下がかってに暴走したことかもしれないのに、自分一人の責任と言う中将!)
裁判を行う者たちは、あくまでパイロットを裁判もせずに殺したことは違法として、誰に責任があるのかを問う。岡田中将が組織としてのあり方を説けば、それなら岡田中将は上からの命令に従ったのか、それとも上にお伺いすることをせずに勝手な判断で行ったのか。
あくまでパイロットを裁判もせずに殺したのは”リンチ殺人”であるという観点から裁こうとする。
だが、岡田中将はパイロットを殺したのは”殺人”ではない。大量殺人者に対する”処罰”であると主張し、広くは原爆投下も持ち出し非戦闘員(民間人)への攻撃について問題にしようとし、論戦を繰り広げる。
部下をかばい上官としての責任を果たそうとし、かつこのような裁判の中でもアメリカ側に礼を尽くしつつも、自分の主張に対しては一歩も引かずに、かえってアメリカ側も言葉に詰まってしまうほどやりこめる。相手の土壌の中で、相手のルールで戦い続ける岡田中将。その姿に、アメリカ側も徐々に岡田中将に敬意を払い出す。
この裁判が妥当なものであったのか、それをこの映画を見ただけで判断するのは危険であろう。
(原作・裁判記録未読。映画は上述のように、演出が入っている)
ただ言えるのは、これはアメリカ(もしくは戦勝国)での法に基づいて行われた裁判。戦勝国側である弁護士が岡田中将の為に躍起になり、戦勝国側に不利な証言も持ち出してくる所とか、これだけ論戦が繰り広げられるというところに感動。問答無用ではないのだ。申し開きもできずに殺されたパイロットに比べれば、自分の主義主張をこれだけ言えると言うのは、やはり驚嘆する。しかも裁判記録も捏造されずに残っている!!!
その反面、公平であるはずの裁判官が、岡田中将を救おうとして、岡田中将に確認をする場面がある。「報復なら罪にならない」と。頭が混乱した。個人的な恨みを晴らす報復なら認められて、処罰は罪になるの?処罰もリンチと紙一重。処罰だからいいというものではないけれど…。自己の正義感を振り回すことはダメ!!!っていうことなんだと理解すれば納得?敵討は日本でも許されていた時期あるし…。銃社会アメリカを支え続ける論理? だが岡田中将は突っぱねる。「個人的な感情で動いたのではない。あくまで戦争、陸軍士官としての判断としてやったのだ」と。岡田中将にとっては、士官たるもの私的感情で動いてはならない、あくまで職分としての”仕事”なのだ。
最後まで、己の立場「陸軍士官」として生き、信念を貫き、部下を守ろうとした岡田中将。その生きざまは鑑賞した方の心に生き続けるだろう。
”法”が守るもの、そして限界、規定や解釈次第でどうにでも転ぶもの。その恐ろしさを改めて考えさせられた
とともに、
こんな上司がいたらいいのに。 否、こんな上司になれるだろうか。「責任とる」気はあるけれど、だからこそ部下の行動のチェックに走っちゃうよな、私なら。
日々の決断、その責任。その向き合い方。
人としてありたいあり方と、社会の動き。
絶対的な正義? 相対的な正義…。
とてもつもなく大きなテーマを投げかけてくる映画です。
(上記の台詞は、思い出し引用。間違っていたら申し訳ありません)
第2次大戦時、無差別爆撃を実行した米軍兵士を正式な審理を行わずに処...
