遠い空の向こうにのレビュー・感想・評価
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炭鉱夫の息子は夢を見る
何故、鉱夫の息子は父を逆らい、自分の夢を描こうとするのか。ただ、炭鉱が嫌なだけ? 純粋な気持ちで夢を追っているのでは無く、夢に逃げたい、ただそれだけ? って思ってしまうところですが、まあ、それが原動力であっても良いのかも知れません。苦手な筈の数学に挑み、自分の無実を説明しきったのは流石です。それほど「好きであること」が力であるのか、思い知らされたような気がします。しかし、それまで家庭を守ってきた父親の心情を責めたくはないものです。
夢への執着が立派
元NASA技術者のホーマー・ヒッカム・Jrの回顧録『Rocket...
元NASA技術者のホーマー・ヒッカム・Jrの回顧録『Rocket Boys (後にOctober Skyに改題)』を映画化したドラマ映画。
これは夢にあふれた純真な青春映画で無害でもあることから、世間で高評価なのは理解できる。確かに、炭鉱夫になる未来しかない町で、特殊才能のきらめきを見せつけ、人生を切り開く主人公には称賛しかない。ただ映画では綺麗な側面しか描かれていないため、自分には今後心に残り続けるような映画にはならないと思う。この時代は混迷した時代であり、ヒッカムのキャリアをみても恐らく闇の部分もあると思われるが、そこは綺麗に省略されてしまっている。
ヒッカムのその後を記載しておく。1960年バージニア工科大学入学・士官候補生隊に入隊。学位(理学士)取得し、1964年に卒業。アメリカ陸軍に入隊し、6年後の1970年に大尉で除隊。1971年から1978年までアメリカ陸軍航空ミサイル司令部にエンジニアとして所属。1981年から1998年までNASAのエンジニアとして活躍。1998年に『Rocket Boys』を出版。
すがすがしい
ラストの父と息子のシーンに泣いてしまった。 反発することもあるが、...
夢を追いかける瞳
最高の作品でした。
最初にホーマーが人工衛星スプートニクをキラキラした瞳で見上げるシーンで、涙腺がゆるゆるに。
アンソニーホプキンス主演のアトランティスの心で少年ボビーが自転車を熱い視線で見つめてた時もそうでしたが、少年が夢を抱きながら、何かを見つめるシーンはなぜだか泣きそうなります。
父親にいくら反対されても、周りがとやかく言っても、
ホーマーたちロケットボーイは諦めなかった。
少年たちの友情にも泣けた。
母親はいつもホーマーに寄り添って応援してました。
私も、自分の子どもたちが夢に向かって何かをやろうとした時は、見守り応援してあげれたらと思いました。
そして、自分もホーマーのようなキラキラした瞳を忘れない大人であり続けたいと
そんなことを考えて、胸が熱くなるいい作品でした。
繰り返し見たいです。
少年が夢を追いかけるノスタルジーな作品
史実に忠実過ぎたためか、演出のオリジナル性が低いためか…
全く知らない映画だったが、
満点投票した専門家が3人もいたキネマ旬報
第13位との評価作品と知り、
NHK放映を機に初鑑賞。
しかし、何か「アメリカン・グラフィティ」や
「スタンド・バイ・ミー」「オールウェイズ」
等と同じ、
古きアメリカを懐かしむ雰囲気に加え、
炭鉱町を舞台として家族が子供の将来に
思いを寄せると言う意味では
イギリス映画の「リトル・ダンサー」を
彷彿させたりと、やたら
他の映画が思い起こさせられて、
当作品への没入感を薄められたような鑑賞に
なってしまった。
ひたすら夢を追う姿や、
父親の持つ強い意思を息子が見事に継承
していたとの一貫した大筋は
感動的ではあるが、
史実に忠実過ぎたためか、
演出のオリジナル性が低いためか、
エンターテイメント作品としては
少しメリハリに欠けた作品になってしまった
印象を受けた。
NASAを舞台にした「ドリーム」が
メリハリが強過ぎたのとは逆のイメージ。
また、史実を上手く改変して製作した
同じ廃坑前の炭鉱町を舞台とした邦画
「フラガール」の方が、映画芸術としての
優れたエンターテイメント作品に
仕上がっているように感じた。
炭坑の街で、ロケットに魅了されてロケットを打ち上げるという夢を追う...
【”僕らは宇宙に行く!”ビルドゥングスロマン映画の類稀なる作品。若きジェイク・ギレンホール、ローラ・ダーンの姿も印象的。炭鉱の町で暮らす高校生達が夢を抱き、仲間と困難に立ち向かう姿が心に残る作品。】
■米ソ冷戦時代のアメリカ。
炭鉱夫になるしか将来がない町で、高校生のホーマー(ジェイク・ギレンホール)は美しい軌跡を描いて飛ぶソ連のスプートニクを見る。
宇宙に魅入られた彼は変わり者のクエンティンを始めとした、友人たちと「ロケット・ボーイズ」を結成し、ロケット制作に夢中になる。
だが炭鉱夫に長である父親(クリス・クーパー)はそんな彼の姿を理解できなかった・・。
◆感想<Caution! 内容に思いっきり触れています。>
・恥ずかしながらの初鑑賞である。だが、作品が発する魅力にあっと言う間に呑み込まれた。
・炭鉱の町で暮らすホーマーを筆頭とした高校生達が夢を抱き、仲間と支え合い、さまざまな困難に立ち向かう姿が心に残る。
何度も何度も、ミニチュアのロケットを制作し(炭坑夫に、溶接をお願いしながら・・)自分達で見つけた”コールウッド・ミサイル基地”でロケット発射実験を何度もする姿。
・当初は彼らの行動を揶揄い気味に観ていた仲間達の中で、彼らの意志を唯一理解し、支援してくれたライリー先生の姿。(若き、ローラ・ダーン:善性が溢れている・・。)
・そして、彼らは地区の"科学フェア”を突破し、更に上位の"科学フェア”で、見事に金メダルを獲得する。
・彼らのロケット実験により起こったとされる山火事を、それまで数学が苦手だったホーマーが黒板に三角法の数式を書きながら、見事な論弁で反駁するシーンは、沁みたなあ・・。
・自分達を庇ってくれた、ホジキン病に侵され倒れたライリー先生に対し、敬意を払ったミス・ライリー号が、見事に宙を飛ぶシーンも心に沁みたよ。
<何故に、この作品が現在光が当たっていないのかは、良く分からないが(私の知識不足であろう。)昔気質な炭鉱夫の長である父親との衝突や葛藤及び母親が自分の息子が見つけた”夢”を応援する姿も丁寧に描いており、ラストに訪れるカタルシスを感じた際には
”この作品は劇場で観たかったなあ・・”
と思わせるほどのハイレベルなビルドゥングスロマン映画である。>
勇気ある研究者
夢よどこまでも飛んでいけ
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