ザ・ハリケーンのレビュー・感想・評価
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可もなく不可もなく
ボクサーだった黒人のルービンが、殺人事件の犯人として逮捕されたが、黒人差別による冤罪であった。
その後、服役中にルービンが書いた自叙伝をたまたまレズラが見つけ、友人とともにルービンの無罪を証明しようと動く、という実話に基づく話。
全体的に可もなく不可もなくという印象。
大きなどんでん返しなどもなく、淡々とした流れ。
見ていて不快になるところもないが、逆に大きく感動するところもない。
奥さんがいたはずだが、逮捕された後どうなったのか?
新たに見つけた証拠は検証なし?
最後の判決の後、冤罪を作り上げた人たちへの対処は?
ルービンの無罪を証明しようと動く人たちの邪魔をした人のその後は?
などの疑問が残る。
あと、レズラは同じ黒人としてルービンに共感するところがあったようだが、カナダ人の白人である友人がどういう流れでルービンに感銘を受けたのかが描かれておらず、レズラに連れられいきなり無罪を証明するのに参加している印象だった。
人種差別
とても実話とは思えない露骨な人種差別。黒人に生まれたというだけで差別され刑務所暮らし。1966年なんてそんなに大昔の話じゃない。なのに自由の国アメリカの称号を汚すような話。欧米の伝統的な人種差別の諸悪の根源である白人至上主義。
無実の罪によって30年投獄された実在の黒人ボクサー
ボブ・ディランも解放運動に参加して歌を作った。デンゼル・ワシントンがこの映画のために27キロも減量して臨んだなどと話題が尽きない映画。
レズラ少年がルービン・カーターを知ったのは中古本市。自伝が発売された当時じゃなかったということも過ぎ去った年月の重さを感じます。最初の州法廷では陪審員が全員白人だったことに背筋が凍るような気がしました。また、法廷で闘う弁護士や市民団体が活躍するものだと思っていたら、レズラ少年と彼を受け入れたカナダの家族の情熱が熱かった。
憎まれ役の刑事を演ずるダン・ヘダヤ・・・多くの映画の脇役であるが、すごくいい演技・・・ブルドッグが眼鏡をかけたような、と表現されているのが面白かった。今回、地上波TVで観たので、ノーカット版が観たくなった(カットされすぎだ)。
永久保存版🙆♂️
久々に鑑賞したけど、やっぱり良い映画だわ。閉塞感を抱えたまま物語が進み、最後に一気にそのモヤモヤから解放される。1本の映画でここまで胸が熱くなる。自分もまた明日から頑張ろうと勇気付けられる。そんな素敵な映画であり、そんな力強い映画だ。
here comes the story of the Hurricane. これは奇跡か運命か…。
冤罪により独房へ送られたボクサー、ルービン・”ハリケーン”・カーターの実話を基にしたヒューマン・ドラマ。
カーターと彼の書いた自伝に感銘を受けた青年レズラとの出会いが、運命の歯車を動かすことになる。
主人公カーターを演じたのは『ペリカン文書』『フィラデルフィア』の、レジェンド俳優デンゼル・ワシントン。
第57回 ゴールデングローブ賞において、主演男優賞(ドラマ部門)を受賞!
第50回 ベルリン国際映画祭において、銀熊賞(最優秀男優賞)を受賞!
映画.comユーザーの皆様、昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。本年も宜しくお願い申し上げます🙇♂️
という訳で、2021年最初のレビューは1999年の作品『ザ・ハリケーン』。我ながら渋いチョイス!
原作本を読んだデンゼル・ワシントンが感動し、映画化の際には是非自分でカーターを演じたいと熱望したという。
デンゼルの熱意が伝わり実際に演じることになったが、なんと彼は本作のために27キロも減量をしてボクサー体型を作り上げた!