第2次大戦時、無差別爆撃を実行した米軍兵士を正式な審理を行わずに処刑した罪で、戦後、B級戦犯として裁判にかけられた元東海軍司令官・岡田資中将。彼は家族が見守る中、法廷で「全ての責任は司令官たる自分にある」と主張する。彼に下された判決とは……。
イビキの集中砲火の中、耐え抜きました・・・
なぜだか最も印象に残るのがイビキでありました。ほとんどが法廷シーンであるし、映像には変化もない。映画ではなくラジオドラマが最適なんじゃないかと目を閉じてみたりしたけど、丁度田中好子の証言が終わってから、映画館ではイビキの大合唱が始まりました。それも前後左右離れた席で4人くらい・・・観客数からすると3分の1以上。
結局何が言いたい作品だったのか。冒頭の貴重な映像や竹野内豊のナレーションによって戦争の愚かさを語り、蒼井優と田中好子の証言によって民間人への無差別攻撃への批判で悲惨な状況を訴えてくる。しかしそれ以外の大部分は岡田中将(藤田まこと)の信念を描いただけであり、退屈すぎるという欠点がありました。実は殺してなどいない!などという大どんでん返しがあれば面白かったのに・・・実際、無実の罪で処刑された戦犯がどれだけいたことか・・・
このB級戦犯裁判の基本的論点は二つ。名古屋の空襲が軍事工場などのない住宅地への無差別攻撃だったのか?撃墜され脱出した米軍搭乗員を殺害したのは報復にあたるのかどうかという点。真珠湾攻撃が無差別になるかどうかなど興味深い論戦もあったけど、二点目では特に、復讐、報復、処断などの言葉の違いを説かれても、それは単に減刑になるだけの材料なので裁判としても面白味に欠けるのです。
映画を観た直後にテレビで放映されていた『東京大空襲』を見たのですが、禁止されていた無差別攻撃を最初に破ったのはドイツのゲルニカ攻撃や日本の重慶攻撃だということをまたしても頭に焼きつけられる。一旦法が破られると、際限なく報復が繰り返されることも再確認させられるけど、いつも被害に遭うのは何の罪もない民間人という事実に怒りを禁じえない。部下を庇った尊敬すべき将校を描くよりも、民間人を大量虐殺されたことに腹を立て復讐する兵士を描いてくれたほうが感動できるはずだ。
終盤では仏教哲学により信念をも貫いた様子も映し出され、人生に満足したかのような表情も見せてくれる中、「戦争は無くさなければならない」という彼の想いにハッとさせられる。が、それは一瞬。続く「それは避けられないこともある・・・」という言葉にがっくりさせられてしまった・・・
数少ない戦犯に関しての作品
戦争映画は多く作られているものの
戦犯を扱った実話映画は数少ないですよね。
その中でも良作だと感じました。
近年だと、中居正広でリメイクされた「私は貝になりたい」などが知られているところだと思いますが、あの作品は実話ではないですし。
一つ気になったことといえば、冒頭からのナレーション。
竹野内豊が竹野内豊らしさを思いっきり消して喋っている、棒読みにすら聞こえてしまうナレーションが少し残念でした。
歴史的背景のナレーションを竹野内豊、本編岡田資に関するナレーションを妻役の富司純子といった風に分けていたのかもしれませんが、他の方もレビューしていたように、どちらか片方でよかったように思います。
戦争を知る上で、特攻や空襲など断片的には知っているものの、このような裁判が行われたことを知らない自分達のような若い世代は数多くいると思います。
一度は見てみると良いのでは。
戦争の本質とは何か
結果的に負けた戦争の正義を問う作品「勝てば官軍」だったのか。横浜裁判でなぜこんな公正な「戦争裁判」が出来たのか。近代戦争にも「ルール」があることを初めて知った。絨毯爆撃というものがいかに非人道的なものであったか、これを見るまでは考えなかった。非人道的なことに対する報復なら正義、という米軍規律にも驚く、裁判を淡々とすすめていく姿にいたく感動させられた。
「報復」ではありません、「処罰」であります
映画「明日への遺言」(小泉堯史監督)から。
俳優の藤田まことさん演じる
戦犯裁判にかけられた東海軍司令官・岡田資(たすく)中将が、
この裁判で、何を言いたかったのか、
また、ここ数日、テレビで「東京大空襲」関連の作品が続いたが、
このタイミングで流す意味は何なのか、
多くのメモを眺ながら、しばらく考えてみた。
無差別爆撃を実行した米軍搭乗員を処刑した罪に問われ、
法廷闘争を「法戦」と名づけ立ち向かう彼の根底にある考えは、
「私が判断し指示したこと(米軍兵の処刑)は
『報復』ではありません、『処罰』であります。」だと感じた。
「誰が爆撃したかなんて問題ではない、何度も重ねたことである」
と、自分に言い聞かせるよう呟いた台詞も心に残った。
死刑の判決を受けた時、法廷を見守る妻に「本望である」と一言。
一つひとつが重たい台詞だったが、是非、観て欲しい作品である。
決然として法戦を闘った男
第二次大戦のB級戦犯・岡田資(たすく)中将が、戦犯裁判にかけられて、自らの信念を携えて堂々と戦い、部下を守って全ての責任を背負っていく実話です。
これほど毅然として、重い責任感を抱き、部下を思いやる人間が、戦争という時代状況であったがために、死んでいかなければならない。
それは無名の兵士たちも同じですが、もし通常の時代に岡田資が生きていたら、どんなに優秀で立派な上司になっていたことでしょう。
現代は、無責任で社員や消費者のことを考えない経営者も多いなか、我々は岡田中将のような過去の偉人に、理念を学ぶ必要があるのではないでしょうか。
自分の運命から逃げずに、背筋を伸ばして対峙し、誠実に、愛情と気概を持って生ききった、清廉な男の言葉が心に残ります。
ナレーションが...
