グリーンマイルのレビュー・感想・評価
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この役はトムハンクスがいい。そう思った。
人はなんのために生かされ、生きてゆくのか。時に奇跡のように美しい輝きを放つのも人間、悪魔のように残酷で醜い闇を生み出すのも人間。
人は皆、それぞれのグリーンマイルを歩くのだ。それぞれのグリーンマイルを明るくするのも暗がりとするのも自分次第なのだ。
自分の近くにある輝きを見逃さない心を持てますように。闇を闇と気づく心を持てますように。
真摯に生きる
すごく良かった。
刑務所に一匹のネズミが現れるのですが「こんな所に珍しい」と看守は楽しくなりお菓子をあげたり、またその食べる姿を見て笑顔に。視聴する者は思わずほっこり。人の命を処刑する、というとても重い題材ですが、その舞台で小さな命を、嫌われものの菌いっぱいのネズミを、包むように柔らかく扱う、それは「生を大事にしよう」と描かれているように思いました。
作中では処刑シーンが3つあります。縛り付けられて、人が人の手によって静かに死を与えられる。どれも目を背けたくなるようなシーン。中でもその1つが凄まじい残酷さ。観ていて怖くなったし苦しかった。
ジョンコーフィの不思議な力でたびたび奇跡が起きるのが観ているこちらも癒されるような気持ちになったり楽しい気持ちになりました。癒した後のワルイ物の表現方法が分かりやすく、怖くもあり楽しかったです。
最後まで観て…処刑シーンの残酷な描写は必要不可欠だったと感じました。行いの全ては誰かが見ている。悪い行いも逃さずに。
誰にでも平等に死はやってきますが、生を終わらせる事が出来る、という新しい視点を持てました(いずれ死ぬではなく、いずれ死ねる)。
現実とファンタジーが融合されたとても不思議な映画。限りある時間を大切に生きなさい、と優しく諭されてるようでした。
何故ジョンコフィーは黒人で大男で愚鈍に見えるように造形されているのでしょうか?
グリーンマイル
1996年米国公開
終盤で涙があふれました
ラストシーンでは胸いっぱいの感動を得ました
良い映画に出会った喜びと余韻がいつまでも残ります
セントクリストファーのネックレスの意味
所長の妻メリンダからコフィーに渡されたのはセントクリストファー(聖クリストファー)のネックレスでした
調べてみると聖クリストファーは、多くの人が命を失った危険な川で、旅行者を無事に運ぶ任務が与えられていた聖者のことだそうです
伝説では、子供の姿のイエスキリストが川を渡るのを手助けをしたと言われています。 だから聖クリストファーという名前は「キリストを背負う者」という意味から付けられた名前なんだそうです。
つまりジョン コフィーは聖者、救世主を背負う者なのでしょう
聖者としてキリストの力を借りて奇跡を起こし、苦しむ人を救済することができたのです
では何故彼は黒人で大男で愚鈍に見えるように造形されているのでしょうか?
彼が白人の好青年であったなら、登場人物達も私達観客も彼をすぐに聖者と認めてしまうからです
それではこの物語自体が成立しないからです
コフィーを聖者とは認められないとう差別意識があるからこそこの物語が成り立つのです
それを逆手に取られていたわけです
だから、彼はいつも飲み物のコーヒーとスペルが違うというのです
つまり、正しくないものをそうだと思いこんではならないと言っていたのです
そして、ジョンコフィーが大変に重い大男であることにはもっと意味があると思います
グリーンマイルとは危ない川の例えなのだと思います
伝説では聖クリストファーが小さな男の子を背負って川を渡ろうとすると、その子供は異様に重かったそうです
それで、その子がただ者ではないと悟り名前を丁重に尋ねると、イエスキリストであると明かされて、全世界の人々の罪を一身に背負っていたからその男の子は異様に重かったのだと分かったそうです
主人公のポールもまた、聖クリストファーのようにジョンコフィーを川の向こうに渡しました
そして、そのあまりの重さの意味を知ったのです
ジョンコフィーの巨体とその重さとは、人々の罪の重さの表現であったのです
人間の肉体の中に私達の魂は閉じ込められています
しかし、普段そんなことは当たり前のこととして気にも止めていませんし、肉体から魂が抜けだしてしまうことは、死として恐れています
しかし、所長の妻メリンダのように大病に苦しみ、治る見込みもなく苦しみ続ける人ならどうでしょう?