鬼気迫る彼の演技を見るだけでも、本作を鑑賞する価値はある。
黒人に対する人種差別を象徴するかの様な「ルービン・カーター事件」。
ボブ・ディランのアルバム「欲望」に収録されている「ハリケーン」という楽曲は、この事件の内容を歌い上げたもの。歌詞がそのまんま、この事件の顛末を表している。
このアルバムは事前に聴いていたので、ルービン・カーター事件のことは知っていたが、映画を観ることでカーターの悲運というしかない人生をより深く知ることが出来、またディランの歌のその後の展開を知ることが出来た。
絶望的としか言い表せない状況に置かれた彼を救うのは、レズラという青年。
レズラが古本市でカーターの自伝を手にするところから物語が始まる。
この語り口が見事。自然な流れでカーターの運命が観客に提示されるため、レズラと一体になるように、カーターに対して感銘を受けることが出来る。
レズラを演じたヴィセラス・レオン・シャノンという俳優さんの演技が素晴らしく、彼にも助演男優賞を差し上げたいくらいだった。
苦境に立たされる男の絶望と、運命と戦うことへの決意には心を動かされる。
でも映画全体にちょっと鈍重な感じがある。
レズラとカナダ人チームがカーターの為に動き始めるまでが長すぎ。そこからが盛り上がるところなので、もっと早くカナダ組とカーターの出会いを描くべきだったんじゃないかな。
ランタイムが145分というのもちょっと長く感じたなぁ。
映画本編とは関係ないが、本作の日本版予告で何故か『ショーシャンクの空に』の劇伴が流れる。同じ監獄物だけど、別作品の音楽使うのはルールで禁止スよね。
ちょっと笑っちゃったよ。
そういえば、本作の白人だけど優しい看守の人、どっかで見た事あるな〜、と思っていたら『ショーシャンク』の暴力看守の人だった。偶然じゃないだろうなぁ。
扱われている内容がかなりヘビーなので、気楽に観れる映画ではないが、観終わった後の充足感はなかなか。
新年一発目の映画鑑賞が本作でよかったかも!
ディランの曲が劇中歌として流れるのも良い👍
観る価値のある一本です!
冤罪法廷ドラマではなく、人間ドラマです。
冤罪で服役したボクサーと、彼の冤罪を晴らそうとする家族の物語。
大好きデンゼル・ワシントン魅力満載の作品です。実際にあった冤罪事件を下敷きにした作品。
粗暴な青年時代、ボクシングで成功し傲慢になったボクサー時代、そして自暴自棄、達観、絶望を繰り返す収監時代。
主人公の心理を、デンゼル・ワシントンが巧みに演じます。
ただ冤罪を扱うドラマとしては、冤罪を覆す部分に弱さを感じてしまいます。実話ですので、実際にそうだったのでしょうけど、映画としてはあっさりした印象をぬぐえませんでした。
冤罪からのチャンピオンベルト
B・ディランが鳴り響く。
自由の壁に閉ざされて拳を交えた闘いだけでは許されず人種差別から警察、偏見と、州、いや国家と、闘わなければならない事柄が多過ぎた。
11歳から自由を手にするまで赦されるまでに気の遠くなる時間を無駄に奪われ対人間にする行為としてここまで残酷なことがあるだろうか。
単純に人種差別という影があったとしても奪われ過ぎた人生を歩む必要性は微塵も無い。
奥さんとの関係性や一緒に捕まってしまった人のことなど後半からダルい展開になっている気もするので二人にスポットを当てた描写があっても良かった。
ザ・ハリケーン:愛が私を救ってくれる
【ザ・ハリケーン:おすすめポイント】
1.黒人がどれだけ虐待されていたかが手に取るようにわかる貴重な実話映画!!!
2.レズラ・マーティン役ヴィセラス・レオン・シャノンが凄くいいなあ!!
3.こんな3人の友が欲しい、超感動する!
【ザ・ハリケーン:名言名セリフ】
1.ルービン・“ハリケーン”・カーター役デンゼル・ワシントンの名言名セリフ
→「俺の記憶なんて葬れ」
→「私はもう50だぞ」
→「苦しみで投獄されたが愛が私を救ってくれる」
2.レズラ・マーティン役ヴィセラス・レオン・シャノンの名言名セリフ
→「彼は無実なのに16年間も刑務所に入れられているんだ」
3.リサ・ピータース役デボラ・カーラ・アンガーの名言名セリフ
→「連れて帰るわ」
ボクシング映画では ない
ハリケーンのリングネームを持つ黒人ボクサーが、人種差別により刑務所に入れられ、抵抗する話。ハリケーンの人生、裁判のプロセスがメインで、ボクシング映画では ない。
非常におもしろい映画だった。感動した。ありがちな「人種差別をなくそう」という話では ない。あくまでハリケーンという一人の人間が描く人生の話だ。そして、それに感銘を受け、協力する多くの人たちの物語だ。人は どう生きて、どう死ぬべきなのだろうか。その指針を示す映画でもある。
タイトルで損してる
冤罪で無期懲役を告げられたハリケーンの異名を持つ黒人ボクサーの話。史実を参考に作られている。最後のハッピーエンドは素直に喜んで観れた。連邦裁判所の判事役の役者さんの演技が良かった〜。デンゼルワシントンも素晴らしい!