○ナレーション
ゲルニカ(ピカソの絵)から始まり、実写映像とナレーションにより「解説」される構成。「NHKスペシャル見に来たんじゃないんですけど」と言いたくなる。
おまけに、大してうまくもないナレーション。また、ストーリーが進むと岡田中将の妻のナレーションも入り、統一感がない。これなら、最初から最後まで妻の回想のような感じでナレーションしても良かったのではないか。
金払って、TVのような造りは許しがたい。
○経緯
戦略爆撃に関する解説と実写映像から本編への移行も唐突な感が否めない。
B29による爆撃シーン、日本本土の炎上シーン、艦載機による機銃掃射などを織り交ぜナレーションに頼らず、映像で分かるようにしてもらいたかった。また、特に斬首のシーンは実写ではなく、登場人物たちで再現しないと関連性、現実性に乏しい。
昔の戦争映画である、「戦争のはらわた」。これでも実写シーンから映画の戦場シーンと繋がる構成になっていたが、比較して本作では工夫がないと言える。
○全体
冒頭シーンの工夫のなさ、妻以外のナレーションをなかったことにすれば、よくできた映画と考える。特に月明かりの中、死刑執行台に向かうシーンは印象的だった。責任所在について考えさせられる作品だ。重いテーマのため、一人静かに観るのが良いと思われる。
映画であることを放棄した映画
ピカソのゲルニカで幕を開ける。
「映画」はまだ始まらない、戦闘と無差別爆撃という犯罪との違いを解説する。
そのこと自体は必ずしも苦痛にはならなかっただろうと思う。だがナレーションに竹野内豊を起用したことがすべてをぶち壊しにした。
竹野内豊はきらいではない。役柄にもよるが好感を持つほうかもしれない。
だがあのようなナレーションをやるだけの能力は無い。これは彼の問題というよりも、そんな無理をさせた製作サイドの問題であろう。
このオープニングは実に重要だ。
本編に入る前にナレーションと実写とで背景説明を行なう、この手法自体は珍しくもなんともないのだが、おそらくは十分以上に及ぶその長さ。オープニングで語られるその内容もさることながら、この長さがすでにメッセージを有している。
そのメッセージを伝えられるナレーションであれば、だが。
べつに名優を起用せよとは言わない。いや、かえってごく普通のアナウンサーのほうが「声の匿名性」があってよいだろう。とにかくあの長さを、その内容に集中できるよう朗読してくれればよい。
映画の舞台はそのほとんどが法廷であり、ごくわずかに獄中での主人公岡田中将の生活が描かれる。カメラは常に人物から距離を置き、決してその表情を大きく映し出すようなことはしない。
だが時折、なにを血迷ったのか「浪花節」のようなシーンが挿入されてしまうのだ。
最悪であったのが囚人たちの入浴シーン。ひとりが歌い始めた「ふるさと」を、やがてみなが口ずさみ合唱となる・・・・ まさかそんな陳腐な展開にはなるまいと思い続けて観ているだけに、それが現実となるのは悪夢の如し。
悪いことにカメラはやはり人物に寄ることはしないので、感情移入の余地もなければ、かといって完全に醒めた客観的な出来事として捉えているわけでもない、なんとも中途半端な気持ちで眺めているという居心地の悪さ。
いや、その居心地の悪さが狙いであればよいのだが、どうやら描かれているのは人物の心情らしいので困ってしまう。
そう、法廷劇としては緊迫感があり投げかけられる疑問はしっかりと受け止めねばと思うのだが、時折挟み込まれるこうした心象風景がまるでちぐはぐで、映画の流れを乱し観る者の思考を分断し、何を訴えようとしているのかがわからなくなってしまう。
それが作り手の悩みを反映したものならば良かろう。だがどうもそうでは無いように思う。
ナレーションへの竹野内豊の起用、そもそもこれがこの映画全体を象徴しているように感じてしまう。
監督の制御下にはない力が働いていたのではないか。
とってつけたような「浪花節」シーンを入れなければならない、そうでなければ納得しないような外力が存在したのではないか。
もちろんアチキの憶測、妄想の域を出ないが、しかしそうとでも思わない限りこの空中分解したような映画を理解することは出来ない。
伝えるべき内容よりも、その手段たる作品が悲劇となってしまったようだ。
倫理学的見地からも、戦争責任の見地からも考えさせられる映画
岡田中将は確かに正しい!!っていうのがまず第一の感想。
アメリカの検事が、まったく持っていやな奴な雰囲気満載なのですが、岡田中将はひるまずに言うことはちゃんと言うって感じで、男らしい。
日本男児とは、今でもこうあってほしいものです。
