「有限の世界と無限の世界」海の上のピアニスト リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
有限の世界と無限の世界
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リバイバル上映ということで鑑賞。
このような人物が実在したのかどうかは分かりませんが、ようやく船から降りてみようとタラップを途中まで降り、やはり止めようと船に戻った理由が秀逸でした。
鍵盤は88で、きちんと終わりがある。だからこの有限の世界の中でならメロディーが無限に表現出来るし、有限だからこそ生きていける。
でもタラップを降りた陸は無限に広がっていてとても手に負えない。無限の世界では「誰を愛するのか」「どこに住むのか」「どの道を選ぶのか」を、どうやって決めたらいいのか分からない。だからとてもじゃないが陸では生きていけない。。
情報過多の現代を風刺するようでもあり、
なかなか心に刺さる言葉でした。
船が爆破されることになって営業停止になった時点で船への食糧の供給は無くなるから、船からどうしても降りないのであれば運航しなくなる時点で彼の運命は決まっているのですが。。
彼をなんとか生かしたいトランペッターの友人の想いも伝わるだけに最期は切なかったです。
船で生まれ船で育った主人公は、どんな荒波の航海でも決して船酔いすることがない。
船の揺れに耐性のある主人公が果てしなくファンタジックで、ピアノの技巧も含め魅力的な主人公でした。
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