風が吹くまま

劇場公開日:2021年10月17日

解説・あらすじ

イランの巨匠アッバス・キアロスタミが、小さな村を取材しに来たテレビクルーと個性豊かな住民たちの交流を描き、1999年・第56回ベネチア国際映画祭で審査員グランプリを受賞した人間ドラマ。首都テヘランから、クルド系の小さな村を訪れたテレビクルーたち。彼らはこの村独自の風習である葬儀の様子を取材しに来たのだが、村を案内する少年ファザードには自分たちの目的を秘密にするよう話す。テレビクルーは危篤状態のファザードの祖母の様子をうかがいながら、数日間の予定で村に滞在する。しかし数週間が過ぎても老婆の死は訪れず、ディレクターはいら立ちを募らせていく。特集企画「そしてキアロスタミはつづく」(2021年10月16日~、東京・ユーロスペースほか)にてデジタルリマスター版を上映。

1999年製作/118分/G/フランス・イラン合作
原題または英題:Le vent nous emportera
配給:ユーロスペース
劇場公開日:2021年10月17日

その他の公開日:1999年12月4日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)1999 MK2 PRODUCTIONS-ABBAS KIAROSTAMI

映画レビュー

4.0 美しい壁と扉、窓、連なる丘と麦畑、人

2025年9月6日
PCから投稿

楽しい

癒される

カワイイ

家屋も道も家畜小屋も全て繋がっており白い迷路のよう。群体を思わせる。
『友だちのうちはどこ?』でも美しい異国の風景を堪能したが、この作品も見所ばかり。
子供たちは好奇心を隠さず近づき、娘たちは珍なる人を覗き見つめさざめき、年配の人々は礼儀正しく、皆親切。彼らは協力し合って暮らしており、子供も医師も詩を暗誦する。

カフェの女主人は夫に不満があり夫にも言い分があるらしい。でも詳細は説明されない。
主人公は態度が悪くてすまなかったと少年に謝った。まあ本人は謝ったつもりらしい。でも少年は受け入れていない様子。だけれどもはっきりとした意思表示はされない。
イランで“珍しい”と目される葬儀の習慣がある宗教とは何だろう?でも描かれない。
主人公の仕事が何なのかもはっきりとは語られない。生き埋めになった青年(その姿は一度も映し出されない)は助かったのか。どのように助かったのか、後遺症などは無いのか。恋人とはその後どうなったのか。何ひとつわからない。全然サスペンスじゃない。
でもこの映画の中には物語がたくさんある。

14:38 洗面所 林檎(小さい!) 薄く広いパン(クレープのようで、折りたたんで腕に掛けられる巨大さ)
36:39 バジャールとジェイランのスープ
38:32 髭剃り ドア
(略)
01:04:50 タージュドラト(女主人)のスープ
01:08:49 パン作り(薄く広げる技法が素晴らしい)
01:21:35 壁にスープなど温められる小さい炉?
01:33:06 フンコロガシ(意外に速い!)
(略)

今ネットで話題のクルド人の話である点も興味を引いた。
日本とは全く違う文化・食。
でも日本と同じく生きるために良く働き、仲良く/諍い、折り合いを付け/反りあっている。
ああ全く違う、いや同じだ、どちらも人なんだねえ、じゃあ違ってて同じだよねえと少し落ち着いた。
その点でも大変ありがたい映画だった。

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mysha

4.0 善と悪のいる純粋で美しい村にて

2025年9月2日
スマートフォンから投稿

未舗装の山道
丘陵にある村

そこを訪れた男
目的は明かさない

男の目線で進む日々
親切な村人との日々
昨日も今日も同じ
男は善人か悪人か

美しい詩と
美しい自然
残酷な時間

男と共にあった時間
終わりと目的の交差
善人か悪人かの瞬間

嬉しい様な
切ない様な
終りの瞬間
男は動いた

善か悪か

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星組

2.5 目が幸せ

2025年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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toyoto

2.0 難しいが独特ではあったが...

2025年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

難しい

結局なんだったんだろうという作風なのは解っていたものの...う~ん
でもまたほかの作品も観たくなるのは何故だろう?麦野原をバイクで走るシーンとか素晴らしいんだけど....唯一無二の監督であることはよく解った

※一点だけ気になったのは子供の描き方が実は凡庸ではないか?
 子供には拘っているようですがどうも気持ちが悪いのです自分から観ると

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金北山を仰ぎ観て育って