「法戦」と彼が呼んだとおり、法廷で真の戦争問題が暴かれていくのは感動を誘います。
アメリカ人の弁護士がいい味を出してるし、やはり主役の藤田まことがいいですね。
藤田まことというと、「はぐれ刑事純情派」の安浦警部のイメージが強かったんですが、映画でも貫禄ありです。
部下をかばってすべての責任を負おうとする岡田中将と、すべてを知って無言で見守る家族の心のつながりや未来に向けてのメッセージ性もよいなぁと思いました。
岡田中将はやれるだけのことをやって、最後に「本望である」と一言言いました。
私が大学でかじっている倫理学などと照らしても、戦争責任の問題は一言で結論を出すことのできない難しい問題です。
すでに戦争をするためのシステムが構築され、国を挙げて殺戮行為をするとき、誰にどこまでの責任が問えるのか。
「誰にも責任がないんだよ」とか安い答えを言ってはいけないと思う。
実際に殺戮行為が行われた以上、責任の所在はどこかにあるし、それが明瞭でなくても責任を負わなければいけない人が必ず出てくるのです。
この映画は、現代の若者である私たちにとってはなじみのない岡田資という人物の責任の取り方を提示することによって、より大きな問題をわれわれに投げかけてくる良作だと思います。
場面はずっと法廷でのやり取りが中心で、回想シーンもなく、カメラワークも地味なので、すぐに寝てしまう人にはお奨めできませんが、問題意識を持ってしっかりと話を追っていける方にはお奨めです。
カメラワークの地味さや単調さは、言葉で伝わってくることの重要性を際立たせるためだったのではないかなと思いました。
ちなみに、うちの彼は隣で大号泣してましたよ。
映画館中に、すすり泣く声がいくつも。
かなり年齢層の高い雰囲気だったので、皆さん当時のことを思い出されていたのでしょうか・・・。
よい映画
こういう映画はどちらかよりで描かれることが多いけど、この映画はそのようなことがなく、アメリカでも上映できそうな感じ。
小中学生にも見てもらいたいみたいだが、内容的にもう少し上の年代ではないと理解できないかも。
内容が秀逸
ほとんどが裁判所のシーンで構成されているが、それのみで1本作ったというのがまずすごいところ。
あとは藤田まことの演技力、人を引き込む力が素晴らしい。
これにより裁判官、弁護側、連合軍側、被告の気持ちの移り変わりがよく分かる。
たしかに前半は眠くなるかもしれないが、後半からは涙なくして見ることは出来ない。全体としては秀逸と言えると思う。
うーん、イマイチ
ちょっと期待をして観にいきましたが、期待はずれでがっかりしました。後半は多少よくなりましたが、前半の裁判のやりとりが単調で私の前の席の人はいびきをかいて寝ていました。もうちょっとなんとかならなかったんですかねー。
良い映画ではあると思うけど、、、、う〜ん、、、
戦争裁判というとアメリカ側が一方的に裁く不当裁判というイメージがありましたが、そうではなかったというのが、意外な点でした。
38名もの同胞のアメリカ人兵士が正式な手続きを得ずに処刑されたというのに、この裁判に関わったアメリカ人関係者は、本当にこんなに心優しかったのでしょうか、、、?
確かに殺されたアメリカ人兵士達の行った無差別爆撃は許されない行為であったが、彼らも命令に従って行動しただけであった筈である。
しかも銃殺ではなく、首を斬殺するという完全に復讐を目的とした処刑であったのだ。
自分が空爆された日本人なら、間違いなく捕まえたアメリカ兵に復讐するだろう。
しかし、捕まったアメリカ兵だったとしたら、、、またその家族だったとしたら、、、
もし今、イラクでアメリカ兵がこのような目にあったとしたら、処刑に立ち会った者達は、どうなるのであろうか、、、、?
ああっ、本当に戦争は嫌ですねぇ、、、
最近の沖縄での事件も悲しい出来事ですが、こんな事件が起こると「アメリカ軍なんて要らない!」と思ってしまいます。
でも、本当にアメリカ軍が居なくなったら、日本は韓国のように徴兵制で国を守らなければなりません、、、、防衛費にも今以上に税金を投入しなくてはいけません、、、正直これ以上税金も払いたくないし、息子が徴兵されるなんて絶対に嫌だし、、、
結局、日本は都合よく金でアメリカ軍というボディガードを雇っている訳で、更にそれによる犠牲を沖縄に押し付けている訳で、、、ふぅ、、、、(>▽<)
でもアメリカだって、戦略基地として日本(特に沖縄)は必要なのですから、何も言いなりに成る事はないのです。
主張すべき事は、しっかりと主張しなくては、いけません!
