劇場公開日 2022年10月7日

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ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 : インタビュー

2002年12月3日更新

スペシャル・エクステンデッド・エディション

大予告! eiga.comではこれから来年春の日本公開まで「ロード・オブ・ザ・リング」を足かけ2年に渡って大特集だ! 第1回は12月4日発売の「ロード・オブ・ザ・リング」DVD、「スペシャル・エクステンデッド・エディション」を見たスタッフ&キャストの生の声をレポート。何を隠そう「二つの塔」はこのDVDから続くのだ。そして、第2回は12月10日のパリのプレミア報告を現地直送で速報する予定。指輪の仲間の旅はまだまだ終わらない!

第1回:ニュージーランドでスタッフ&キャストが語った!

DVD「スペシャル・エクステンデッド・エディション」はココを見る!

若林ゆり

「ロード・オブ・ザ・リング」劇場版より30分長いDVD「スペシャル・エクステンデッド・エディション」が12月4日、ついに発売される。原作を好きだという人にとって、これはまさに夢の実現だ。劇場では見られなかった、あんな場面やこんな場面、そしてキャラクターへの深い共感を呼ぶシーンがたっぷりと見られる。ピーター・ジャクソンがこの物語をどんなふうに愛していたかがよくわかるのだ。ここでは、撮影現場を訪れたときに直接聞いた、監督やスタッフ、キャストのこのバージョンへの想いをお伝えしよう。

■ピーター・ジャクソン、大いに語る

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まず、このバージョンは、最初から監督の念頭にあったわけではない。苦しい編集作業の途中で、自然に浮かび上がってきた願望だった。なにしろ原作は膨大。脚本の時点で大胆なカットをした上に、撮影しても泣く泣くカットしなければならないシーンが山とあった。

「最初にラフカットを仕上げたときは、4時間以上あったんだ。これでは、劇場に足を向けてもらうには長すぎるってわかっていた。リスクが大きいって。こうして編集が始まると、惜しいけど切らざるを得ないシーンが出てくるんだよ。そういうシーンの中には価値の高いものも多いから、なかでも特にいいものをDVDのために入れた。このバージョンのために僕のやったことは、好きなシーンを入れていくという作業だったんだ。撮影したのに入れなかったものもたくさんあるけど、追加した分は私が特にいいと思った部分だよ」

DVDで延長版を、という企画が決定的なものになった理由は、「ガラドリエルの贈り物」に関するシーンだという。

「1作目の編集作業を進めていくうち、ガラドリエルが贈り物をするシーンが問題になった。私を含めた関係者全員の目に、このシーンが映画としてのクライマックスのペースを下げてしまうと思えたんだよ。とはいえ、原作ではここにあるシーンだからどうしようもない。あの時点では私も、カットすることに賛成だった。でも、その時にこのシーンでの贈り物が、2作目ではそれぞれに使われて特徴ともなっていくわけだからね。カットすると問題になるということもわかっていた。だからニューライン(製作会社)に、劇場版からこのシーンをカットするなら、『二つの搭』の公開前にこのシーンを入れたDVDを出す約束がなければダメだと言ったんだ。たくさんの人がDVDを見てから『二つの搭』を見て来てくれることを望んでいる。そうすれば話がちゃんと繋がるからね。このシーンでは、ガラドリエルのやさしさも表せて、より原作のイメージに忠実になった。他のキャラクターも、よく表現できていると思うよ」

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このバージョンは、ただいくつかのシーンを入れたというものではなく、数秒のシーンが随所に挿入されたりと、実に丁寧な作りだ。

「DVDでは、劇場版とは違ったペースを作ることができるからね。劇場用に映画を製作している場合は、上映時間などのさまざまな抑圧が足かせとなる。特有の観客がマーケット層になるしね。それがDVDに関しては、誰にも気兼ねをしなくてもいいんだ。つまり、監督が完全に自由になれるということなんだよ。時間の制限からもね。劇場版は急ぎ足になってしまった感もあるんだけど、DVDなら、ホビットのシーンなんかはゆったり見てもらえる。今回入れたのは、キャラクターをより深く理解してもらうために重要なシーンばかりなんだ。たとえばアラゴルンのいいシーンが増えている。ちょっとしたことでも、効いてくるはずだよ」

続く「二つの塔」「王の帰還」でもDVDエクステンデッド版は出る?

「今の段階(注:『二つの塔』追補撮影中)ではなんとも言えないなあ。本当に、今は見当もつかないね。もしかしたら変な魔法が働いて、撮影したすべてが映画に反映されるなんてことになるかもしれないから……、そんなことはまずないだろうけどね(笑)」

インタビュー2 ~第1回:ニュージーランドでスタッフ&キャストが語った!
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