「伝説のピアニスト」海の上のピアニスト セロファンさんの映画レビュー(感想・評価)
伝説のピアニスト
音楽・映像・ストーリーどれもが素晴らしいです。
音楽はどの場面のものも好きです。曲の種類もジャズやワルツやバラード、壮大なオーケストラ風のものまで幅広く、そのどれもがそれぞれの場面にぴったり合っていて心に残っています。特に好きなのが、ナインティーンハンドレット(以降1900)とマックスが嵐の夜に2人で波に揺れながらピアノにのる場面のワルツです。(サントラに入ってなかったのがとても残念です。) 船上で会った少女を想いながら弾く曲も心に染みます。
映像も幻想的でとても美しいです。豪華客船の煌めきとか、そこから眺める海の白波とか一場面一場面をこだわって作られているのが伝わってきます。
主人公の1900自身も魅力的です。見た目は大人だけど、中身は純粋な少年のようであり、それでいて人智を超え、誰もが魅了する音楽を紡ぎ出す。つかみ所の無い不思議なオーラを持った1900を見事に演じきったティムロスの演技も素晴らしいです。
原作も読んだのですが、私にはいまいちピンときませんでした。ですが、その原作からこの映画を創り上げたトルナトーレ監督のイマジネーションと創造力には脱帽です。
好きな場面は色々ありますが、ジャズ対決シーンは圧巻です。音楽ももちろん素晴らしいのですが、「煙草」で両者の心境が表現されているのが面白いです。対決を申し込んだジェリーロールモートンは初めは余裕綽々であり、煙草の灰が全く落ちないという所からもその心境が窺えます。しかし、最後の曲で自身の敗北が明らかになると、煙草の灰がホロリと落ちてピカピカに磨かれた靴に降りかかる。ジェリーロールモートンの渾身の最後の一曲に対する1900の煙草返し(?)の演出は笑えたし、スカッとしました。
初めてこの映画を観た頃はラストが悲しくてモヤモヤしました。しかし、20年以上経った今観ると、これ以外のラストは考えられないなと思っています。上手く言葉で表現できませんが、1900がマックスと一緒に陸で楽しくピアノを弾くラストってなんとなく違うなという気がします。
「陸(=無限に続く鍵盤)のピアノは自分には弾けない。ピアノの鍵盤は88と決まっていて、そこ(=海の上)から生み出される音楽は無限だ、そこが好きだ。」という1900の言葉は好きですが、それが彼が死を選ぶ理由になるのかは今もわかりません。が、マックスが辛い決断をしたのは、1900の気持ちを真に理解したからこそなのだという事はわかるような気がします。
こんにちは♪
共感ありがとうございました😊
本作大好きです。
ジャーン❗️新情報❗️
先は長いですが、
本作が『午前十時の映画祭』に
来年3月から2週間かかるそうです。
映画館で観られるとは❗️
一度ご自身でも確かめていただければと
思います。返信は結構ですよ🐱