「お手軽な豪華映画の代表作」オーシャンズ13 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
お手軽な豪華映画の代表作
ついでに『オーシャンズ12』をテレビで再度見ました。
『オーシャンズ12』は、昨年見たとき『オーシャンズ11』を見ていなかったので、ストーリーについて行けませんでした。特に登場人物が12名のハイテク泥棒チームなので、「泥棒プロジェクト」の過程を、ひとりひとりの「仕込み状況」を忙しくシーンチェンジし、追っかけてけていく展開には、置いていかれがちになります。
このせわしいシーンチェンジは、キラ星スターが並んでいるだけに、それぞれの見せ場に配慮しなければならないオーシャンシリーズの宿命でしょう。だからそれをこなすシナリオが大事なのですが、どうもねぇ~「これだけのメンバーに適当に気の利いたセリフをしゃべらせとけば、とりあえず客は入るだろう」というお気楽さはあると思いますよ。
悪役のアルパチーノを含めて出演者が和気藹々に演じているムードがスクリーンを通して伝わってきます。それがもしこの作品の演出なら、さすが大物たちですね。悠々綽々です。
「12」なんて、何でこんなアメリカンジョークのシーンをわざわざ入れるのかと感じるくらい出演者とスタッフの自己満足が目立ちました。
その点13では、12に比べてストーリーが単純で、出演者の豪華さもあり、深く考えず楽しめる映画には違いありません。しかも仕掛けが毎回大がかりで、ビルごと盛り上げたり、揺らしたり、お宝ごとヘリコプターでつるしてかっぱらうなど、シーンとしては楽しめることでしょう。これがもし無名な配役であったら・・・(;^_^A アセアセ…
ただねぇ、仲間の復讐のためとはいえ、オーシャンズの面々がスッカラカンになるくらい仕込みに金をかけるのです。ほかのサスペンスなら、手っ取り早く暗殺に走るのですが、彼らは湯水のようにお金を使って復讐を遂げるのですね。それってまどろこっしいし、下手するとオーシャンズの面々が破綻しかねないリスキーな作戦ではないかと思いますが、まぁ深く考えないことにします(;^_^
それにしてもジョージ・クルーニーの日本びいきは相当ですね。オーシャンズの打ち合わせの時、日本語のままで「玄米茶」「ほうじ茶」がオーダーされたり、ホテルのオープンイベントは、相撲だったり、極めつけはオープンイベントの乾杯酒に銘酒「久保田」が出てくるのですよ。「久保田」も有名になったものですね。
そんなわけですから、6月に米ロサンゼルスで行ったプレミア上映会では、渡辺謙を登場させて、新作の舞台を日本にするアイデアにクルーニーは強い興味を示していたようなのです。けれども来日会見でクルーニーは「『オーシャンズ14』は本当にありえないよ」と言い切ったようです。残念!
やっぱり、こんな企画スケジュールを合わせるだけでも大変ですからね。