レミーのおいしいレストランのレビュー・感想・評価
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Le Festin!
劇中に出てくる歌の題名がLe Festinなんですが
その饗宴の裏側のキッチンでのねずみ模様を描いた今作。
レミーが、オチこぼれシェフリングイニ
と協力して二人の願いをかなえていくっていう
ストーリーなのですが、どちらかといえば大人向けですね。
クレジットの最後のほうに
NOT MOTIONCAPTUREっていう
ロゴを出すくらい、アニメーションに自信を持ってのぞんだようですが、
素晴らしかった!!
人間の動きを誇張して笑わせるっていうのをやってるのですが
レミーがコントロールしているっていう設定も手伝って
主人公のリングイニの動きがすばらしく面白い!
レミー含めネズミの大移動とかのホンモノのネズミっぽさと
パリの風景のリアルさもすごく感動。。
このアニメ感と実写感の対比がとっても良かった。
それにレミー目線で見たときの
人間とかもあって、面白い要素がいっぱい詰まっていました。
全編CGなので、やっぱり音は大事だなぁと思っていたのですが
サントラが欲しくなるくらい曲が素敵だった。
フランスというよりもっとイタリア(シネマパラディーゾ感?)っぽいような気もするんだけども・・・。
ネズミの足音とか
SEもとてもよかったと思います。
リングイニの同僚が結構面白そうだったのに
あまりつっこんで書いてないのが残念。
レミーの話だからしょうがないんだけど、
それならレミーのネズミとしての役割と
自分との葛藤とかをもーーっと出すか
レミーの兄弟の要素をもうちょっと減らして
もっとリングイニとコレットのロマンスを増やすか
してくれたらなぁーなんて。
コレットの生き方なんかは最近の日本のドラマに
共通する部分があるんじゃないかな?
ピクサーのアニメーション技術の高さを
存分に味わえる作品でした。
本編前のLiftedっていう短編をみて気づいたのですが
実は劇場でピクサー作品をみたのはこれが初めてでした(笑)
ブラッド・バードにハズレなし。
シェフを夢見るネズミのレミーと、料理のできないレストラン雑用係のリングイニ、“ネズミだ”というだけで厨房に入れないレミーを帽子の中に隠して、リングイニがレミーの代わりに料理を作る・・・設立以来一本も凡作・駄作を作っていない驚異のスタジオ、ピクサーの新作映画。
今作の監督ブラッド・バードは、作品の中に強い作家性を出してくる人で、今回もご多分に漏れず。
人間、動物の生き死にから目を背けず、人間性というものの中に汚い部分が大いにあることを認めながら、それでも「人間って捨てたもんじゃないよ」と教えてくれる監督のその眼差し。僕達はその眼差しに、凡百のハッピーエンドものにありがちな、偽善的な人間性への賛辞とはかけ離れた本当の温かみを感じるのだ。
『レミーのおいしいレストラン』には、ブラッド・バード監督の第一作『アイアン・ジャイアント』の頃からの、監督の一貫した人間観がある。
それは即ち、『アイアン・ジャイアント』劇中での最も印象に残る台詞、"You are who you choose to be,"つまり「“きみがどんな人間であるか”は、きみ自身が選ぶんだ」という信念。“ネズミ”として生まれたら、いかに肥えた舌と料理への情熱を持っていたとしても残飯をあさりドブを這いずり回る“ネズミという存在”でい続けなければいけないのか?否。「お前はこうだ」という人の評価に従って生きるのか、「こうありたい」本当の自分として生きるかどうかは、他でもない「自分」が「選ぶ」のだ。
そして主人公のネズミ、レミーは「選ん」だ。
終盤、囚われの身から父や兄や仲間のネズミに助けられたあと、ネズミを忌み嫌う人間たちが大勢いる、危険だとわかっている厨房へ戻ろうとするレミーを「なぜ戻る?」と止めようとする父にレミーが答える。
「 な ぜ っ て 、 僕 は 料 理 人 だ か ら だ ! 」
アクションやSFを主軸としない、ヒューマン・ドラマを謳った映画でさえ、その実単なる映画利益追求型の、ハートのない映画(“ハート”のない“ヒューマン”ドラマというのも、そもそもおかしな話だ)であることが多い中、ピクサーの映画には常にハートがある。それはキャラクターのハートであり、作り手のハートでもある。
心のこもった映画を観ることは、この上ない幸福だ。
ちょうど、心のこもった料理でもてなされているのと同じように。
幸せで涙がこぼれました。
レミー、ごちそうさま。
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