その人に取っては肉体とはポールの勤めている死刑囚監獄そのものではないでしょうか?
毎日毎日パーシーのような苦痛を与える看守が見回り横暴を繰り返すのですから
グリーンマイルを早く渡りたいという気持ちが起こっても当たり前だと思います
でもそれは神に背くことになるから、神が迎えにこられるその日まで、強く耐えなければなりません
では、自分の犯した罪の大きさに毎日苦しみ悶えている死刑囚ならばどうでしょう?
死刑執行の日の到来を恐れてはいても、早く渡って楽になりたいとの気持ちがあるのかも知れません
逆に、ビルのように、全く反省もない者ならば肉体にしがみついているでしょう
ポールはそんな死刑囚達を背負って川を渡し続けているのです
彼らに罪を贖わせるために
ジョンコフィーはポールとネズミのミスタージングルスに長い寿命を与えました
死刑囚監獄から少年更正院に転属してからも、周囲の人々より長生きして川を渡し続けなかればならなかったのです
それは罰だったのでしょうか?
無実と知りながら聖者を処刑したのですから確かに罰だったのかも知れません
キリストの処刑を指揮したのはローマの百人隊長ロンギヌスです
彼は目が白内障であったそうです
が、イエスキリストを処刑した槍の血が目に入り、目が治ったそうです
ジョンコフィーも目が不自由そうに描かれています
彼は暗闇が怖いとも何度もいいます
ポールは自分が無実の聖者コフィーをグリーンマイルを渡らせることになると覚悟したとき、自分は実はロンギヌスだったのだと分かったはずです
ロンギヌスはその後、キリスト教の洗礼を受け、28年間修道士のような生活をおくり、殉教したとされています
ポールもそれをなぞって殉教する運命の日がくることを待つことになると知っているのだと思いました
ポールは108歳
本当の寿命は80歳だったのかもしれません
そしてポールがこの物語を伝え終わり、老人ホームの友人エレインの死を看取ったときの大きなかなしみを噛み締めたとき、ようやく彼のロンギヌスとしての殉教の時がきたのかも知れません
ジングルスの名前の意味
ジングルとはチリンチリンと鳴って合図する音のこと
エレインにジングルスを見せたとき、神はポールにチリンチリンとその時がきたと知らせたのかもしれません
その時のために、ジングルスもまた長生きさせられていたのでしょう
蛇足
自分はキリスト教徒ではありませんので、
勝手な解釈で間違っていることばかりかもしれません
悪しからずご容赦下さい
しかし、京都や奈良の寺院を巡ると昔の人々は大変な巨額や労力をかけて大きな寺院や立派な仏像をなぜ沢山建立したのかの謎が、本作を観てやっと分かったように思いました
近代になるまで、医学は未発達でしたから、大病や大怪我の痛みや苦しみ、後遺症の辛さから逃れるすべは、神や仏にすがって、この苦しみから解放してもらうように祈る他なかったのです
だからあのように巨大で立派な寺院を寄進してまで、その苦しみから救って貰いたかったのです
それほど苦しんでいたのです
千手観音があれほど無数の手を持っているのは、苦しんでいる人間が無数にいても、それほど沢山の手があるのならば、自分も救って貰えるかも知れないと思えるからだと分かりました
八面、十一面も顔があるのは、苦しんでいる自分を見落とさずに見つけて貰えると信じられるからとわかりました
そして観音立像の脚や腰があのように今にも動きそうなのは、苦しんでいる自分を見つけたなら、すぐさま救いに動いて下さると信じられるからなのでしょう
肉体に魂が閉じ込められて、監獄のように逃げようがなかった時代だからそこ切実だったのでしょう
医学が発展した現代でもなお、神仏に祈る他ない人も多いでしょう
ジョンコフィーのような聖者
仏教なら観音様がお迎えに来られることを祈る他ないのてす
震える、忘れられない名作
『グリーンマイル』は、私にとって「映画とは何か」を改めて考えさせてくれる作品でした。