そう、この元東海軍司令官・岡田資中将のように!!
今の日本に必要なのは、彼のように命を懸けて信念を貫き通せる政治家ですねw( ̄O ̄)w
いや、政治家よりも問題は役人だよなぁ、、、
なんだか映画の話ではなくなってしまった、、、、間違っても私は右翼じゃないよ(≧◯≦)ゞ
藤田まことの演技も含め、重厚でしっかりとした映画でした。
日本アカデミー賞の作品賞と主演男優賞ノミネートは確実でしょう。
でも、お金を払って映画館に観に行こうとは思わないだろうなぁ、、、DVD を借りようとも思わないし、、、果たしてテレビでも観るかどうか、、、
良い映画ではあると思うけど、、、、う〜ん、、、
途中で睡魔が・・
戦犯映画で、部下をかばったいい上司なのでしょうが、
殆どが裁判シーンです。
このシーンがあまりメリハリがなく、ウトウト睡魔が・・・
題材は違いますが、同じ裁判ものとしては「それでも僕はやっていない」みたいにメリハリがあったら面白かったのに・・と思います。
マックィーンの遺言は笑顔。
最近の法廷ドラマで代表的なものといえば、邦画では
「それでもボクはやってない」が思い浮かぶんだけど、
私はあの作品が大好きだ。
ダラダラと続く法廷シーンが主人公の苛立ちと重なり、
イライラエンターテインメントの真髄を見せてくれる(爆)
そして同時に疑われたら最後。の恐ろしさがジワジワと
胸に迫り、女性の私ですらたまったもんじゃなかったxx
ああいう視点で描かれる法廷劇は初めてだったうえ、
あれが通常に下される審判なんだという矛盾を学んだ。
今作は、それとまったく対極にあるような描き方をする。
岡田中将が強く訴えるものをこちら側に強くは訴えない。
藤田まこと演ずる岡田中将の誇り高き生涯を描く作品、
であるからして地味なのは仕方ないとしても、かといって
彼のことをことさら賛美するような描き方もしていない。
ドキュメンタリーほど淡々としていないが感情的でもない。
あ、ナレーションだけは感情的。
抑揚がない、といったらいいのかな…。法廷劇というより、
彼の気高い精神を高々と(そして延々と)語る作品というか。
だったら法廷劇でなく、日常を謳っても良かったのでは。
米国に対する恨み辛みが要所に出てはくるものの、それは
岡田中将の口からは皆無、彼はただひたすら、同じ口調で
同じ回答を繰り返すのみ。「報復」ではなく「処罰」だと。
そして全責任は司令官である自分にあるのだということを。
あまりに理路整然として捉えどころに困る作品なんだけど、
監督が小泉堯史ということで、これで完成となったのかな。
私は藤田まことの偉大な「説教」の元、岡田中将の人間性を
もっともっと観たかったし、画面でも映し出して欲しかった。
当時の日本にこんな毅然とした品格を持つ軍人がいたこと。
戦場での彼、家庭人の彼、周囲に対する配慮は刑務所の
やりとりで分かるけれど、あれで彼のすべてが描けているか。
藤田はさすがの演技力で彼に成り変わっているけれど、
彼を取り巻く世界観が静かすぎ、整い過ぎている気がした。
話は変わるけど、検事役で故・S・マックィーンの息子、
F・マックィーンが熱演している。一応敵役なんだけど…
劇中で彼がチラリと見せる笑顔が、父親とソックリ!で
私はそこに感動してしまった。。
私には彼が、大好きなマックィーンの遺言のようだった。
(戦争における傷み・憎しみ・哀しみは常に平等だと思う私。)
美しいとは
見る人によって評価が変わる映画である、と思う。
主人公の岡田中将の言動は、太平洋戦争と東京裁判について、ある程度の知識がないと屁理屈をこねているようにも見えるかもしれない。
しかし、裁判を「法戦」と呼び、自らの命を顧みず、誰も言及しようとしない戦争の矛盾を突く姿は見る者の心を打つのではないか。
裁判を通じて、岡田中将は関係した人間を高いレベルに昇華していく。
作品中での岡田中将の発言はすべてがそのままだという。
判決が言い渡された後の
「本望なり」
と言う言葉が印象に残った。
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