雲南の少女 ルオマの初恋

劇場公開日:

雲南の少女 ルオマの初恋

解説

中国雲南省の少数民族・ハニ族の少女の初恋を、ユネスコ世界自然遺産に指定された美しい棚田を背景につづった感動作。祖母が茹でたとうもろこしを売って生計を立てるハニ族の少女ルオマは、都会からやって来たカメラマンの青年アミンと出会う。民族衣装を着たルオマが観光客の注目を集めていることに目をつけたアミンは、ルオマに観光客相手の記念撮影の商売をしないかと持ちかける。やがて、ルオマはアミンに淡い恋心を抱きはじめるが……。

2002年製作/90分/中国
原題:When Ruoma Was Seventeen
配給:ワコー、グアパ・グアポ
劇場公開日:2007年6月16日

スタッフ・キャスト

監督
脚本
モン・チアソン
撮影
マー・トンロン
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映画レビュー

4.0焼きとうもろこし

2021年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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kossy

3.5一粒で二度の味わい

2014年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

幸せ

とても趣のある貴重な作品のように感じました。中国、雲南省には多数の少数民族が暮らしているそうですがその中のハニ族の暮らしぶりが、瑞々しく、それは美しい棚田風景の中で描かれています。世界ユネスコ遺産にも登録されているというだけあって、ひと目見ただけで忘れられないようなノスタルジックな風景です。この棚田から作られる道とは言えないような一本のあぜ道をひたすら下って、17歳のルオマは、市が開かれる繁華街までおばあちゃんの茹でたトウモロコシを売りに行きます。ひと目で見てわかるような純真無垢な顔立ちは観光客の目にとまり、しばし一緒に写真撮影を要求されるのです。それを伺っていたアミンという昆明の青年は、彼女の好意を利用して、自分の帰省費用を作ろうとしますが・・・。
この物語の魅力は二つあります。ひとつは先に述べたような異郷・異文化の人々の印象的な伝統服や暮らしぶりは、その中の人たちにとっては当たり前で全ては生きるためなのですが、傍観者である私たちには、時が緩やかに過ぎていくような美しい自然の中で繰り広げられる別世界、どこかノスタルジーに浸れる場所として映ります。
そして、ルオマの目を通して、都会やそこに暮らす青年と接することで、初めて感じる憧れが何か宝石のひとしずくのような輝きをもって描き出されます。時代のうねりの中で、守るものと発展していくもの狭間をどう折り合いをつけていくのか、そんなテーマも暗示しているようでした。
もう一つの魅力は主人公、ルオマそのものです。この映画はアミン役の青年を除いて、全て本当のハニ族の現地の方々を起用したそうです。主人公ルオマも然り。彼女のおばあちゃんも寡黙で心持ちの善さが滲み出ていますし、この起用された配役の方々の魅力なくしてこの作品は語れないだろうと思いました。
好きで心に残るシーンも満載。ルオマがアミンから代金代わりに引き受けた、携帯の音楽プレイヤーを耳にあて棚田を視界に、初めて聴く音楽にみるみる顔が朗らかに輝いていったシーンが心に残りました。それと、伝統的な男女の愛の告白は田んぼの中での泥のぶつけ合いなのですが、そんな事情を知らないアミンから彼女が顔に泥を当てられたときの戸惑いながらも、はにかんだような笑顔が可愛かったです。
初恋物語というと、中国では「初恋の来た道」が有名ですがこちらもおすすめしたい作品です。

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sonje
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