静かに、そして丁寧に進んでいく物語の中で、人間の善と悪、希望と絶望、命の重みがしっかり描かれています。
ジョン・コーフィの持つ力に最初は驚きながらも、彼の優しさと純粋さにどんどん引き込まれていきました。彼の目を通して見る世界は、私たちが見逃している「大切な何か」を教えてくれているように感じました。
上映時間は3時間と長めですが、全く飽きることなく、むしろもっとこの世界に浸っていたいと思えるほど引き込まれました。
特にラストシーンは涙が止まらず、見終わった後もしばらく動けませんでした。
重たいテーマですが、それ以上に心を揺さぶる「優しさ」と「希望」があります。人の心に深く届く、そんな映画です。
心に深く刻まれた奇跡の物語
死刑囚のジョン・コーフィー。その巨躯からは想像もできないような純粋な心を持つ彼は、刑務所内に奇跡を起こします。ポールの「そんな力を、子供を殺すような男に神が与えると思うか?」という言葉は、ジョンへの深い信頼と、この物語が描く奇跡の大きさを際立たせています。
この映画の最大の魅力は、何と言ってもジョン・コーフィーというキャラクターの存在。彼の優しさ、強さ、そして心の痛みは、観る者の心を揺さぶり、深く感動させます。冤罪の可能性、そして人間の心の闇と光が複雑に絡み合う物語は、観終わった後も余韻を残し、考えさせられます。
ファンタジー要素を取り入れながらも、死刑制度、人種差別といった重いテーマを扱っている点もこの作品の魅力の一つです。私にとって、「グリーンマイル」は今でみた映画の中でランキング10に入る名作となりました。
Miracles happen in the most unexpected places.
辛口レビューサイトIMDbでも8.6/10、4個のオスカーを始め、計37個の賞にノミネート、受賞もトムハンクスではなく、助演のマイケルクラークダンカン!わかる!
この作品は何度観ただろう?昔過ぎてレビューを残していませんでしたが、改めて見直してみて、人間の業のようなものを強く感じる作品でした。
推定予算6000万ドル、総興行収入約2億8700万ドルの大ヒット、公開から25年経った今でもレビューが書かれ、多くの観客を泣かせ続けています。
死刑台に登る際、ジョン・コーフィーは、私の記憶が正しければ、
"I'm sorry for what I am."
と言いました。すごくショッキングなセリフだったので今でも覚えています。
普通"I'm sorry for what I did."(私がしてしまったことを反省します)と言うところ、
「私が存在していてすみません」と言いました。このセリフだけでも、きっとジョンは罪を犯してないんだろうな、本当に生きることに疲れてしまったんだなという思いが伝わりました。
看守の皆が泣いて別れを寂しがっているシーンは、本当に美しいなぁと、やっぱり涙がこらえきれませんでした。
最近見直した「ミリオンダラーベイビー」といい、どうしてこんなに生きることは苦しいのだろう?と思います。正しく生きてもイヤなやつもいて…。
だけど、やっぱり一瞬の輝きでも、人生讃歌のようなストーリーを生きようぜ!と、私達を励ましてくれているようにも感じた、温かい作品でした。
虫を口から出す大男
もう一つの刑務所物語‼️
フランク・ダラボン監督が「ショーシャンクの空に」に続いてスティーブン・キング原作の刑務所ストーリーを映画化した、生々しくパワフルに心を揺り動かされる作品‼️感動させてくれます‼️トム・ハンクスは「ショーシャンクの空に」を観て、この作品の監督と絶対組まねばと思ったのでしょう。しかし「ショーシャンクの空に」を超えることは出来なかった‼️トム・ハンクスは大体そのパターン‼️主演作を並べると有名な映画監督の作品が多いけど、その監督にとって3番手、4番手くらいの作品ばかり‼️なんか哀しい‼️この作品もマイケル・クラーク・ダンカンがトム・ハンクスを喰う存在感を発揮していて、彼の死刑シーンは映画史上最もつらい死刑シーン‼️
