劇場公開日 2008年3月1日

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「イビキの集中砲火の中、耐え抜きました・・・」明日への遺言 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

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2.0イビキの集中砲火の中、耐え抜きました・・・

kossyさん
2018年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 なぜだか最も印象に残るのがイビキでありました。ほとんどが法廷シーンであるし、映像には変化もない。映画ではなくラジオドラマが最適なんじゃないかと目を閉じてみたりしたけど、丁度田中好子の証言が終わってから、映画館ではイビキの大合唱が始まりました。それも前後左右離れた席で4人くらい・・・観客数からすると3分の1以上。

 結局何が言いたい作品だったのか。冒頭の貴重な映像や竹野内豊のナレーションによって戦争の愚かさを語り、蒼井優と田中好子の証言によって民間人への無差別攻撃への批判で悲惨な状況を訴えてくる。しかしそれ以外の大部分は岡田中将(藤田まこと)の信念を描いただけであり、退屈すぎるという欠点がありました。実は殺してなどいない!などという大どんでん返しがあれば面白かったのに・・・実際、無実の罪で処刑された戦犯がどれだけいたことか・・・

 このB級戦犯裁判の基本的論点は二つ。名古屋の空襲が軍事工場などのない住宅地への無差別攻撃だったのか?撃墜され脱出した米軍搭乗員を殺害したのは報復にあたるのかどうかという点。真珠湾攻撃が無差別になるかどうかなど興味深い論戦もあったけど、二点目では特に、復讐、報復、処断などの言葉の違いを説かれても、それは単に減刑になるだけの材料なので裁判としても面白味に欠けるのです。

 映画を観た直後にテレビで放映されていた『東京大空襲』を見たのですが、禁止されていた無差別攻撃を最初に破ったのはドイツのゲルニカ攻撃や日本の重慶攻撃だということをまたしても頭に焼きつけられる。一旦法が破られると、際限なく報復が繰り返されることも再確認させられるけど、いつも被害に遭うのは何の罪もない民間人という事実に怒りを禁じえない。部下を庇った尊敬すべき将校を描くよりも、民間人を大量虐殺されたことに腹を立て復讐する兵士を描いてくれたほうが感動できるはずだ。

 終盤では仏教哲学により信念をも貫いた様子も映し出され、人生に満足したかのような表情も見せてくれる中、「戦争は無くさなければならない」という彼の想いにハッとさせられる。が、それは一瞬。続く「それは避けられないこともある・・・」という言葉にがっくりさせられてしまった・・・

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kossy
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