俺たちフィギュアスケーター : 映画評論・批評
2007年12月11日更新
2007年12月22日よりシネマGAGA!ほかにてロードショー
少しも期待と予想を裏切らないくだらなさが炸裂
アメリカ製コメディはヒット作でも、日本で劇場公開されることが非常に稀。が、ここへ来てやっと、ウィル・フェレルの正しい魅力をスクリーンで味わう機会がやって来た!
というわけでこの「俺フィギ」、客を笑わすことに命をかけた、アメリカン・バカ・コメディの鑑である。実はプロットは、フェレルの未公開作「俺たちニュースキャスター」や「タラデガ・ナイト」と同じ。つまり、ある業界でトップに登り詰め、調子に乗りすぎて転落したバカ野郎が、再起をかけて大奮闘。しかし本作の場合、フィギュアスケートという抜群の素材がめいっぱい活かされ、おいしいったら(しかも、フィギュア界のスター選手たちもノリノリでカメオ出演しているのだ)!
とにかく、キャラの立ち方が最高。やたらマッチョでセックス中毒の野郎系スケーターがファレル。そのライバルで少女マンガ系のナヨっちい美少年系が、「バス男」(これも未公開のケッサク)の全然美しくないジョン・ヘダー。その2人がペアを組むハメになるって、聞いただけですごそうでしょ?
そりゃ、すごいのだ。少しも期待と予想を裏切らないキモさが炸裂。あり得ないバカさと日本人にもわかりやすいギャグの数々、ありきたりな感動を呼ばない友情や恋のネタが盛り込まれ、90分間笑いっぱなし。あー、くだらなかった、と大満足で劇場を後にできること請け合いなのである。帰りにはぜひ、主演2人の未公開DVDもゲットしてほしい!
(若林ゆり)