良くまとまった名作
家族のような一体感
ヒューマンドラマの傑作と言えばこのグリーンマイル。
死刑囚として収監されたジョン・コーフィは、かなり大柄の黒人で、割と無口なので何を考えているか分かりづらい。しかし、ストーリーが進むにつれて彼の善良な人柄が明らかになるのと、癒やしの力を持つ特殊能力によって、刑務官達も彼に対して警戒を解き、徐々に信頼を寄せるようになる。やがて彼を含んだ囚人達と刑務官達は、家族のような一体感が出てくるというストーリーの構成が、ヒューマンドラマの傑作たる所以だと思う。その一体感の醸成に一役買っているのが、ミスター・ジングルスと名付けられた刑務所に住み着いているネズミだ。ジングルスを通じて囚人達と刑務官達に交流が生まれ、刑務所全体のアットホーム感が増している。
原作者と監督が同じ『ショーシャンクの空に』と同様、刑務官側にも囚人側にも人間のクズが出てきて、最後は痛い目を見る。このクズ達が映画のアクセントとして効いていて、温かいだけでなく痛快なストーリーとなっているのが、また面白いところだ。
囚人のデルの電気椅子での処刑シーンは凄惨そのものだった。ただでさえ惨いシーンなのに中々終わらず、結構長い時間見せられる。だが、長い時間処刑シーンを映すことによって『グリーンマイル』を観た人間に強烈な印象を残しているところが、残酷ながらも秀逸な構成だと感じた。
3時間と長めの映画だが、その時間に見合った傑作だと思う。
超能力を持つ優しい冤罪の死刑囚
午前十時の映画祭13にて。
大恐慌時代の1935年、刑務所の看守主任のポールは尿路感染症で苦しんでいた。彼ら看守の仕事は、グリーンマイルと呼ばれる通路を通って電気椅子に向かう受刑者たちに安らかな死を迎えさせてやることだった。この刑務所に身長2メートルを越す黒人の大男、コーフィが送られてきた。コーフィは双子の少女を殺害した罪で死刑囚となっていた。ところがこの大男は、ある日不思議な力でポールが患っていた尿路感染症を治してしまった。その後も、パーシーが踏み潰し瀕死のネズミを元気にし、脳腫瘍で錯乱状態だった所長の奥さんも治した。そして・・・.という自身が44歳の時に起きた話を108歳になったポールが語るという話。
序盤は看守のパーシーが乱暴でコネをちらつかせ嫌なやつとして、途中からは死刑囚のワイルドビルが加わり、この2人なんとかならないのかと思ってたら、ラストでスッキリした。
コーフィは無実で冤罪なのに死刑執行されなんとも言えない気分だった。
ワイルドビル役のサムロックウェルの憎らしさは半端なく凄かったし、大男コーフィ役のマイケル・クラーク・ダンカンの優しい顔は圧巻だった。それと、トムハンクスはやはり素晴らしい演技を見せてくれた。
最後まで余韻のある、色あせない名作です。
3時間という上映時間に迷っていましたが、こちらのレビューを見て、映画館で観ようと思い、出かけました。
結果、皆さんのレビューを信じてよかったです。
自分の今までとこれからを考えさせてくれる映画でした。
この世で一番体験したくない死に方を目撃したのは、ショックでした。
故意にそれを引き起こした職員であるパーシーには、何らかの人としての欠陥を感じました。
けれど、コーフィがパーシーにしたことには、違和感を感じました。
私が、日本人で、因果応報を旨としているからかもしれません。
罪と罰の概念があるのは、キリスト教だからでしょうか。
人が人を裁くこと。
社会を維持していく上では必要なことだろうと思います。
でも、私は、例え目の前に100億積まれても、絶対にしないです。
Z世代にこそ観てもらいたい作品
人を殺して許される存在があるとすれば、神だけだ
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