ただ、TV地上波で観たためにカットされてるのかもしれないけど、もう少し事件の背景の詳細が欲しかった。映画としては、ハリケーンが誰と闘っているのかを、もっとハッキリさせる方が良いし、もしそれが、白人全体を敵とするものなら、白人支援者のカナダ人に信頼を寄せるのは、大きな転換点なので、もっと詳細に描写されて良いのでは?
史実を基にした映画は、史実をなぞる事に追われて、背景や因果関係の説明が不足しているものが多い気がする。
ペンは拳より強し
人種差別により、冤罪で無期懲役の判決を下された実在の黒人ボクサー。
自分を陥れた白人への、自らの境遇への憎しみが、パンチひとつひとつに込められているようでした。
有名なボクサーであり、また伝記本も書き社会の注目を浴びたことで、彼は外からの援助を受けられたのだと思います。彼の不屈の精神と、そのアンテナに反応した黒人少年により嵐を巻き起こしたとは言え、同じ境遇の人々からすると、彼は比較的幸運な立場だったのではないでしょうか。無名かつ無力故にそのまま冤罪で消えていった黒人はどれだけいたのだろうと考えると悲しいです。
"Writing is a weapon... it is more powerful than a fist can ever be."
ボブ・ディランが歌っていた人のことだったとは
長期の刑務所での収監にもかかわらず、押しつぶされなかった主人公の精神力の強さに圧倒されます。「パピヨン」や「ショーシャンクの空に」のように自力で脱獄せず、支持者の助けを借りて正々堂々と出獄できる話は意外に珍しい映画かもしれません。しかも大部分は事実に基づいているとは驚きでした。ある意味もっと驚いたのは(というか一番感心したのは)、赤の他人なのに彼の無実を、引越しまでして命がけで応援する人たちがいたことです。
また、ボブ・ディランが歌っていたハリケーンは、この映画の主人公のことだったことを、この映画を観て初めて知しました。
冤罪事件のやるせなさ
デンゼル・ワシントンの演技は素晴らしいのだけれど、知性的な雰囲気が強すぎて、ボクサー人生を完全に奪われてしまった無念さが少し薄れてしまっているような気がしました。まずさきに冤罪が晴れて良かったという気持ちが立ってしまったことが、果たしてよかったのかどうか…もっと、怒りが必要かと─。
人間の強さと、弱さ。
人種差別により生まれた冤罪。
これが実話に基づくストーリーだというだけで怒りが湧き上がる。
冤罪により収監されたボクサーは自分を貫き、戦い抜こうとする。
しかし、長い歳月はそんな彼すら折れさせる。
たとえ無実とは言え、刑務所での日々は強靭な人間性をも殺してしまうのだ。
なんとも切なく、なんとも哀しい。
無実の訴えは社会運動にまで発展するも、決して実ることはなく、そして闘志の炎は消えていった。。
しかし、、、、
この作品を通して、人とはどんなに強くても弱く、どんなに弱くても強いものなのだ、と実感させられた。
一人では戦いきれない敵が存在する事実がある一方で、人の勇気が集まれば戦い抜くことが可能なのだと。
ストーリーもさることながら、デンゼル・ワシントンの演技は圧巻である。
牢獄に中で、戦い、苦しみ、萎え、蘇る。
そんな一人のボクサーの苦悩を演じ上げた彼の演技に称賛。
ボクシング映画じゃなかった
ボクシング映画かと思ったら冤罪など司法がテーマの映画だった。男の子が刑務所を訪ねて行くと、面会室の一番奥に無言でデンゼルワシントンが座っている、それが無言でありながら一目で分かる存在感が圧倒的でゾクゾクした。
トレーニング施設があるからかな、ムショ暮らしで体がタルタルになるかと思ったら全然ムキムキだった。アメリカの刑務所は日本よりはずっとマシな感じがするが、それでも不自由は不自由で辛そうだった。絶対に法律違反はやめたいし、有力者ににらまれるのも避けたいと思った。そして勉強は大事だ。
デンゼルワシントンが、助けてくれた人たちに「自分なら同じようにできるかと言えば無理だ」と言っていたのがとても正直で印象的だった。
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